日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

休むことも大切な仕事

2007-03-11 23:14:45 | 徒然
皇后様が体調を崩されてから、数日がたった。
それでも、先週は既に予定されていた「ご公務」のため、静養されずにいた。
宮内庁などの発表によれば、ここしばらく続いていた週刊誌などの皇室記事に心を痛めていらしたコトも一因とされている。
しかし、皇后様といっても70歳を超えられる「高齢者」なのだ。
その彼女を「ご公務」といわれる、様々な行事に引っ張りだすのはどうなのだろう?
その「ご公務」の中には、華道の展覧会などがあり、欠席されてもさほど支障が無いように思われるものもある。

世間で言う70歳と言えば、おばあさんである。
いくら皇后様と言えども、その肉体は70歳のおばあさんだと考えるほうが、自然なのではないだろうか?
まして、天皇家と言うのは「24時間営業」のような仕事である。
そのことを忘れてはいないだろうか?
「ご公務」と称する、仕事を多く詰め込むことが70歳を超える皇后様にとってプラスだとは思えないのだ。

それだけではなく、メディアを含め「天皇家=日本の理想家族・家庭」という役目まで、背負わせてはいないだろうか?
皇太子妃雅子さまにしても、病気について逐一メディアで報道されなくても良いのではないだろうか?
むしろ、語学が堪能で国連大学などのご講義などを積極的に受けられることによって、病気の完治に努めていらっしゃるのであれば、その成果として国賓との食事会や談話などの「ご公務」をセッティングし、皇后様の休養とされるという考えもあるのではないだろうか?

今回の皇后様とは違う話だが、昨年暮れから年明けに話題になった「ホワイトカラーエブゼンプション」。
いわゆる「残業代0法案」にしても、仕事に追いまくられるのが「仕事」だという企業風土が強く残っている日本の多くの企業に導入しても、それは過労死を生むだけで、本来の「短時間で最大の成果を発揮できるための評価制度」では無い。
クリエイティブな仕事と言われても「1時間にいくつアイディアを出せるのか?」と競争をさせられ、アイディアが出ないから成果が上がらないと言う評価では、時代を変えるような仕事などできはしないはずなのだが・・・。
もちろん、「昼間働かず、5時以降やおら仕事に取り掛かる」とか、「会議のための長時間の打ち合わせ+資料作り」などは論外だが。

「休むことも大事な仕事」という発想が無ければ、豊かでユニークな発想も生まれて無いのではないか?
皇后様の静養は、仕事に追いまくられるのが仕事だと考えている人たちへの、警告でもあるような気がする。