日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今年の正月広告

2010-01-04 20:50:19 | マーケティング
今日から、「仕事始め」という方も多かったのではないだろうか?
今日まで「正月休」という方も、いらっしゃるかも知れない。
と言っても、「松の内」とか「小正月」くらいまでは、何処となく正月気分が抜けない、というコトもあるだろう。

ただ、今年のお正月はテレビ番組は別にして、何となく街全体でのお正月気分が余り感じられなかったように思う。
大手スーパーの元旦営業が一般化しただけではなく、コンビニなどのように「24時間、年中無休営業」という所が多くなった影響だろうか?

と言っても、元旦の新聞や今朝の新聞には、様々な企業の「正月広告」が掲載されていた。
目を引いたのは、「資生堂」の広告だろうか?
「変わる」というコトをテーマにした広告だったのだが、「美」を売る広告で、坊主頭の女性が登場するというのは、初めてのような気がする。
「坊主頭」というある意味センセーショナルな感じなのだが、モデルとなったICONIQさんは、昨年暮「坊主頭男女コラボデュオ」と話題になった人物でもある。
この春向けの、資生堂商品のモデル兼CMソング起用のためなのだと分る。
商品ターゲットが、10代~20代前半なので、このような大胆な正月広告となったようだ。
もちろん、単に商品ターゲットに絞った広告と言うだけではなく、資生堂の正月広告らしい、凛とした清々しさも現しているように思う。

もう一つ目を引いたのが、宝島社の広告だった。
新聞2面を使った、文字だけの広告。
そこには、「不景気・不況ばかりを伝えるだけのメディア」に疑問を呈し、「違う表現で、日本を元気にさせたい」という、意気込みが感じられた。
その文字だけの広告の中で「心理不況」というコトバが、使われていた。

年が明けて読んだ新聞だったと思うのだが、「今の日本は、熱物に懲りて、なますを吹いている状態」だという指摘をしている人がいらっしゃった。
「熱物」とは、バブル経済のコトだろう。
あの頃は、訳も分らず「日本中が躁状態」だった。
そして、何の確信も無く「この状態はズット続く」と思い込んでいた。
「思い込んでいた」のでは無く、「思いたかった」のかも知れない。
その揺り返しのような、心理状態が今の「心理不況」を作り出している一因なのでは、と言う指摘だった。
「違う見方をすれば、日本はもっと自信を持って良い!」そんな指摘もしている、宝島社の広告は、「根拠の無い自信ではなく、世界から注目・賞讃される日本」を、もっとメディア企業として発信していきたい。
そんな印象を受けた。
そして、そのメッセージは私たち一人ひとりに向けられたコトのように感じたのだった。

福袋人気で、考えたコト

2010-01-03 11:55:55 | ビジネス
百貨店や大手スーパーの売上が低迷する中迎えた、新年。
大手スーパーの多くは元旦から、一部百貨店は昨日から「初売り」をはじめた。
このような傾向は、一体いつぐらいから始まったのだろう?と、フッと気になってしまった。
おそらく、スーパーなどはだいぶ以前から「元旦初売り」だったような気がするのだが、百貨店の場合は、ここ10数年のコトのような気がする。

「初売り」と言えば、「福袋」がつきものだ。
特に衣料品の「福袋」は、人気が高い。
そして、ココ何年かは「福袋騒動」のような賑わいを見せている。
昨夜もテレビのニュースを見ていたら、一家族4人で、26個の福袋を買った方がインタビューされていた。
何でもこのご家族は、昨年30個の福袋を買ったそうだ。
今回も予算30万~40万で、準備してきたと言うお話だった。
ニュースの中では「年末、イロイロなモノを節約して『福袋』購入に備えた」という、方もいらっしゃった、と言うコトだった。

確かに、「福袋」は開けてみる楽しみという、ゲーム感覚のようなトコロがある。
友達同士で買いに行き、気に入らなかったモノを交換し合うと言う、オマケのような楽しみ方もあるだろう。
ただ、インタビューの中で気になった事があった。
それは「福袋で、一年分の服を揃える」と言う内容のコトを、話した方がいた事だ。

かつての「福袋」のように、今だけ(=冬物)の物を詰め込んでいるとは思わないのだが、夏物などの薄手の衣料品が「福袋」に入ってはいないと思うのだ。
メインになるのは、秋・冬物~春物くらいまでだろう。
とすれば、春・夏物は???と、思ってしまったのだ。
逆に薄着になるからTシャツがあれば、十分と言うコトなのかも知れないし、春・夏物は、秋・冬物に比べ若干安いため、買いやすいと言うコトもあるのかも知れない。
だから、値の張る冬物衣料品が充実した「福袋」が、魅力的に見えてしまうのか?とも、考えてしまった。

