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「新型コロナ」による医療崩壊は、自治体だけの責任なのか?

2020-12-08 17:18:51 | アラカルト

「新型コロナウイルス」の感染拡大により、病床がピンチになっていると、名古屋市の河村市長が訴えている。
毎日新聞:名古屋市「満床」状態 コロナの市民182人入院 愛知県「病床の確保の努力を」

大阪府や北海道でも「新型コロナウイルス感染拡大により「医療崩壊」の懸念がされ、自衛隊の看護師派遣という話も出ている。
日経新聞:新型コロナ 自衛隊看護師を北海道に派遣 政府大阪も検討

東京を除く都市部では、「新型コロナウイルス」の感染拡大に伴う、「医療崩壊」の危機が迫っているような状態になりつつある。
このような状況になり、指摘されることの一つに「自治体の病床確保の問題」だ。
指摘されるように、「新型コロナウイルス」の感染拡大は、この秋から始まったものではなく3月ごろから増え始め、政府からの要請で「自粛生活」が始まった。夏を経て今は「第3波到来」と言われている。
準備期間は、あったはずなのでは?ということになる。

にもかかわらず、何故都市部を中心に「医療崩壊」が起きそうな状況になってしまったのか?と考えると、一つの厚労省の政策に行きつくのだ。
それは「2025年問題を解決するための、医療体制の見直し」だ。

「2025年問題」というのは、2025年になると「団塊の世代」と呼ばれる人たちのほとんどが「後期高齢者」となり、これまで以上に医療費をはじめとする社会保障費を圧迫するのでは?という、懸念からだ。
そのため厚労省は、数年前から病院の規模に合わせ、医療従事者や設備などの枠組みをつくってきた。
今回のような「感染症患者」を受け入れられるような設備がある病院そのものの数を減らし、高齢者医療に関しては極力「在宅医療」へと移していくというビジョンで、動いていたはずだ。
他にも、収益性の上がらない公立病院の再編などは、自治体の赤字という問題ということで、国からの支援を積極的にはしてこなかったように思う。

「新型コロナウイルス感染症者」を受け入れるためには、それなりの設備と医療者が必要になる。
しかし受け入れ病院そのものが減っている現状では、患者数が増加すればするだけ対応が難しくなる、ということになるのだ。
その点に目を向けず、「医療崩壊は、自治体の責任」のようなことを言われるとすれば、自治体は堪ったものではない。
何より、現場の医療者には「がんばれ!」だけの声で、何の支援もされなければ、退職者が相次ぐような状況を招くのも当然のことだろう。

拙ブログでも再三指摘してきたが、「新型コロナウイルス対策」そのものは自治体に丸投げをし、「Go To キャンペーン」を国の政策として行っている、ということ自体おかしな話なのだ。
そこに「2025年問題」の為に、大規模で緊急性の高い医療を提供する病院の数を減らす方向から、切り替えることなくこれも自治体に丸投げし続けている、というのが「医療崩壊」の要因の一つなのではないだろうか?
何故、国が積極的に医療体制を整える為の、臨時政策を出さないのか?
これが日本の「新型コロナ対策」の不思議さ、のような気がしている。