今週の日曜日に投票が行われた、東京都知事選。
その結果について、云々するつもりはない。
ただ、この結果直後から得票数2位だった石丸候補者に対して、強烈な逆風が吹き荒れている。
その逆風度合いは、3位となった蓮舫さんの比ではない、と感じるほどだ。
逆風(=批判)の内容も様々で、安芸高田市長だった頃の話から、街頭で行っていた選挙演説、都知事選開票速報中のテレビインタビューまで多岐にわたる。
個人的には、何の関係も持たない方なので、あくまでも外野から見た感じとして受け取って欲しいのだが、都知事選の頃は「紋切型口調」の蓮舫さんの影に隠れ、「何となく、自分たちの思いを代弁してくれていそう」という雰囲気を石丸さんは持っていたのではないだろうか?
それが、ネット上で話題になりそれがメディアに取り上げられ、また新たな「若くて新しいタイプの政治家」として、話題をつくることになったよな印象を持っている。
何より「ネット民」から支持を得られたというのは、当選をした小池さんや3位に甘んじた結果となった蓮舫さんとの大きな違いだと思う。
それから1日も経たず「ネット民からデスられる」ようになってしまった。
この状況を、神戸学院大学准教授の鈴木洋仁さんは、「石丸構文は『京大話法』である」とPresidenton-lineに書いている。
Presidenton-line: 「石丸構文」は典型的な「京大話法」である・・・京大卒の社会学者が石丸氏の「質問返し」になつかしさを覚えるワケ
このタイトルに登場する「質問返し」という話法だが、何も京大卒の方に限ったことではないと思う。
質問の内容が理解できていない時、質問の内容を確認するときなど、当たり前に行っている行為だからだ。
ただその「質問返し」の中に、「(相手を)見下している・小ばかにしている」という意識があると、その発せられる言葉は、単なる「質問返し」ではなくなってしまう。
石丸さんの話し方(=「石丸構文」)には、そのようなニュアンスを感じさせるものだったのだろう。
マーケティングを担当されている方であれば、市場対象となる人達に「インタビュー調査」を経験してことがあるだろう。
そのような経験から「人の意識は、言葉となって現れ、言葉は行動に影響する」ということを体感的に知っているのではないだろうか?
いくら表面上取り繕った耳障りの良い言葉を使っていても、その人の態度や表情、語調などから微妙な違和感を感じる時、それはポジティブな発言ではなく、ネガティブな発言としてとらえているはずだ。
そして、そのネガティブな発言はちょっとしたしぐさ(=行動)となって現れる。
Presidenton-lineのトップに使われている石丸さんの写真を見ると、人を指さしていることが分かるだろう。
街頭演説で、人差し指で人を指す、という行為をする人はあまりいないはずだ。
それは一般的に「マナーに反するから」と言われているため、不特定多数の人達が集まる時に「人を指さす」行為は、集まった人々に不快感を与えかねないとわかっているからだ。
しかし、潜在意識の中で「自分を中心に上下関係を作っている人」であれば、そのような行為は自然と表れてしまうだろう。
言い換えれば「行動は、言葉に現れ、言葉は(潜在)意識を露呈させている」ともいえるのだ。
多くの人が国会中継などで、答弁する議員さん達の言葉に感じる「論点のすり替え、不快感、違和感」等は、まさに答弁をしている議員さんの「心の内」を感じ取っている、ということでもある。
その点では、蓮舫さんは素直だったのかもしれない。
もし、蓮舫さんに参議院政治改革に関する特別委員会で、参考意見を述べられた大山礼子駒大名誉教授ほどの言葉がつかえたら、都知事選は大きく変わっていたかもしれない。
それほど、「人の心に響く言葉」を使うことは、難しいことでもある。
参考:大山礼子さんの参考意見動画
YouTube:【令和6年6月14日】参議院 政治改革に関する特別委員会参考人・大山礼子