そろそろ『一番大事な冬支度』をしなければ・・・
冬の間を美味しく過ごすために、『野沢菜漬け』の漬け込み作業です。
昨日は今年一番の冷え込み。
我が家の畑の野沢菜も、何度目かの強い霜が当たって真っ白です。
葉を見ると、先端が紫色に変色し始めています。
こうなれば、軟らかくて美味しい野沢菜になっているはず!
寒い朝でしたが、風もなく穏やかで野沢菜漬け日和♪
(先日はベーコン作り日和で、昨日は野沢菜漬け日和…天気が良ければ、いつも何とか日和だね…)
我が家の冬支度、野沢菜漬け・・・
(美味しく漬かってくれるといいんだけど…)
隣近所の畑の野沢菜は、すでにきれいさっぱり抜き取られているというのに、我が家と娘の家の畑では青々としています。
今年は陽気が暖かということと娘のおでかけなど、諸事情により例年よりかなり遅い野沢菜の収穫となってしまいました。
でも、強い霜に何度もあたって、野沢菜はとってもやわらかそう・・・
みんなでゆっくりと10時のお茶を楽しんでいるうちに、野沢菜の霜も消えてきました。
さてさて、野沢菜の収穫を始めましょう・・・
本日の作業、参加者は4名。我々夫婦と、娘とそのお舅さん。
いつもはわき役か撮影係のわたしですが、野沢菜漬けともなればもちろんわたしがリーダーさ!
さぁー、みんなわたしの指示に従って、頑張って働いてね!!!
(…と言いたいところなんだけど、それぞれみなさんマイペースなもので…)
あーだこーだと小言のひとつやふたつも言いながら、それでも楽しく作業が進みます。
娘の家の野沢菜は、ちょっと控えめに小振りのお菜が畑に少し。
…で我が家の野沢菜はちょっと大きめで、その量もた~くさん。
まぁ、作った人の個性も出てるかなぁ…って感じもする今年の野沢菜です。
収穫した野沢菜は、土手に並べてしばし寝かせておきましょう。
(こうしておくと、少ししんなりとするので、洗うときにポキポキ折れなくて洗いやすい…)
野沢菜が土手で日向ぼっこしている間に、我々は昼食タイムです。
食事を済ませて、コーヒーでひと息ついてから、
さぁー、ここからが本番。『お菜洗い』と『漬け込み作業』が始まります。
先ずは、娘の家の分(野沢菜2束)を洗って漬け込みます。
娘とわたし、女二人がお菜を洗っているうちに、うちの旦那さまはちょっと離れた畑の土手で日向ぼっこしてるお菜を束ねて、軽トラで庭まで運びます。
お舅さんはというと、お菜の長さを桶に合わせて切ってくれたり、我々のサポート役。
娘の家の野沢菜漬けは、いたって簡単!
塩と市販の野沢菜漬けの素を混ぜた物を、お菜と交互に振りかけながら漬け込みます。
桶いっぱいにお菜を漬け込んだら、重石をのせて『ハイできあがり!』
娘の家の野沢菜漬け、今年こそは母から教わった付け方で…と思い、密かに生姜などを用意していたのですが・・・
先を越されてしまいましたぁ~
お舅さんが、例年通りに野沢菜漬けの素をすでに買ってきていました
こうなれば、お舅さんの用意した物を使わないわけにはいきませんねぇ~
そんなこんなで、娘の家の野沢菜漬けは終了。
次は我が家の分(野沢菜3束)です・・・
それでは、我が家のお菜洗いから漬け込みまでの様子を、画像付きでご紹介しましょう。
(野沢菜漬け作業はわたしが主役! そこで、今回は撮影係を娘がかってでてくれました…)
ずっと以前は実家の父が育てたお菜を貰って、数年前までは旦那さまの叔母が育てたお菜を頂き、そして昨年は娘のお舅さんが育ててくれたお菜を使って漬けていました。
今年は、初めて旦那さまが自分で種蒔きをして育てたお菜を使います。
見てやってください。結構立派なお菜になったでしょう。(残念ながら、畑の画像はないけど…)
旦那さまが初めて育てた、今年のお菜・・・
(だれ? こんなに雑に切ったのは…株元できれいに切ってねって言ったじゃん!)
そんな小言もいいたいけれど、まぁいいでしょう。来年は厳しくいくからね!
ちょっと大きく育ちすぎたかなぁ…と不安そうでしたが・・・
太いの細いの色々あるけれど、初めてにしては立派なお菜に育ったと思いますよ
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(…って、素人のわたしに言われたくないかなぁ…)
それでは、お菜洗いから・・・
洗い桶をふたつ用意して、『下洗い→仕上げ洗い』と流れ作業で洗います。
もちろん、こまめにお水を取り替えて洗います。
叔母の教えに従って、ぬるま湯を使ってのお菜洗いだから結構楽ちん♪
ぬるま湯だと、汚れも落ちやすくてアクも抜けるのだとか・・・
以前は、木枯らしの吹く中でも手を真っ赤にして真水で洗っていたんだけどなぁ~
全体をザブザブと・・・(今年のお菜は汚れも少なくて、ホッ…)
仕上げ洗いも念入りに・・・(株元も、よ~く広げてすすぎましょう…)
洗ったお菜は、後に用意された台の上で水切りです。
このとき、手の空いた人が太い株と細い株を分けながら並べます。
こうして分けておけば、漬けるときに太い株から順に漬けられるからね!
