hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

俵万智「言葉の虫めがね」を読んだ

2007年03月31日 | 読書
俵万智「言葉の虫めがね」角川書店 を読んだ。
と言っても、パソコンのデータの整理をしていたら、メモが見つかったのだが、6年前のものだ。ブログネタが不足しているので、リサイクルした。

若者言葉を解説しているのだが、相手を探るような婉曲な表現が多い。表現は変っても、結局昔からの日本人の精神構造は変っていないようだ。

以下、面白かったところを取り出してみる。

トカ弁、婉曲に

「昨日、学校の帰りに、ケーキとか食べて」 
本来は特定しないでいう表現だが、特定していながら、ぼかして婉曲に言うための表現。
おじさんが、「今度の日曜あたり、ゴルフでもいかがですか?」と言った場合、日曜やゴルフを特定しているが、婉曲に表現しているのと同じ。
若い夫婦の妻が、「ねえ、手とか、つないでみる?」

同じように文全体から断定を避ける言い方に、「私、卒業したら、ちょっとは落ち着いて社会勉強しようと思うの、みたいな」。 昔の「―――、なーんちゃって」よりも発言内容を自分から遠ざけていて、「そういうふうな意見があるじゃない、で、とりあえず私もーーー」と、自分でない他人に賛成する雰囲気がある。


同意を求める、仲間に巻き込む

「私って、お肉食べない人なんですよ」
「私って、お肉食べない人じゃないですか」(そんな事知らないよと言ってはいけない)
相手の同意を暗に求め、共犯関係を結ぶ言い方。

他人を気にし、断言せず相手の反応を窺う、ますます日本人的な若者。

「昨日会社の帰り? 近くのコンビニで? 女性週刊誌? 読んでて思ったんだけど、たまにはボランティアでもしてみる? そういう考えも大事かなってーーーー」
相手との連帯感を求める言い方



コメント
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