Yahoo!のトピックスを見ていて「データは分析をしないと意味が無いな~」と、思った記事があった。
Yahoo!トピックスに取り上げられていたのは、テレビ番組の視聴率だ。
日刊スポーツ:安藤サクラ「まんぷく」第48話大台割れ19.7%
スポーツ報知:テレ朝「ポツンと一軒家」視聴率は15.0%・・・2回連続で15%超で好調
テレビ番組は違うのだが、同じ「視聴率」というデータを扱った数字で、数字だけを見ると「まんぷく」は19.7%。
一方「ポツンと一軒家」は15.0%という数字だ。
この数字だけを比較するなら「まんぷく」のほうが視聴率は高く、「ポツンと一軒家」よりも視聴率は好調ということになる。
にもかかわらず、「まんぷく」は「大台割れ」という見出しがつき、「ポツンと一軒家」は「好調」という見出しになっている。
何故このような見出しとなったのか?という理由は、説明するまでもないと思う。
この第48話以前の視聴率が20%を超えていたからだ。
一方の「ポツンと一軒家」は、同じ放送時間帯にもっと視聴率が高い番組があり、その番組の独壇場のような状況が長く続いていたからだ。
今回の場合、この裏番組に問題が発覚したため、「ポツンと一軒家」に視聴率が上がる要素があった、ということもあったかとは思うのだが、単純に「視聴率」という数字だけの比較でいうなら、「まんぷく」のほうが高く「大台割れ」というような見出しがつくようなものではないはずだ。
「まんぷく」に対する見出しがネガティブな理由は、以前の視聴率が良かっただけではないだろう。
「国民的ドラマ」とも言われる「NHKの朝ドラ」という、夜に放送される通常のドラマとは違う「特別」なドラマだからだ。
一時期低迷した時代もあったが、ここ数年は20%を超える平均視聴率を獲得している「特別枠」のような番組だからだろう。
「朝ドラ」に関していうなら、ネット上で「脚本が悪い」とか「俳優さんの無駄遣い」のようなことを言われていた前作も、コンスタントに視聴率を取り続けていた。
既に「朝ドラ」という、ブランドが確立し世代を問わず視聴する、という層が確実にあるからだ。
「ポツンと一軒家」は、この秋からレギラー番組として登場したまだ新しい番組なので、確実に視聴するという層はまだまだいないだろう。
そう考えれば、15%という視聴率は高い、ということになるかもしれない。
視聴率といえども、数字だけで見れば好調のように見えても、その数字をつくり出している背景を見てみる(=分析)することで、数字が意味するモノ・コトが理解できるようになる。
それもまた、マーケティングでは大切なコトなのだ。