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“男のためのガーデニング”改め

「不破の滝」は男滝、「養老の滝」は女滝~岐阜県不破郡垂井町~

2021-08-25 17:17:17 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 岐阜県は山岳県と呼ばれるほど山が多く、県内に3000mを越える山が9山もある山の国ということもあり、名瀑と呼ばれる滝が多いと聞きます。
岐阜県の滝では「根尾の滝」「平湯大滝」「養老の滝」「阿弥陀ヶ滝」が「日本の滝百選」に選ばれていますが、西濃の「養老の滝」を除くと、中濃・東濃・飛騨地区に有名な滝は集中しています。

「養老の滝」と垂井町にある「不破の滝」には昔話が伝わっており、“2つの滝を守護するお不動さんの仲が悪く、見かねた偉いお不動様が“不破の滝は滝の幅や水かさでは養老の滝よりまさっていて男らしく力強い”。
“養老の滝は高さや形では不破の滝よりまさっていて女のように美しい”と諭したことから、お互いに相手の良さを認め合って仲良くなり、不破の滝を「男滝」、養老の滝を「女滝」と呼ぶようになったという。



垂井町の市街地から「不破の滝」のある山麓へを目指して進んでいくと、「熊出没注意!」の看板が目に入ってくる。
当方が好んで行く場所ではしょっちゅう熊注意の看板を見かけます。慣れっこだとはいえ、実際に出会ってしまったこともありますので周囲を気に留めながら進む。



大滝川の渓流に沿って細い林道を進むことになるが、何ヶ所かにすれ違えるスペースがあるので難なく進んで行ける。
ただし、こういった林道は慣れてはいるものの、舐めていたら何が起こるか分かりませんので注意しながら進みます。



いよいよ林道の行き止まりに到着すると、駐車場兼Uターン場所に1台の車が停まっており、滝の方から一人降りてくる方がおられましたので一安心。
なぜなら人が歩いていた場所に熊が出てくることはないでしょうし、登山スタイルではない人が歩ける場所だと分かったからです。



滝に向かって登り道を歩いていくと「不破の大滝 不動尊堂」の建物が見えてくる。
滝に不動明王が祀られていることが多く、山岳信仰に密教の結びつきや修験道が混じり合って信仰されてきたことが伺われます。



伊吹山は修験道が盛んに信仰されていた霊山とされており、不破の滝のある山は伊吹山系の岐阜県側になることから考えても、修験道や密教の信仰が盛んだったのでしょう。
祠の中は常々参拝者が訪れておられるようで、中は綺麗に整えられて中央には不動明王像が祀られてありました。



不動尊堂にお参りした後、水音も激しい滝と向かい合います。
不破の滝のある場所は標高約250mの山中にあり、唯一出会った方はすでに帰られましたので一人っきりでの対面です。



岩肌の力強い迫力といい、多い茂った緑の美しさといい、素晴らしい光景ではありますが、滝の主流がこの位置からは見えにくい。
これ以上進んだらいけないのかもしれませんが、滝の主流や滝壺を見てみたい!



沢へ降りる道はすぐに見つかったのでとりあえず降りてみましたが、さてここからどうしましょう。
沢沿いに登っていくのはスリリングを越えて、危険そうなのでここで躊躇します。



沢からふと横を見ると登れそうな石垣があったので、手を使って四つ足状態で登ってみます。
どうやらこれで滝の直下や滝壺まで行くことが出来そうだ。



滝の前には巨岩と苔むした樹木があり、この美しい光景に見惚れてしまう。
辺り一面が水飛沫の冷気に包まれて、森林浴でもマイナスイオン浴でもあるヒーリング空間に身を置く。



不破の滝の落差は約15m、幅が約3mとされ、勢いのある主流と巨岩を伝いながら落ちる分岐滝がある。
この2本が絶妙な雰囲気を醸し出しており、想像以上だったこの滝の良さに感動してしまいました。



滝壺の手前まで来ると障害物がなくなり、滝と直接向かい合うことになる。
滝を見ることが好きなので当方でも行けるような滝を中心に巡っていますが、どの滝もそれぞれの個性と魅力に溢れていて毎回感動します。





滝の落ち口を見てみると、大きな岩を左右に分かれて落ちているのが分かります。
激しく落下する水流をものともせずに巨大な姿を見せている岸壁は力強くも美しい。



巨岩の横を落下する主流も魅力的でしたが、変わった文様をした岩の上を滴るように落ちる分岐滝の不思議な美しさもいいですね。
この岩は、大きな岩の中に別の種類の岩が混じって構成されるように見え、独特の文様は鉱物美と呼べるのではないでしょうか。
庇のように突き出していますので、岩の下部には苔が生えている場所もあります。



滝壺から流れ出る水流れは、渓流となって下流へと流れ出ています。
この水は垂井の田園地帯を潤しているのかと思われます。



見えた範囲ではここが滝からの傾斜を流れ落ちている流れの最終地点かと思われました。
この先、大滝川はゆるやかな清流となって林道の終わりと共に大滝川は見えなくなり、そこで不破の滝とはお別れになります。





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