日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

出口が見え始めた?新型コロナウイス

2022-01-15 20:18:38 | アラカルト

AFPが、新型コロナの変異株・オミクロン株感染が、N.Yをはじめとする大都市で、収束の傾向がみられる、と報じている。
AFP:オミクロン株感染、N.Yなど米国大都市で収束の兆し

オミクロン株が最初に見つかったとされる南アフリカやイギリスなどでも、すでに収束の傾向がみられる、という報道もある。
Wall Street Journal:オミクロンは意外に早く収束?英国で見えてきた希望の光

昨年の暮れには「オミクロン株」の感染力の強さに、世界中が戦々恐々としていた。
日本でも、岸田総理がいち早く「水際対策」として、入国制限などを打ち出した。
しかし、オミクロン株はこれまでの変異株と違い、強力な感染力がありながら重症化しにくい、というこれまでとは違うタイプの変異株である、という指摘もされてきた。
実際、南アフリカなどでは感染していたが無症状であった、という人たちもいれば無症状であったために感染に気付かなかった、という人たちもいたようだ。
あくまでも「結果論」的な話となってしまうのだが、オミクロン株とそれまでの変異株の大きな違いとして、見る必要があるだろう。

それだけではなく、南アフリカでもイギリスでも日本ほど「マスク・手洗い・うがい」などの予防対策を徹底していた、という話もほとんど聞くことがなかったように感じている。
そのような状況で、感染者数が急速に減少しているという状況であるとすれば、やはり「収束に向かっている」と考えるのが自然なのかもしれない。

とすると、先日一部の県に適用された「まん延防止策」の解除も案外早いかもしれない。
ただ日本の場合「ウイルスを撃退」という思考が強く、徹底した「感染予防」を続ける可能性もある。
事実、N.Yなどで感染者が急速に増え続けていた時、Yahoo!コメなどでは「やはり予防策の徹底が必要」という意見が、多かったように思う。
ネットでのコメントは、その時々の生活者の意見の一つである、と考えると「感染拡大」という言葉の持つ社会的不安の強さがあったのだ、という印象を受ける。

そして、イギリスだけではなく米国の大都市部でも「オミクロン株」の感染拡大が収束し始めている、ということになると日本国内でも「ワクチンの追加接種」などについて、懐疑的な意見が出てくるかもしれない。
何より、今発表されている「感染者数」よりも、感染者数に対する「軽症・中等程度の症状・重症」という感染の実態を中心としたデータが、発表されなくては、今後の「新型コロナ対策」を見誤り、過分な負担を医療関係者に与え続けてしまうのでは?という、心配がある。

「オミクロン株」の収束を一区切りとして、感染症の予防・対策・体制づくりを考え、作り上げる必要があるかもしれない。
というのも、感染症はいつ何時発生し、感染拡大という状況になるのかわからないからだ。
「がん治療」に対する積極的なガイドライン作りが、「感染症」に関しても必要になる、ということなのだ。
そのためには、国が主導している「2025問題」による、病院の区分や個人医院などとの連携などを見直す必要があるような気がしている。

 


テレワークか週休3日出勤か 働き方の多様性

2022-01-14 18:14:18 | ライフスタイル

年明け「新しい働き方」の提案が2つの企業からされた。
一つは、パナソニックの週休3日制。
もう一つは、Yahoo!Japan の「飛行機出勤OK」という勤務。
Huffpost:パナソニック、選択的週休3日制の導入を目指すと表明。給与はどうなる?注目集まる
Huffpost:「飛行機出勤OK」Yahoo!のテレワーク制度から考えた、オフィスを離れて働くということ 

報道向けの発表としては、注目を浴びやすい「働く場所はどこでもOK。通勤手段もなんでもあり」という表現をしているが、「飛行機出勤OK」というのは、現実的な感じがしないので、主にテレワークで仕事。時々飛行機などを利用して出勤、ということだろう。
それに対して、パナソニックの「週休3日制」というのは、一見休みが増えるような印象があるが、働く側として「週休3日になれば、当然給与が下がるのでは?」という不安を感じさせる内容になっている。
記事を読んでみても、給与面などに関してはこれから労働組合などと話しを詰める、ということになっているので、アドバルーンを上げ、社会や企業内の様子を見るということのほうが目的なのかもしれない。

ところで、昨年11月に経団連が「テレワークなどを利用した出勤者7割減の見直し」という話を、政府に申し入れた。
朝日新聞:テレワークなどで出勤者7割減「見直すべき」経団連が政府に申し入れ

確かに「新型コロナ感染拡大防止」のために、「テレワークによる出勤者7割減」を申し入れたのは、政府ではあったがその後の状況の変化に応じて個々の企業が出勤者の割合を増やしたり、継続させたりしていたと思っていので、逆に経団連の申し入れには違和感を感じた。
Yahoo!Japan のように、テレワークそのものを継続させたい企業もあるだろうし、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちを雇用している企業は、出勤者7割などということ自体絵空事のような話だったはずだ。
企業そのものが、企業の仕事内容に合わせてテレワークを選ぶなり、出勤者率を上げるなりすればよいだけの話なのだと思う。

Yahoo!Japan のように、テレワークを進めるために大胆な出勤形態を可とする企業は、これから先増えてくるのでは?という気がしている。
なぜなら、居住場所と働く場所が近ければ、それだけ「通勤時間」に時間を割く必要がなくなるだけではなく、企業側にとっては従業員の「通勤費」負担だけではなく、オフィスにかかる費用もまた軽減される、というメリットがあるはずだ。
と同時に、企業側が期待するのは「働く人たち個人個人のスキルアップ投資」がしやすい環境づくり、ということになるのではないだろうか?

