日経新聞のWebサイトに、興味深い記事があった。
それは、日清食品が現在発売をしている「完全メシ」についての記事だ。
日経新聞:日清食品ホールディングスが女性向け完全メシ 第2のカップヌードルを狙う
日清食品が発売している、「完全メシ」という商品を、ご存じだろうか?
カップヌードルのような形状になったドライカレーやレトルトのかつ丼や牛丼(全て具材の身)、冷凍のパスタや焼きそば、ドリンクなどなかなか充実のラインナップとなっている。
日清食品:完全メシ公式
商品カテゴリーとしては「最適化栄養食」と呼ばれるようだが、1品で1食分の栄養をまんべんなく摂れる、ということも目的とした商品だ。
長期保存が可能なコトや商品のバラエティーさ等から、「コロナ禍」では隔離されている感染者の家族の方が、買い求めるということもあったようだ。
その新しい商品として「冷食おにぎり」が、ラインナップに加わる、というのが、日経の記事になる。
そしてこの「おにぎり」は、女性を主な購入者として想定しているようだが、あくまでも想像の範囲だが購入者であり実食者は、女性よりも学生や若いビジネスマンの方が多いような気がしている。
何故なら、「おにぎり」そのものが、「フィンガーフーズ(手づかみで食べられる食品)」の代表だからだ。
「手づかみで食べられる食品」は、サンドウィッチやホットドッグなどもあるが、おにぎりは食べ飽きることがほとんどない。
その理由は、おにぎりのご飯そのものに味をつけることができるだけではなく、水分の多い具材や傷みやすい食材以外であれば、ほぼ具材を選ばない、という汎用性(というべきか?)があるからだ。
「手軽さ・食べやすさ・具材を選ばない」という点で、常にコンビニの食品売り上げの上位にあるのが「おにぎり」でもあるのだ。
そう考えると、「朝食を抜きがちな女性」というよりも、その購入対象者はもっと幅広い、ということが分かる。
それだけではなく、意外に思われるかもしれないのだが、独居の高齢者向きの商品なのでは?という、気がしている。
というのも、実家の独居老人状態の父が、一時期「食欲が著しく低下」したことがあった。
宅配弁当などを手配するものの、なかなか食が進まない。
そこで「完全メシ」のような「栄養最適食品」などで、3食の内1食だけでも栄養のカバーをすることを考えたからだ。
幸い、父はその後食欲も回復し、宅配弁当なども完食できるようになったのだが、その時「栄養最適食」の需要の幅広さを実感したのだ。
そのような経験から、実は「栄養最適食」の市場は、案外幅広いだけではなく、日常食としての需要も高いような気がしている。
特に、1日の内十分に食事が摂れない人達にとっては、「栄養バランスがよく、長期保存ができ、手軽に食べることができる『食事』商品」は、魅力的だと思うし、災害時にも役立つのでは?と、考えられる。
当然、日清食品以外の食品企業も、この市場に参入してくるだろうし、液体のフリーズドライ技術を持った「アマノフーズ」等も参入してくる可能性があるように思う。
このような「食の技術と発想」は、日本が世界に誇るべきモノの一つのようにも感じる。