もう一つ思った事は、「毎年、似たような内容の服ばかりにならないのか?」というコトだ。
「福袋」を作る百貨店や大手スーパーの担当者は、毎年創意工夫を凝らして「福袋企画」をしていると思うのだが、アイティムとして似たようなモノを毎年入れてしまっているのでは?と、思ったのだ。
例え色違いであろうとも、セーターはセーターでしかない。
コートなどの大物になってしまうと、どうなのだろう?
毎年、似たようなアイティムが入った福袋を買ってしまっているのでは?と、思ったのだ。

「福袋」は上述したように、どこかゲーム感覚のところがあったり、「初売り」と言う縁起の良さもあるのは分る。
「福袋=衣料品」というわけではない。
ただ、奪い合うようにして買われる「福袋」の多くは、「衣料品福袋」と言うコトを考えると、「何かおかしな感じ」がしてくるのだった。



お休みだから、本を読もう

2010-01-02 09:42:30 | ライフスタイル
お正月休みで、時間があるので年末にチョッと本を買い込んだ。
分野も、バラバラ。
元々乱読系、非ベストセラー派なので、本棚に並んでいる本も風変わりな並びだ。

年末読んでいた本は「テレビ局の裏側」と言う新書だった。
年末、何気なく昼間テレビを見ていると「年始番組の番宣番組」になっているコトに、気がついた。
番組の宣伝番組を作らなくては、視聴率=生活者の興味を引く事ができない、と言うのが今のテレビを取り巻く環境なのかも知れない・・・と思いながら、本を読んだ。

この本の内容は、多くの人が薄々分っていた「テレビ局の実体」と言うか、巨大メディアの姿の話だが、私がむしろ興味を覚えたのは「中立性・公共性」を謳うテレビ局であっても、NHKを含め「企業の内からでしか、生活者を見ていない」と言うコトだった。
その「物差し」としての視聴率であり、視聴率が生活者の志向であると言う判断がされていると言うコトが、今の巨大メディアの問題なのでは?と、思ったのだった。

そして、ほぼ同時進行で読んでいた(と言うより、見ていた)のが、「かいじゅうたちのいるところ」と言う絵本を特集した雑誌だった。
元々絵本なので、1日かけて読むようなコトは無いし、実は「かいじゅうたちのいるところ」と言う絵本は、私が大好きな絵本の一つなのだ。
この絵本が映画になったと言うコトで、特集が組まれた雑誌だったのだ(音声がありますので、注意してください)。
大人になってこの絵本を読むたびに、「子供の頃を思い出させる、大人のための絵本」と言う気がしている。
子供の頃は、毎日が冒険でワクワク・ドキドキがあった。
それだけではなく、チョッとしたことが怖かったり、訳も分らず叫んでみたくなったり・・・(そんな子供だったのは、私だけ?)。
やんちゃでわがまま、寂しがりやで怖がり、何よりも「見るモノに対して素直」だったように思う。
そんなコトを思い出させてくれる絵本だ。
そういえば・・・毎日新聞のWEBサイトに「パパも読み聞かせ:絵本が父子のハッピータイム」と言う記事が掲載されていた。
この絵本などは、お父さんが読み聞かせるのに良い本だと思う。

年明けから読み出した本が、「壊れた脳 生存する知」と言う文庫本。
「脳卒中」で3度倒れた元女医さんが書かれた本で、「高次脳機能障害者」と言う視点で書かれている。
当たり前だと思っているコト・モノが、本当はとても大変なコトであったり、不都合なコトが多い社会だと言うコトを知る機会となっている。
それだけではなく、「合理化」とか「効率化」が本当は、「非合理化で、非効率なのでは?」と言う疑問がわいてくる部分もある。
と言うのは、今語られている「合理化」とか「効率化」と言うのは、いわゆる「健常者」の視点でしか語られていないからだ。
違う視点で見たとき、まったく別の世界が広がって見えるとしたら・・・今までの常識みたいな「枠」を一旦外してみる必要があるのでは?と、言う気がしている。

本は、自分が経験できない世界を運んできたり、子どもの頃ワクワク・ドキドキしたコトを思い出させてくれる。



明けまして、おめでとうございます

2010-01-01 13:43:13 | 徒然
明けまして、おめでとうございます。

様々な変化があった昨年ですが、今年はもっと大きな変化があるかも知れませんね。
と言うのも・・・今日未明に、部分月食が見られたからです。
ここ名古屋は、曇りで見ることができませんでしたが、産経新聞のWEBサイトに写真が掲載されていました。

元旦の部分月食

元旦に部分月食が見られると言うのは、現在の暦になってから初めての事のようです。
「新しいモノ・コトが動き出す年」となるかも知れませんね。
「欠ける」と言う発想ではなく、「再生する」と言う発想で、新しいスタートを切りたいですね。

本年もよろしくお願いいたします。