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爆買いを当てにしたインバウンドは、やめよう!

2023-09-03 20:41:30 | ビジネス

日経新聞のWebサイトを見ていたら、トップにある中国経済についての記事があった。
日経新聞:中国「暗黙の保証」のツケ 融資平台、債務2000兆円の山 

最近中国企業絡みの債務金額が膨大過ぎて、桁数があっているかな?という、気がしてしまうのだが、日経新聞の見出しを何度見ても「2000兆円」のようだ。

先日N.Yの証券取引所に破産申請をした恒大集団の負債額も、とてつもなく膨らんでいたような記憶があるが、今回の債務額はそれよりも大きい。
ここまでの負債額となると、国の予算を全て充当したとしても債務が無くなるとは思えないほどだ。
これほどまでに債務が膨らんだ理由が、中国政府による「暗黙の保証」ということになると、恒大集団のような訳にはいかないだろう。

元々中国の「不動産バブル」そのものは、2010年頃から崩壊し始めていたといわれている。
このころは、「仲間内で貸し借りをしていた不動産投資の回収ができなくなっている」という状況だったと、記憶している。
中国経済を考える時、西側諸国のような「資本主義」的な金融だけではない、という点を理解する必要がある、と言われている。
中国経済を動かしている一つは、「いわゆる友人や親類縁者間でのお金の貸し借り」だという指摘があるからだ。
このような「お金の動き」があるのは、中国という国の成り立ちと表面的社会からは見られない、昔ながらの「人的関係の中で生まれる経済」があるからだろう。

ピンとこない方もいらっしゃると思うのだが、わかりやすいのは「華僑」と呼ばれる人たちの存在だ。
中国本土から諸外国へ出て、そこで生活基盤をつくり中国社会を作り上げている人達のコトを指す言葉だが、この「華僑ネットワーク」により、同じ地方出身者同士が経済面を含め様々なサポートをしあっている。
その国内版のような「人民ネットワーク」が、表には出ないが中国経済を動かす動力の一つとなっている、ということなのだ。
しかし「人的つながり」の中で起きた「不動産バブルの崩壊」は、恒大集団のような企業へと発展し、今度は金融にまで波及し始めている、というのが、日経新聞の記事になるのだろう。

そのような内容と、中国人観光客を相手にした「爆買い」とは、関係が無さそうに思えるかもしれない。
中国人観光客の「爆買い」を支えているものは、何か?ということを考える必要がある、ということなのだ。
随分前の話題なのでうろ覚えで申し訳ないのだが、いわゆる「与信額設定」が、現実的ではなかったような印象があった。
利用する観光客は「なんでも買える魔法のカード」のような感じで、東京の銀座や秋葉原で買い物をしていた、という印象なのだ。

そして、「コロナ禍」によって停止されていた中国からの観光客の団体を受け入れるようになった今、未だに「爆買い」を期待するような言葉を聞くコトがある。
少なくとも現状の中国経済を考えると、「爆買い」を期待できるほどの状況ではないのでは?と、感じている。
そもそも「買い物・観光」から「体験型」へと、海外からの旅行者(=本来の意味のインバウンド)の意識が変わり始めている。
それは同時に、「体験させるに値する観光客なのか?」という、見極めも必要な時期にきているのでは?と、感じている。
「和式トイレが使えないトラブル」等は、観光客を受け入れる側として配慮が無かった、と思うのだが、日本の文化を体験することと祇園の芸舞妓さん達をコスプレーヤーと勘違いするのとでは、意味が違う。
その為の情報発信は必要だと思うのだが、インバウンドだからとありがたがる時代は終わりつつある、ということも受け入れる側は理解する必要があるような気がするのだ。



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