Yahooのトピックスに「ヒットラー賞賛の隠語:洗剤回収」という記事が取り上げられていた。
素となった記事は、毎日新聞が掲載している。
毎日新聞:ヒットラー賞賛の隠語:洗剤宣伝のはずが・・・ドイツで出荷停止
対象となった洗剤は、P&Gが発売している「アリエール」。
日本でもおなじみの洗濯用洗剤だ。
そして増量キャンペーンを謳うつもりが、ヒットラー賞賛の隠語となってしまった、と言うコトのようだ。
この記事を読んでP&G程の企業が、この様なミスをするのか?と言う驚きだった。
P&Gの本社は米国だが、今やP&Gの製品は世界中で販売されている。
その意味では、本当の「グローバル企業」だと思う。
「グローバル企業」であれば、当然進出する国の文化や社会的なタブーの様なコトは当然知っている、と思っていた。
ドイツに進出してからも随分経っていると思うのだが、それでもこの様な隠語を知らなかったと言うのは、意外だった。
どうしたら、その様な問題を防ぐコトができるのだろうか?
それはもっと広い意味で「相手を知る」と言うコトように思う。
「相手」と言うのは、製品や商品・サービスを提供する人達と社会のこと。
それだけではなく、「社会的背景や文化」と言う点も十分に調べ、理解すると言うコトだ。
実はこの「社会的背景や文化を知る」というコトは、とても難しいと感じている。
なぜなら、この様なコトは単純な「調査」でわかるコトではないからだ。
一般的な「市場調査」といった場合、調べる対象となる内容は「価格・製品に対する使い心地や効果」などが中心。
もちろん、ライバル企業との製品比較なども含まれる。
今回問題となった「アリエール」そのものは、既にドイツで販売されている商品なのだから、P&Gも、この様な「市場調査」などは十分に行っていただろう。
ただ、「社会的背景と社会文化」というトコロまで、踏み込んでいなかったのかも知れない。
確かに多くの人が知っているのであれば、それは「隠語」にはならないだろう。
それでも、企業は「製品・商品を売る」という点では、様々な配慮をしなくてはならない。
「製品や商品を売る」ためには、「売る相手の生活志向」や「市場状況」を十分に知る必要がある。
そこで重要になってくるのが「マーケティング」というコトになるのだが、「数字ではわからないコトを知る」そんな視点も、マーケティングには必要だと言うコトを、この出来事は教えてくれている様な気がする。