例年であれば、来週の今頃は「クリスマスソング」と共に、街が華やかな雰囲気に包まれているはずだ。
しかし、今年はご存じのように「新型コロナ」の感染拡大により、「自粛生活」を余儀なくされそうだ。
「自粛生活」だからと言って、「家族でクリスマスパーティー」を予定されている方も、少なからずいらっしゃるのでは?と、思っている。
ただ、「クリスマス商戦」真っただ中のはずの今頃、例年見るはずの華やかな海外の有名ブランドの広告を目にすることがほとんどない。
普段とさほど変わらない広告を目にするばかりで、「今年のクリスマス気分は感じられないな~」という、印象を持っている。
特にYahoo!のバナー広告には、例年であればエルメスなどの広告が、表示されていた。
エルメスなどの海外有名ブランドの広告は、ストーリー性があるため1回に表示される広告時間が長いだけではなく、相当作り込まれたある種の「ドラマ仕立て」のような広告なので、つい見入ってしまうことも多い。
そんな経験をされた方も、今まで多かったのではないだろうか?
そのような華やかなクリスマス気分を感じる広告は姿を消し、代わりに表示される広告が「新型コロナ」に関する政府広告であったり、時には製薬企業の広告であったりする。
昨日から日本がすっぽりと大寒波に覆われ、各地で積雪を観測したためか?スノータイヤへの切り替えを勧めるタイヤメーカーの広告なども表示された。
「広告」そのものは、その時々の生活者の気分や気持ちを掬い取り、表現することが多い。
それは、その広告を見ている人たちから「共感」してもらうためだ。
これまでクリスマスシーズンに展開されてきた、海外の有名ファッションブランドの広告は、「クリスマスだからこそ、特別なギフトを贈りましょう」という、生活者への訴えかけだったのだ。
それが「新型コロナ」の世界的な感染拡大により、有名ファッションブランド各社が、広告そのものを取りやめてしまったのでは?という気がしている。
それは、日々の生活に追われる人たちが日に日に増えている状況で、例年通りの華やかな広告を出せば「共感」どころか「不快感」を生活者に与えかねない、という判断があるからだろう。
それでなくても、海外の有名ファッションブランドは、多くの生活者にとって「生活に不急の商品ではない」からだ。
「不急の商品ではない」からこそ、クリスマスのような華やかで家族が集まり、楽しい一時を過ごすホリデーシーズン向きの商品であり、楽しいホリデーシーズンとは言い難い今の状況にはそぐわない商品である、ともいえるだろう。
とはいうものの、華やかさを感じられないクリスマスは、どこか心寂しい。
1日も早く、例年通り賑やかな日々を取り戻すためには、「耐える」ことしかないのだろうか?
海外の有名ファッションブランドが表示されないバナー広告を見ながら、今年の社会的雰囲気の暗さを改めて感じている。