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日本でも「ロック(ミュージック)は、中高年の音楽」になってしまったのか?

2017-08-05 20:36:55 | ライフスタイル

Yahoo!のトピックスに、「フジロック(フェスティバル)」についての記事が、取り上げられていた。
日刊ゲンダイデジタル:若者が敬遠か フジロックは”おひとりさま”中高年の祭典に

「フジロック」という名前だが、現実には苗場(スキー場)で行われる、日本最大級の音楽フェスティバル。
出演ミュージシャンも多く、まさに「(夏の)音楽の祭典」というイメージを持っている。
ただ、最近の出演するミュージシャンのリストを見ると、ロックという音楽にこだわってはいないようだ。
逆に、いわゆるJ-POPと呼ばれる日本のミュージシャン、しかもテレビなどにあまり登場しないミュージシャンの名前が多いように思える。
テレビなどに出演しないからと言って、人気ミュージシャンではない、とは言い切れない。
ネット配信などの普及・一般化により、マスメディアに登場しなくても、コアなファンを獲得しているミュージシャンは数多くいるはずだ。
そのようなファンがいるからこそ「フジロック」というステージに、立つことができるのだ。

その「フジロック」の観客の年齢層が、上がっているというのが、今回の記事だ。
確かに苗場までの交通費、宿泊代、滞在中の食事に当然の事ながら開催期間中のチケット代が加わる。
「フジロック」に行くだけで、軽く10万円くらい飛んでしまうかもしれない。
そう考えると、経済的余裕がある年齢層が観客の中心となってしまうのは、仕方のないコトかもしれない。
以前、拙ブログでも「アメリカでもロックは、中高年の音楽になりつつある」という内容のエントリをしたことがある。
チケット代の高騰などを考えると、必然的に経済的余裕のある世代しかコンサートなどに行くコトができなくなってしまっている、という現実はアメリカだけに限ったコトではない、ということだろう。

一方夏真っ盛りの今頃は、全国各地で「野外フェス」が行われている。
こちらはJ-POPのミュージシャンが主体で、都市部に近い場所で開催されたりすることが多いようだ。
当然、観客の年齢層も「フジロック」よりも若い。
そしてこの「野外フェス」が、新人ミュージシャンのメジャーデビューの場ともなっている、と聞く。
CDが売れない時代、「野外フェス」が、ミュージシャンにとっての稼ぎ場なのだ。
しかも不特定多数のファンが集まる場所だからこそ、有名ミュージシャンに交じって新人ミュージシャンを売り出す機会ともなってしまうのは、当然の事かもしれない。
それだけではなく、このような「野外フェス」やライブ会場で販売される、様々なミュージシャングッズもまた、大きな利益を生み出すようになっているのだ。

固定的なファンがいる中高齢(どころか老齢)のロックミュージシャンにとって、日本の市場は安定的な稼ぎ場所となっているのが「フジロック」だとすれば、J-POPの若手ミュージシャンにとって、不特定多数の人達にお披露目をする場が「野外フェス」なのかもしれない。