忘れ去られてしまったこと-問題の本質は？-

今年のヒット商品や、ベストＣＭ等が連日報道され、「アァァ、師走だな～」と言う気分になってきた。
今年を象徴するようなコトといえば、(個人的には)「食品の偽装」だろう。
「ミートホープ」の牛肉ミンチに他の食肉材料を混ぜ、「牛肉コロッケ(冷凍食品)」として生協などに販売をしていた事件に端を発し、秋になると「老舗」と呼ばれる所の「売れ残り商品の使いまわし」や、「賞味期限の偽装」などが次々と発覚し、コンビニの「おでん」やファーストフード店などにも及んでいた。
そのたびに「食の安全・安心はどうなっているのだ」といった指摘がされてきた。

このような「食の安全・安心」と言うことばを聞くたびに思い出す事があったのだが、そちらの話題はまったく触れられる事もなく、粛々と進んでいるのではないか？と言う疑問が湧いている。
それが「ＢＳＥ・米国産牛肉輸入」の問題だ。
一部のスーパーマーケットでは既に米国産輸入牛肉が販売されているが、輸入再開時には「本当に安全・安心なのか？」と疑問の声があった。
「生後２０ヶ月以内の危険部位を除いた牛肉に限る」と言う規制があったのだが、それが「３０ヶ月に変更」と言う要望をアメリカ側が出してきて以来、米国産牛肉の話題はまったくと言っていい程、聞かなくなってしまった。
「賞味期限切れ」と言うコトも問題だが、ＢＳＥに対して危険部位を取り除くと言う方法以外に明確な対処法が提示されないまま、ずるずると輸入される方向へと動き始めているようで不安なのだ。

もう一つ、忘れ去られてしまったように感じるコトがある。
それは「大相撲の八百長問題」。
相撲協会が、週刊誌と記事を書いたライターさんに対して提訴するとかしないとか、話題になっていたのだが、朝青龍のサッカー問題で総てが飛んでしまったような感がある。
そもそもこの「八百長問題」の中心人物は、朝青龍だったはず。
それが、サッカー問題の騒ぎ→謹慎処分による精神的ショックによる病→治療のためにモンゴル帰国→帰国と謝罪記者会見で、すっかり忘れ去られてように思えるのだ。
余りのタイミングのよさに、どこか意図的なモノすら感じてしまうのだ。

メディアはもちろんだが、私たち生活者も目の前の話題に飛びつく傾向がある。
それが悪いとは言わない。
私などは、「新商品」と名の付くモノ・コトが大好きだ。
だが、「あれ？どうなったの？？あの問題」と思い出す事も、必要なのではないだろうか？
いつのまにか、知らない間に変なモノ・コトの片棒を担がされてしまっているかもしれないからだ。
作為的ではないかもしれないが、米国産牛肉の問題などは「賞味期限切れ」よりも注意しなくてはいけない問題なのではないだろうか？