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アベノミクスによる「円高」は、本当に良かったのか?

2014-05-27 07:49:04 | ビジネス

経新聞などが「ユニチカ、取引銀行などに金融支援」という内容の記事が掲載されている。
日経新聞:ユニチカ、取引銀行などに金融支援
記事の内容を読むと、原材料などの高騰で経営が厳しくなったための金融支援要請だという。

ところで「アベノミクス」で円安傾向になったため、「輸出産業が黒字になった」と言うことになっているのだが、本当だろうか?
「輸出産業」としてあげられた、自動車産業などは既に現地生産が当たり前になってきており、「為替差益」によって、大幅な黒字になっただけで、日本からの輸出で黒字になったわけでは無い。
おそらくこの様な話は、拙ブログだけではなく様々なビジネス系のブログで指摘されてきていると思う。

一方国内に目を転じると、ユニチカの例だけではなく身近なトコロでは、電気代の値上げやガソリンの高値安定など「円安」になったコトで、生活に影響を受けている生活者のほうが多いのではないだろうか?
「ユニチカ」のように、海外から原材料を輸入している企業などはその影響は想像以上だと思う。
この様な状況になることは「円安」になった頃からわかっていたことだと思う。
にも関わらず「アベノミクスで、輸出産業は黒字に転換」ということばかりが、クローズアップされたことで「円安」のデメリットが過小評価されてしまった感がある。

「ユニチカ」のように、「原材料を輸入し製品を輸出する(または、国内で消費する)」企業にとって、「円安」は歓迎できない政策だったということだ。
そして生産拠点を海外に移していない企業や多くの中小企業にとって、この「アベノミクスによる円安」というのは、決して良い政策ではなかった、と言うことだと思う。
にも関わらず、「円安=黒字=企業収益の改善」という伝わり方は、何故起きたのだろう?
単にマスコミなどによる報道の影響だけだろうか?

「ユニチカ」という、繊維産業の老舗企業の「金融支援要請」は、今の「アベノミクスによる円安政策」の問題点をあぶり出したのではないだろうか?
さて、安倍さんを始め日銀はこのことに対して、どのようなアクションをおこすのだろうか?