日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「掛け声倒れ」の現実を見た気がする

2022-07-26 20:51:59 | 徒然

毎日新聞のWebサイトをチェックしていたら、「これが日本政府のITの現実か…」という記事があった。
毎日新聞:コロナ情報システム「ハーシス」一時不具合 感染急拡大でダウンか

確か、「新型コロナ」の感染拡大が社会問題になり始めた頃、保健所での対応がFAXでの報告という話があったように記憶している。
手書きで書かれた内容をFAXし、そのFAXを基に集計データを入力している、というような手順だったように思う。
この話題が出たとき、「病院でも電子カルテが一般化しているのに、何故?」ということが、言われたような気がするのだが、このような状況を経て運用が始まったのが「ハーシス」というシステムではなかったのか?

「ハーシス」というシステムそのものを、理解していないのでその運用や目的等が分からないのだが、少なくとも「コロナ情報システム」ということを考えれば、「地域別の新規陽性者数、重症者数と重症者率、稼働病床数と率、死亡者数と死亡者率、退院者数と退院率」等の日々のデータが管理されているのでは?と、想像するのだ。
もちろん様々なデータが管理されているとは思うのだが、「感染急拡大でダウン」というのは、どことなく情けないような気がするのだ。

デジタル庁を立ち上げ、政府はDX(デジタルトランスフォーメーション)だ!と、掛け声となるモノは威勢が良いのだが、肝心なサーバー(なのか?)がこのようなデータで不具合を起こしてしまうようでは、より多いデータ処理を必要とするDX等の運用は、無理なのでは?
それどころか、今一生懸命に宣伝をしている「マイナポイント=マイナンバーカードの普及」そのものも、情報管理ができるだけのシステムとなっているのか?不安になってしまう。

先日、auの通信事故で3日半繋がらなくなり、数百万人に損害を与えた、ということがあった。
個人の携帯電話サービスが利用できなくなっただけではなく、大手企業にも多大な損害を与えるなど、社会生活にも大きな影響を与える事となってしまった。
この時、私たちの生活がいかに様々な通信システムに依存しているのか?ということを、実感された方も多かったのではないだろうか?
今や通信システムそのものは、生活基盤の重要なインフラである、ということを示すことにもなった。

おそらく政府の「コロナ情報システム」そのものは、利用対象者が限定的なのでauの通信事故とは格段に小さな規模の通信システムなのでは?と、想像するのだが、今のような状況で「システムの不具合が発生する」ということは、政府の想定そのものが今のような状況を考えていなかったのでは?という気がしている。
だからこそ、システムとして余裕がなくダウンしたように思えるのだ。

「新型コロナ」の情報システムでこの状況なのだ、上述したようにDX等はもっとデータの容量は多く必要なのでは?
政府はデジタル庁をつくり、「これからは日本もよりいっそうデジタル技術を発展させ、普及のための支援をする」と言っても、その足元がこの状況では、とてもではないが不安を感じてしまうのだ。
デジタル庁の位置づけを再度見直し、民間の支援の為のデジタル庁にした方が、日本のデジタル化が進むような気がする。