日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「Cool Japan」の柱となる産業とは

2022-07-07 20:00:39 | ビジネス

父が「眼瞼内反症」の手術をする為の検査付き添いの為に、今週帰省をしていた。
遠距離介護、というほどではないのだが、やはり手術や何かの申請となると、付き添いとして帰省する必要が出てくる。
これが、「遠距離介護」のスタートなのかもしれない、と実感している。

さて、そのような生活をしていたのだが、「マツコの知らない世界」でアニソン(=アニメの主題歌)の特集があり偶然見る事ができた。
ご存じの方も多いと思うのだが、「マツコの知らない世界」というのは、いわゆるオタクといわれるようなある分野に対して特化した知識と経験を持っている方が、タレントのマツコデラックスさんに「自分の愛してやまない世界をプレゼンテーションする」という趣旨の番組だ。
今回は、「アニソン」が好きすぎてイタリアから日本に移住までしてしまった、というコスプレイヤーさんが登場した。

私たち日本人の多くは「アニソンね~」と、やや冷めた見方をしているような気がしている。
ところが、海外では日本のアニソンは巨大市場を有する、最強コンテンツ産業ということのようだ。
しかも、最近のアニソンだけではなく、1970年代のアニソンも人気だという。
随分前だが、アニソンを数多く歌われている方が、海外公演をしたら大人気で国賓扱いだった、というニュースを見たような記憶はあったのだが、現実としてそうらしい。
番組でもマツコさんが盛んに「日本における世界最強のコンテンツ」という趣旨のコトを、何度か話されているのだが、映像で見る限りとんでもないほどの市場を持ち、しかもほぼ独占市場である、という点について、国も本腰を入れて考える必要があるのでは?という気がしたのだ。

と同時に、以前拙ブログでも指摘をさせていただいている「クールジャパン機構」の損失融資309億円の使い道そのものが、間違っているのでは?という気持ちを改めて感じたのだ。
上述したように、日本の「アニメ」そのものは、独自の世界観を持っているコトで、世界でも唯一無二の存在となっている。
そしてカテゴリーそのものもSFものから変身もの、「セーラームーン」のように少女が主人公となり悪を倒す、というジェンダーギャップが153か国中121位の日本とは思えないような、アクティブな少女の姿が描かれ、フランス等を中心に人気が定着している、と言われている。
それを引き立て、物語をより印象付け世界観を表しているのが「アニソン」ということになるだろう。
それだけではなく、「アニメ」→「アニソン」→「ゲーム」へと、様々な展開をしている、というのが日本の「アニメ」産業の強みなのではないだろうか?

政府の「クールジャパン機構」は、「クールジャパン」の定義を十分理解していなかった、ということにもなる。
「クールジャパン機構」に限らず、どのようなビジネスでも「柱となる事業」をしっかりと育て、そこから関連事業をつくっていく、というのが基本なのだと思う。

それにしても「マツコの知らない世界」に出演されていた、イタリア人コスプレイヤーさんの分析力の凄さには、感服した。