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「コロナ禍」で女性の自殺者が増加、女性だけの問題なのか?自己責任で済ませられる問題なのか?

2021-11-03 12:36:47 | アラカルト

日曜日の衆議院選挙の結果、自民党が安定過半数を獲得したことで、当面の間は自民党総裁である岸田さんが首相として、「日本の政治の顔」となる。
今回の選挙で、岸田さんは「新しい資本主義」という言葉を掲げ、「成長と分配」という話をしていた。
この「分配」については自民党だけではなく、議席数を減らした立憲民主党も掲げていた公約だった。
ところでこの「分配」というのは、何を指しているのだろう?

多くの場合、低所得者層への「現金支給」であったり、「高校までの学費の無償化」であったりということになるようだが、現金支給をするにしても赤字国債を発行している日本に、その財源はどこにあるのだろう?
何より、岸田さんが掲げた「新しい資本主義」とは、一体どんな「資本主義」なのか?その説明が十分にされていない様に思うのだ。

そのような話が出ている中、「働く女性の自殺者が増加している」という問題が、昨年から起きている。
日経新聞:新型コロナ 働く女性の自殺が増加 21年版白書 コロナ禍も影響

男女比のデータでは、男性の方が多いのだがこの場合「数字」ではなく「推移」という視点で、考える必要がある。
何故なら「働く女性の生活環境の変化」と「働く女性が置かれている問題」という、2点があるからだ。
これは「データを読む」コツでもあるのだが、数字だけを見て「多い・少ない」という視点で見ていると、社会的変化やその調査対象となった人・モノが置かれている社会的問題などを、見落とすことがあるからだ。
男性の場合、元々女性よりも自殺者が多かった。
それが良いわけではもちろんない。
自殺者がどのような問題を抱え、自殺を選ぶ動機となったのか?ということは、キチンと分析をし対策をしていかなくてはならない。

一方女性の場合、この「コロナ禍」になったことで、急激に自殺者が増えたとすれば、女性の自殺には「コロナ禍」が大きく関わっている、ということになる。
「コロナ禍」によって、何が変わったのか?
多くの方々が指摘されているように、働く女性の場合男性よりも約3割給与が安いと言われている。
元々安い給与の上、非正規雇用という不安定な状態で仕事をしている女性が、圧倒的に多い。
それに加え「コロナ禍」によって、ダメージを受けた業種で働く割合が多いのもまた、女性なのだ。

「コロナ禍」は、世界全体の経済に与えたダメージが大きく、日本の働く女性だけの問題ではない、という指摘をされる方もいらっしゃるだろう。
だが上述したように、男性と女性との給与差、正規雇用者よりも低い給与で働く非正規者という、日本独特の問題が以前からあった上に「コロナ禍」がのしかかってきたのだ。
その上で、当時の菅総理は「自助」ということを、常に強調していた。
「自分のことは自分で何とかしなさい」という意味だ。
それは「自己責任だから、仕方ないでしょ」と、国が言っているようなモノなのだ。
このような、八方ふさがりの状態に追い込まれ、「我慢の糸がプツンと切れ」「誰も助けてはくれない→自分の存在価値など無い」と、精神的に追い込まれてしまったのでは?と、想像するのだ。

「新型コロナ」によって、経済だけではなく人の心まで、大きなダメージを受けてしまっている。
経済の回復への期待だけでは、根本的な経済を含めた社会的な回復にはならないのではないか?と、感じている。
果たしていまいち説明がされていない、岸田さんの「新し資本主義」には、その答えがあるのだろうか?



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