高血圧については、だいぶ前から「塩分の取り過ぎが問題だ」などの常識がかなり知られていて、改善の傾向にあります。さらに、日常的注意で防げたり、重大なことにならないで済んだりできる余地がありそうです。
高血圧とは?
動脈にかかる血液の圧力が血圧です。心臓が収縮したときの血圧を「最高血圧」(収縮期血圧)と言い、心臓が拡張したときの値を「最低血圧」(拡張期血圧)と言います。
単位は水銀柱の高さ(mmHg)で表します。
高血圧とは、2004年版の日本のガイドラインでは以下の通りです。(最高血圧/最低血圧)
180/110 mmHg以上 高血圧、重症
160/100 mmHg以上 高血圧、中等症
140/90 mmHg以上 高血圧 軽症
130/85 mmHg以上 正常 高値血圧
120/80 mmHg以上 正常 血圧
120/80 mmHg未満 至適 血圧
日本の現状
30歳以上の日本人男性の52%、女性の40%は高血圧ですが、これでも治療を受ける人が徐々に増えてきて年々改善してきています。しかし、まだ医者から高血圧と言われた人の68%しか降圧薬を飲んでいません。
国民の血圧が平均2mmHg下がれば、脳卒中死亡者が1万人減り、循環器疾患で2万人の死亡が防げることになるそうです。65歳以上の高齢者の医療費の32%と、一番多いのが高血圧とその結果の病気の治療費なのです。血圧の高い人は生活を改善し、医者の指示で是非降圧薬を飲み続けてください。
原因と対策
高血圧の危険因子は、遺伝的体質、塩分取り過ぎ、肥満、喫煙、アルコール飲み過ぎ、ストレス、運動不足などです。生活習慣病の一つと言えます。
高血圧になると、脳卒中、心筋梗塞など重大な病気になりやすくなります。血中のコレステロールが高くなる高脂血症と重なると単独の場合の2-3倍心臓病が起こりやすくなります。
治療が必要なときには降圧薬を飲みます。降圧薬は途中で止めず長く続けましょう。5年間続けて、心臓病による死亡率が14%、脳卒中による死亡率が42%低下するとのデータがあります。
降圧薬は重大な副作用はまれですが、頭痛や咳などの副作用がでることがあります。私も最初、尿が出にくくなり薬を代え、次の薬を数年飲み続けた後に咳が出てさらに薬を取り替えました。
冬の早朝高血圧は危険
血圧は通常、寝ている間は低く、朝方から午前中にかけてゆっくり上昇します。気温の低い冬はとくに朝から午前中にかけて高くなります。朝の血圧が高い状態を早朝高血圧といいます。日中病院で測った血圧が正常範囲でも、その半数の人は朝の血圧が高いことがわかっています。
朝起きてから1時間以内で、トイレを済ませてから、朝食や薬を飲む前に血圧を1週間つづけて測ってみましょう。135/85mmHg以上だったら早朝高血圧なので医者に相談しましょう。
冬の朝は、目が覚めて10分くらいは布団の中で安静にし、起きたら上着を着たり、暖房をつけるなど急激な温度変化を避けましょう。冬の浴室やトイレは暖房しましょう。お風呂は38-42度くらいの少しぬるめにしましょう。
以下を参考、一部引用しました。
医院に置いてあった万有制約(株)の「高血圧症のはなし」と、ファイザー(株)の「冬の朝に危険がひそんでいる」
厚生労働省の高血圧ホームページ:
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/kouketuatu/index.html