日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

侮れず、スーパー系「お中元カタログ」

2014-05-17 19:30:26 | ビジネス

母の日が終わると、百貨店や大手スーパーの「お客様カウンター」近くに、「お中元ギフトカタログ」が置かれる様になる。
百貨店のカタログなどは、「産直」と「カタログギフト」などに力を入れているのがわかる。
その理由は、大手食品会社や洗剤などが、大手スーパー系と重なるためだ。
大手スーパー系の場合、メーカー小売価格よりも10%くらい易くなっているため、「包装紙」さえ気にしなければ大手スーパーを利用した方が、安く済む。
その為、百貨店は催事販売などで関係をつくってきたメーカーさんと一緒に「産直ギフト」などオリジナリティーのある商品づくりに躍起になっているように思える。

一方、大手スーパー系も希望小売価格から10%程度値引くことで、「お中元商戦」に乗るコトができる。
生活者としては「なるべく安く・便利に買うことができる」という点では、同じ商品なら百貨店よりも大手スーパー系を選ぶのは、当然のコトだろう。
他にも、ギフトショップと呼ばれるチェーン店や郵便局なども加わり、最近の「お中元・お歳暮商戦」は、それぞれの特色を出そうと躍起になっている。

その中でも、大手スーパー系の「お中元カタログ」を見て、「なるほどな~」と感心をした。
大手スーパーともなれば、全国各地にその販売ネットワークを持っている。
例えば「AEON」などは、元々地方にあったスーパーを飲み込み、事業を全国規模にしてきた。
そうすると、元々地方のスーパーが持っていたそれぞれの地域にしかない仕入れ先も、一緒に飲み込んだ状況になっている。
大手スーパー側としては、新しい仕入れ先を見つける必要がないだけではなく、それぞれの地域にしか無かった商品を取り扱うことができるようになる、と言うメリットがあるはずだ。
それを実感したのが、大手スーパー系の「お中元カタログ」だった。

同じ様に全国各地に独自の仕入れルートを持っている百貨店だが、それ以上に細かな仕入れ先情報を持っているのが、大手スーパーでは?
実際店頭に置かれている「お中元カタログ」を見てみると、北海道から九州までの産直品が地域ごとに掲載されている。
気になって、掲載されているお店をネットで調べてみると、地元では有名だが全国的知名度はまだない、と言うトコロがいくつかあったり、バラエティに富んだ「小分けパッケージ」という商品がいくつもあるったり、予算3,000円前後で、好きな商品を3点選び、「オリジナルギフト」を作る、と言う内容のものもある。
この様なギフト内容は、少人数世帯が増えたことや料理の手間を省きたいと言う、生活者のニーズをよく捉えていると思う。

それだけではなく、百貨店のみの扱いだと思っていた「銀座千疋屋」のような高級果物店や京都の老舗料亭「菊乃井」や「下鴨茶寮」のようなところの「お総菜」なども扱っている。
百貨店の得意とする分野にも、どんどん進出している。

これまで「スーパーのギフトは・・・」と、二の足を踏んでいた客層を取り込みたい、と言うだけではなく、時代のニーズをよく考えた「お中元カタログ」だと思う。