昨日の京都大学総長の山極先生のお話しの中で、もう一つ印象的だったことが「グローバルとローカルとの関係」というお話だった。
「コロナ禍」で大打撃を受けた業種の一つは、外食産業だったはずだ。
外食産業が及ぼした影響というのは、店舗やチェーン店を展開している企業とその従業員だけの問題ではない。
例えば、それらの食材の仕入れ先なども大打撃を受けたはずだ。
だからこそ、4月ごろからネットでは「生産者救援サイト」が、次々と立ち上がり生産者が本来出荷する予定であった商品を販売するようになったのだ。
この「生産者救援サイト」によって、一つのお金の流れが生まれたのでは?と、考えている。
生産者のいる地域と購入者のいる地域とを結びつけたことで起きた「産直販売」という流れだ。
これまでの「産直販売」は、スーパーなどへ卸すという形態での販売がほとんどだったはずだ。
それがネット上の支援サイトが立ち上がったことで、生産者と生活者が直接に繋がった、ということになる。
生産地のほとんどは、地方にあり購入した生活者はその地方以外に住んでいる人たちだったはずだ。
地域の活性化のポイントとなるのは、実は地域外とのコミュニケーションということになる。
随分前から言われている「グローカル(グローバルとローカルを合わせた造語)経済」の芽が、このような形で生まれ始めている。
そのことを、山極先生は指摘をされていたのだ。
これまで「地域の活性化」というと、「地域内での活性化」という発想に陥りがちだったように思う。
それが「コロナ禍」のよって、「地域活性化のポイントは地域外にある」ということを示したのが、「生産者支援サイト」だったのではないだろうか?
「地域内での活性化」ではなく「地域外から活性化」ということになれば、多くの人は「インバウンド」を思い浮かべるだろう。
「インバウンド=観光」であると考えると、一過性で終わってしまう可能性のほうが高い。
「活性化」の為には、継続的な地域外との関係を、つくり出していく必要があるはずだ。
「来てください」という受け身ではなく、「地域外との積極的な関係性の構築」が地域の活性化につながる、ということなのだ。
確かに、外食産業は「コロナ禍」によって大打撃を受けた。
「大打撃を受けた」だけで終わらせない為には、外食産業と生産者が一緒になって地域の活性化を外から呼び込むような、関係構築をする必要があるように思うのだ。