今朝新聞を読んでいたら、いわゆる真ん中の紙面を中心に複数面がある企業の広告だった。
「ある広告」というのは、「ディズニープラス」の広告だ。
ご存じの方も多いと思うのだが、ディズニープラスというのはディズニーの配信サービス部門だ。
日本では、ディズニーランドをはじめとするテーマパークと映画に登場するキャラクターを販売している企業位にしか思っていない方もいらっしゃるかもしれない。
本国・米国では随分前からテレビ番組も「ミッキーマウス・クラブ」という番組があったはずだ。
1960年代の頃は、日本でもウォルト・ディズニーが案内役として登場するテレビ番組が、放映されていた。
この番組が、ディズニーの世界観を日本に伝えた番組でもあったのでは?と、今更ながらに感じることがある。
もちろん、ディズニーの主戦場となるのは映画のはずだ。
それがテレビの普及により、テレビ業界に進出をし、現在はネット配信事業へと発展していっている、ということになるのだと思う。
そのネット配信事業が「ディズニープラス」ということになる。
「ディズニ―プラス」のラインナップを見て、スティーブ・ジョブスを思い出したのだ。
スティーブ・ジョブスが一時期、Appleの経営から離れていた時期があった(正しくは「Appleから追い出された」という表現の方が正しいと思う)。
Appleの経営から離れていた頃、スティーブ・ジョブスは赤字に苦しんでいたと言われる、CG映画を制作しているPIXARを買収している。
PIXARは、「StarWarsシリーズ」でお馴染みの、ジョージ・ルーカスがつくった会社だ。
とすればCG作品がどのようなモノなのか、おおよその想像がつくと思う。
その頃、プライベートで様々な問題を抱えていた、ジョージ・ルーカスが赤字企業であったPIXARをスティーブ・ジョブスに売却した、ということなのだ。
おそらく、スティーブ・ジョブスはAppleという企業を経営する中で、CG作品の未来像が描けていたのだろう。
もちろん、赤字が一転して黒字になるわけではないが、ある程度の経営の目途が立ったころ、PIXARを相当な優位な条件でディズニーに売却をし、その売却益がジョブスに膨大な資産をつくった、ということも言われている。
この時に生まれた関係が、その後「StarWars」作品がディズニーのネット配信で扱われる切っ掛けとなったのでは?と考えるのは、私だけではないと思う。
ディズニー側としては、元々アニメーション映画としてのブランド力があった上に、新しい技術であるCG作品が加わることで、ブランド資産そのものの幅が広がったはずだ。
それだけではなく、ディズニーという名前を出さないコトで、それぞれ別のイメージの作品づくりがしやすい、ということにも繋がっている。
多くの人にとって、ディズニー作品というのは「シンデレラ」に代表されるような「お姫様」が主役となるアニメーション映画というイメージがあると思う。
それに対してPIXAR作品は、「ファイティング・ニモ」や「トイストーリー・シリーズ」のようなCGによって作られる明るくて楽しい「ファンタジーアニメーション作品」なのではないだろうか?
映像作品をネット配信する企業は、Netflixをはじめとして増えてきている。
それだけではなく、Netflixは本格的な映画製作にも携わるようになり、ここ2,3年は米国映画の最高峰と言われるアカデミー賞にノミネートされるまでになってきている。
ディズニーの様に既成の作品をネット配信をしていくのか?
ネット配信と並行して映画作品をつくるNetflixのような形態にしていくのか?
映像ネット配信企業の淘汰が、始まっているのかもしれない。