それはパナソニックの「週休3日制」の中でも言われている。
これから先、AIが当たり前のようになってくれば、AIではできない仕事を創出していく必要がある。
しかし、企業側も「AIにできない仕事の創出とは何か?」という具体的な方策があるわけではないだろう。
とすれば、働く側に考えてもらい「自主的なAIではできない仕事の創出」をしてもらう、ということも一案なのではないだろうか?
むしろパナソニックは、それを狙っているような気がしている。

パナソニックではないが、昨年の「コロナ禍」の中で、副業禁止を謳ってきた上場企業が次々と「副業可」となってきたのも、昇給の問題もあるが、ほかにも「社外を知ることで、社内に還元する」という期待もあったのでは?と、考えている。

働き方の多様性が進むと、企業よりも働く側のほうが様々な負担を強いられる可能性が高いような気がする。
それは「これまでのような企業に頼った働き方」ではなく、「自分の仕事を創出する」という、日本人の苦手なことを強いることなのようにも思えるし、それができる人達がこれから先求められる人材となるような気がしている。


技術と人の関係‐箱根駅伝で感じたこと‐

2022-01-13 12:14:02 | アラカルト

昨年の大みそかに、突然愛用のPCが壊れエントリーができないまま年を越し、やっと昨日新しいPCが我が家にやってきた。
新年のご挨拶が遅れてしまいましたが、今年もよろしくお願いします。

さて、お正月のイベントの一つといえば「箱根駅伝」があるだろう。
今年は、下馬評通り?青山学院大学が新記録を樹立する圧勝だった。
そしてもう一つ話題になったのが、一昨年から続く「厚底シューズ」だ。

ご存じの通り「厚底シューズ」といえば、ナイキ社ということになる。
事実、今回の「箱根駅伝」では、ナイキ社の「厚底シューズ」を履く選手が多かった。
もちろん、他社も指をくわえてみているだけではなく、同様のシューズを出している。
そのため、「ナイキ1強」と言われていた一昨年に比べ、他社製のシューズを履く選手もいたのだが、それでもナイキ社を選ぶ選手が多かったことには変わりないだろう。
読売新聞:厚底シューズ「戦国時代」へ…箱根駅伝、ナイキ1強に変化

この「厚底シューズ」は、高反発性により弾むように足を前に出す、と言われている。
結果として、好タイムが出るシューズとして話題になったのだった。
ところが、この「厚底シューズ」によって、選手たちのけがが増える傾向がある、という指摘がある。
Number WEB: 「厚底シューズは”諸刃の剣”なんです」箱根有力校のエースが次々に故障のナゾ・・・選手を襲う”意外な落とし穴”

技術・研究の躍進によって、本来であればアスリートにとって大きな力となるはずの「厚底シューズ」が、逆効果となってしまっている、というのだ。
青山学院の今年の躍進の最大の理由は、この「厚底シューズ対策」だった、と原監督は話していらっしゃる。
東京新聞:青学大、歴史的圧勝の秘密は厚底シューズの「対応力」<箱根駅伝>

青学の原監督は、青学の学生だけではなく、他校の選手の怪我の情報などから「怪我の箇所」を把握し、怪我をしやすい箇所の筋力アップを図ったという。
筋力アップのために、これまでのストレッチや走力をつける従来のトレーニングよりも、バーベル筋トレなどを加え怪我をしやすい部位に筋力をつけることで、怪我をしにくい体つくりをした結果が、今回の箱根駅伝の記録に結び付いた、ということのようなのだ。

この青学の「厚底シューズ対策」を知ると、なるほど!と思うところが多い。
その反面、技術の進歩についていけずに起きる悲劇(というと大げさかもしれないが)というものがある、ということを知らしめているような気がする。
この「厚底シューズ」を開発したナイキ社も、開発当時にはこれまでとは違う怪我を引き起こすとは、考えていなかったはずだ。
各スポーツメーカーには、様々なスポーツ選手と専属契約をしている。
専属契約をしている選手たちは、スポンサー契約だけではなく、シューズや道具などの提供がある。
提供がある、ということは商品開発にもかかわっている、ということにもなる。
そのような中で開発され、市場に出るのだ。

同様のことが、市場に登場する新商品についても、いえるのではないだろうか?
多くの場合「ユーザーからの声」によって、市場から姿を消すことになるのだが、企業側は「なぜなのか?」ということを分析し、次の製品・サービスへと結びつけていく必要があるはずだ。
このような「なぜなのか?」という分析を続ける中で生まれるイノベーションに、注目していく必要があるのでは?

箱根駅伝の青山学院大の圧勝は、その「なぜなのか?」の大切さを教えてくれたような気がしている。