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「箱もの」発想から、脱却できない政治家?

2016-08-24 20:04:13 | アラカルト

東京都知事になった小池さんが、ブラジルからオリンピック旗を携え帰国された。
帰国直後の記者会見で、記者さんから「2020年のオリンピック」について質問をされた小池さんは、「箱ものだけが残ったということになってはいけない」という趣旨の発言をされたようだ。
日経新聞・映像:五輪旗リオから東京に到着 小池都知事と

オリンピックのような大規模なイベントになると、確かに様々な「箱もの」が造られることになる。
その「箱もの」が、暮らしを豊かにすることも数多くあることは確かだが、「箱もの」を維持することができず、破たんしそうになっている自治体も少なくない。
特に、高度成長期~バブル期の頃に造られた「箱もの」の多くは、耐久年数が限界にきていたり、維持費に膨大な費用が掛かるため、放置されているものもある。
その視点で考えれば、小池さんの発言は「箱もの行政」の問題点を突いていると思う。

それでも「箱もの」にこだわる政治家さんは、いらっしゃる。
朝日新聞:「高速道路いらない人たち、政権あり得ぬ」自民・二階氏

この発言が出たのは、高速道路建設を求める都道府県知事などの会合での席なので、ある意味必要な発言だったのでは?と、理解している。
理解しているのだが、「高速道路」そのものを造るコトが重要なことなのだろうか?と、考えるのだ。
なぜなら、このような「高速道路をはじめとするインフラ事業」の場合、「建設ありき」で話が進められてきたような気がするからだ。

「高速道路ができれば、人が集まり地域が活性化する」というのは、昭和の頃、盛んに言われてきたコトだ。
しかし現実はどうだったのだろう?
地方と都市部を結ぶ交通インフラの充実は、地方の過疎化を進めてしまっている、という部分もあるのではないだろうか?
造るコトが大切なのではなく、どのように使うのか?ということが、重要なのではないだろうか?

「箱もの」を造るのであれば、その「箱もの」を使って、どのような事業を行うのか?そのための維持費や運営費は、どのようにねん出するのか?
そこまで考えたうえで、どうするのか?という、議論がされても良いはずなのだ。
まして、これから人口が減少していく中、「箱ものを造らない(造れない)議員は、政権が取れない」という発想は、なんとも「高度成長期的」発想という気がするのだ。