洗った後は、水切りです・・・
(味がしみ込みやすいように、太いお菜には包丁で株に十文字の切れ込みを入れましょう…)
お菜が洗い終わったら、いよいよ漬け込みに入ります。
その前に、調味料などのご紹介を少々。
我が家の味付けはというと・・・
粗塩とザラメと、そしてもうひとつ『隠し味』・・・
さて、この袋の中身はいったい何でしょうか!
これ(↓)が我が家の『隠し味』・・・
袋の中身は酒粕と味噌。
ボールの中で酒粕と味噌を混ぜ合わせて、日本手拭いで作った袋に入れ、
口を結わえて平らにしておきます。
この隠し味を使うのが、旦那さまの実家に伝わる『
○○○家代々の野沢菜漬け』なのです。
結婚してからは、ずっと母から教えてもらった漬け方をしていたのだけれど・・・
ある年からは、旦那さまの実家で昔から漬けていたという方法に切り替えました。
母の味は実家の義妹が引き継いで、今もなお守ってくれています。
『○○○家代々の野沢菜漬け』は、旦那さまの叔母に教わった味。
その叔母も昨年亡くなってしまったので、旦那さまの実家では野沢菜漬けを作らない今は、この味を守るのは我が家だけになってしまったのかなぁ・・・
さて、漬け込みに入ります・・・
まずは、桶の底にお塩を振り入れて、お菜を一列に敷き詰めます・・・
(太い株を桶の下段から順に並べて、細い株は上段に…)
お菜の上に、お塩とザラメを振り込みます・・・
(株元には多めに振って葉の方へは少なめに、味の偏りをなくしましょう…)
葉と茎の向きを、一段ずつ交互に漬け込んでいきます・・・
(こうして交互に並べると、平らになってお菜もたくさん入るんだよね…)
お菜を並べ、お塩とザラメを振り込む。この作業を数段繰り返します。
お塩とザラメの分量は・・・スミマセン、すべて目分量です!
母からも叔母からも、目分量と手加減で…と教わったものですから・・・
そして、桶の半分ほどの高さまで漬け込んできたら、
ここで『我が家の隠し味』の登場!
酒粕と味噌の入った袋を平たくして、お菜の中央に置きます。
ここで、我が家の隠し味投入・・・
(お菜が漬かってくると、ほのかに粕と味噌の香りがしてきて、鼈甲色になってくるはず…)
その後も、同じ作業を繰り返して桶一杯になるまで漬け込みます。
さぁー、これで漬け込み完了・・・
(美味しいお菜が漬かりますように…)
重石を乗せて、漬け込み作業はこれでおしまい。
でもここからが、ちょっとドキドキ・・・
翌朝にたっぷりと水が上がっているかどうかが、
その年の野沢菜漬けの塩加減の良し悪し(…ということは、味の良し悪し)が分かる瞬間です。
美味しい野沢菜漬けを漬けるには、
一晩のうちにお菜の上まで水をあげるようにするのがコツ…というわけです。
でも、これがなかなか難しい・・・
まずは塩の量。そしてお菜の太さ。それから重石の重さ。
この三拍子が揃って、水の上がり具合が決まります。
翌朝、水が上がっていれば重石を軽くします。
いつまでも重い重石を乗せておくと、お菜がこわく(硬く)なってしまうから。
「さてさて、今年の塩梅はどうかなぁ…」
今朝、ドキドキしながら桶を覗き込むと、
「水が上がってましたぁ~」
水を舐めてみると、ちょっとしょっぱ過ぎたかもしれない。
まぁいいでしょう。だって、これは『漬け物』だもの・・・
一晩重石をしただけで、お菜の嵩(かさ)が減っています。
桶の縁いっぱいだったお菜が、10センチほど下がりました。
以前は、翌日お菜の嵩が減った分を足していたのですが、今はそれほど漬け物もたくさんはいらないので、お菜の追加はしません。
その代わりに今朝は、
ちょいと甘さを加えてみたい・・・と、『柿の皮』を上にばらまいて、
カビ防止にも気を配らねば・・・・と、『鷹の爪』を数本乗せました。
(柿の皮は、先日干し柿にしたときに剥いた皮を天日干ししたもの。
そして鷹の爪は、畑で収穫したものを使いました…)
今年の野沢菜漬けは、『○○○家代々の野沢菜漬け』をちょっとだけアレンジして、
『みさと家の野沢菜漬け』ってところでしょうか・・・
古きを守りつつも、新しい風もそっと吹き込んで・・・な~んてね
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そんな大袈裟なことでもないけれど・・・
このまま静かに野沢菜が漬かるのを待ちましょう。
1週間位で、上の方に漬けた細めのお菜が漬かります。
1ヶ月ほどすれば、酒粕とお味噌の隠し味が効いて、かすかに鼈甲色をした野沢菜の漬け物が食べられます。
野沢菜漬けというものは、各家庭によってみんなそれぞれ味が違います。
それに、同じ材料を使って同じように漬けていても、できあがった味は毎年違うものです。
お菜の出来具合、気候、そして塩加減等々・・・
来年こそは、もっと美味しく漬けようといつも思うのですが、なかなか思うようになりませんねぇ~