今日、Windowsを搭載したPCが、トラブルを起こす、という事件があった。
既にトラブルの原因は、ある特定のセキュリティーソフトによって引き起こされたもの、ということが判明しているが、問題なのは、その影響を受けたPCが世界規模である、という点だろう。
朝日新聞: 【随時更新】トラブルは世界各地に影響 Windows異常停止
このようなシステムについて、知識があるわけではないので、理解が違っているかもしれないのだが、このような事態が発生すると、現代社会は全世界で連鎖的に機能不全に陥ってしまう。
今回の場合、ある特定のセキュリティーソフトをインストールしているWindowsに限定されている、ということだが、今のセキュリティーソフトそのものが、ネットワークを通じて個々のPCにインストール、アップデートをされるようになっている。
そのことを考えると、問題となったのは1つのセキュリティーソフトであったかもしれないが、そのセキュリティーソフトをインストールしている・していないに関わらず、ネットワークでつながって、仕事をしている人達にも影響を与えた、と考える必要があるのでは?
事実、朝日新聞の記事にあるように、飛行機の搭乗などに影響が出て、20便が欠航するという事態に発展している。
と考えると、特定のソフトウエアの問題だけとは言えない、というのが現在の「ネットワーク社会」ということになる。
問題となったセキュリティーソフトの名前を聞いても、ピンとこなかったのだが、インストールをしているWindowsユーザーは多いのだろうか?
気になって、問題のセキュリティソフトを提供している企業のサイトを見て見ると、どうやら個人向けのセキュリティーソフトを提供しているのではなく、企業向けに展開をされているようだ。
逆にその為に問題がこれほど大規模になり、深刻な状況を招いてしまったのだろう。
とはいえ、サイバー攻撃のような理由で問題を起こしたのではなく、プログラムの修正で対応ができる問題、ということのようだ。
この点については、一安心といったところなのだが、今回のような「セキュリティーソフト」によって、このような問題が起きてしまうと、セキュリティーソフトそのものの信頼を、考えるようになってしまう。
例えば、先日米国が発表したロシアのPCセキュリティーソフト企業「カスペルスキー」の使用を停止する、という発表をしたからだ。
この背景には、ロシア企業だから信頼がおけない、という米国の判断が大きいのだと思うのだが、中華PCと呼ばれる中国製PC(やスマホ)、SNSの一つであるTikiTokなどから、中国が国ぐるみで利用者の個人情報を吸い上げている、という指摘が再三されてきている。
特に若い世代で人気のあるTikTokなどは、欧州諸国でも米国の判断を支持・追従する動きを見せている。
おそらく20年ほど前であれば、このような事件やセキュリティーの考えはなかったのでは?と、考える。
理由はそこまで個人が情報端末を持ち歩き、気軽にネットワークを通して世界中に繋がる、という社会ではなかったからだ。
今では、PCやスマホなど世界とつながる様々なツールは、生活インフラの一つであり、だからこそ高いセキュリティーが求められるし、その運用についても慎重でなくてはならない、ということだと思う。
現在政府は、マイナンバーカードと健康保険証との紐づけに躍起になっているが、果たして今回の事故のようなコトをデジタル庁は想定しているのだろうか?
何か一つ不具合が起きれば、システムそのものが全面停止してしまい、社会機能が不全に陥る、という現実をしっかり受け止めて欲しい。