日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ゴーン氏の逮捕と日産

2018-11-19 20:11:09 | ビジネス

今日の夕方飛び込んできた、日産のゴーン会長逮捕状請求のニュース。

讀賣新聞:ゴーン日産会長を逮捕、金融商品取引法違反で
その後、逮捕というニュースに切り替わったが、ゴーン氏の逮捕は日産や三菱自動車だけではなく、ルノーなどの株価に与える影響は大きいだろう。
実際、取引が始まった欧州のルノー株は、値を下げているようだ。

ゴーン氏への逮捕状請求のニュースが出た時、何故?という印象があった。
ご存じの通り、ゴーン氏は、1990年代後半(=バブルが崩壊し、日本の様々な企業が経営危機に陥った頃)フランスの自動車メーカー・ルノーから日産きて、まさに日産のV字回復を主導した人物だったからだ。
そのような実績があるからこそ、高額な役員報酬であっても株主も世間も納得していたと思う。

初来日から20年近く経った今、ゴーン氏にとっては日本でのビジネスも十分熟知していただろうし、ルノーなどでの経営者としての経験から、このような行為が、自分自身だけではなく企業に与えるダメージも十分認識していたのでは?という気がしている。
にもかかわらず、会社のお金を私的に流用していた、というのは俄かに信じられなかったし、当初報道されていた報酬に対する過少申告に関しては、日産の担当の監査法人などが、キチンと管理したうえで報告書を作成しているのでは?という、疑問もあった。
そのような、当たり前のことが日産の中でできていなかった、とすれば、ゴーン氏だけの問題ではなく日産や日産の担当の監査法人の問題でもある。

一部報道では、内部からの告発があり数カ月前から内偵を進めていた、という話もあるので、証拠固めの時間を十分にとり、その上での逮捕だとは思うのだが、それでもどこか違和感を感じてしまうのだ。
違和感の理由は、上述したとおりゴーン氏が経営者として十分すぎる実績と経歴があり、これまでのインタビューなどから経営者としての心得やビジョンが明快にあったからだ。

明日の日産や三菱自動車の株価下落は、避けられないだろう。
しかし、株価とは別につくられる製品には、何の問題もない、ということを認識する必要はあると思う。
何故なら、経営者が製品をつくっているわけではないからだ。