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ベビーフードを大人が食べることで、起こった新しい市場

2017-01-17 18:56:53 | マーケティング

Yahoo!のトピックスに、「ベビーフードダイエット」という話題が取り上げられていた。
BuzzFeed:TBS番組「ベビーフードダイエット」が物議 協議会も「大量購入しないで」

TBSがどのような内容の番組を放送したのかわからないのだが、実は「ベビーフードダイエット」そのものは、随分前からファッションモデルなどを中心に、行われていたような記憶がある。
ファッションモデルの体形には、「痩せすぎ」という議論が起きているが、やはり名だたるファッションブランドのランウェイを歩くモデルたちの体形は押しなべて「痩せている」。
その彼女たちが、体形維持のため?によく食べるのが「ベビーフード」だと、言われていた。
なので、この記事を読んだ時も「今頃?」という、印象を持ったのだが、テレビ番組で紹介されたとなると、飛びつく女性も数多くいるのだろう。

「美容のため」という理由で、ベビーフードを「大人買い」するのは、いかがなものか?!と思うのだが、実は「大人がベビーフードを食べたこと」で、新しい市場が生まれた、というケースがある。
「ベビーフードを食べた大人」というのは、咀嚼する力が衰え、1食の食事量そのものも、小食となった高齢者たちだ。

記事の中にもある通り、今のベビーフードは種類も多く、美味しくなっている。
咀嚼する力が衰え、1食あたりの食事量そのものが減ってきた高齢者にとって、温めれば美味しく食べられる食品として、「ベビーフード」が食べられるようになってきたのだ。

その購買層の変化に気づいたメーカー側が、「ベビーフード」の技術を使って「高齢者向けレトルト食品」を作り始めたのだ。
今では、「高齢者向けやさしいメニュー」として市場ができ、「少子高齢化」ということもあり、順調に(?)市場が拡大してきている。

そう考えると「ベビーフード」の持っている、利便性や他の食品との特異性などを考えると、これまでとは違う市場があるのかもしれない。
例えば、病気やケガなどで一時期的に「食事を十分にできない」という状況になったときの、「補助食品」的な位置づけだ。

ただ「ダイエット(や美容)目的」というのは、市場的にはアリでも商品的にはいかがなもの?という気がする。
なぜなら、健康な人にとって「シッカリ噛んで食事をする」ということそのものが、体にとって重要なコトだと考えるからだ。
赤ちゃんや咀嚼する力が無くなってきた高齢者にとって、「ベビーフード」のような「ミキサー食」は、「食べる」ということよりも「栄養を摂取する」という点で、有効な食事だと思うのだが、健康な人にとっては「食べる」ということ自体が、重要だと思うからだ。
「シッカリ噛んで食事をする」ほうが、認知症予防にもなるということが言われているように、「食べる」ということそのものが、人の生活には大切なコトなのだと思う。





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