蛹で冬を越したジャコウアゲハが、春に成虫となって庭を舞いました。
最初に出てきたこの成虫を第一化(だいいっか)と呼び、
その後に出た成虫を第二化、第三化…と呼ぶのだそうです。
気候の関係で、当地では第三化の蛹が越冬をすることになるのです。
我が家では今回初めて、越冬蛹からの第一化を観察することになったのですが、
第二化が蛹になったまま越冬して春に羽化したものもあり、これには驚きました・・・
第一化、初めての羽化は5月17日でした。
羽化から産卵までのハイライトシーンは、過去記事(↓)でご覧くださいね。
本日は、久し振りにジャコウアゲハの話題ですが、
ジャコウアゲハ第一化のフィナーレということで、
その後の様子をご覧いただこうと思います。
さて、春に羽化した第一化のジャコウアゲハは、
今では庭で1、2頭が舞ってる程度になってしまいました。
(それでもまだ、産卵をしている♀の姿も時々見かけます…)
そろそろ世代交代の時期がやってきたということなのでしょうね。
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まずは、ジャコウアゲハの羽化と交尾編です・・・
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確認できていた越冬蛹の中で、最後に羽化したジャコウアゲハです。
蛹から羽化直後、そして交尾シーンまでをご覧いただきましょう。
板の裏側に、最後の羽化を迎えた越冬蛹がいる…♪
羽化間近に迫った蛹に、ズームインしてみましょう。
いかにもジャコウアゲハっぽい、毒々しい 色に変化した蛹♪(6月6日、5時46分)
(こんな色のジャコウの蛹は初めて見た…)
そして2時間ほど経った頃です・・・
♀が誕生してましたぁ~♪(同日、8時04分)
(気になっていたソバカスは、蛹の殻についたまま…)
午後になって様子を見に行ってみると、そこにはもういなかった・・・
飛び立ったのかと思いきや、交尾カップルとなっていた♪
その後も、嫁1頭に婿数頭の状態は続いていたのですね・・・
それでは、もう一組の「人騒がせなカップル」もご覧いただきましょう。
(交尾成立かどうか怪しいけれど、ここに登場させます…)
通路に生えているスミレで、吸蜜中らしきジャコウアゲハの♂が目に入りました。
でも、なんか変です! しゃがんでよく見てみれば、
あれれれ? 黒い蝶が2頭いる!
角度を変えて見たとき、ハッとしました。
どうみても、わたしには黒い翅の♂が2頭に見える・・・
しかも、どうみても交尾カップルに見えるんだけど・・・
♂同士? そんなバカな!・・・やっぱり、なんか変です!
翅は黒く見えるけど、でも上が♀で下が♂かも…♪
下の♂らしきは地面に頭部をつけて、倒立体制で頑張っているのに、
上の♀らしきは、のんきにスミレで吸蜜体制でしょうか・・・
よくよく見れば、やっぱり変です!
あれっ? 交尾は成立していないようにも見える♪
どうやら後尾が成立していないカップルのようですが、
♀に拒否られているのでしょうか・・・こんな交尾シーンは初めてです。
数分後、翅を広げて羽ばたいた姿はやっぱり♀で、
わたしはなんだかホッとしました。
やっぱり片方は♀だった♪
それにしても、ハッとしたりドキドキさせられたり…と、
とんでもなく人騒がせなカップルでした・・・
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次は、ジャコウアゲハの産卵と卵編です・・・
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産卵ラッシュは、ひと月ほど前だったのですが、
今でも♀の産卵風景を見かけます。
まずは、新鮮な♀の美しい姿を見てやってください♪
(ブドウの葉で休憩中です…)
それでは産卵シーンです。
こちらは、ウマノスズクサ・タワーでの産卵♪
こっちは、ウマノスズクサ・アーチでの産卵♪
第一化では、いったい何頭の♀が誕生したのでしょう。
確認できていなかった蛹からも、相当数の♀が羽化したと思われます。
ジャコウアゲハの♀はお腹を曲げて、
幼虫の食草である「ウマノスズクサの葉裏」に産卵するのが普通なのですが、
中にはユニークな場所に、うっかり産卵してしまう♀もいるようでして・・・
ちょっと変わった場所へ産み付けられた卵たちを、ご覧いただきましょう。
一番ビックリしたのが、ブドウ棚の支柱に使っている錆びた鉄の棒への産卵♪
(食草を確かめて産卵してるはずなのに、なんでこうなるの?…)
もうひとつ驚いたのが、ウマノスズクサ・タワーの支柱を結わえてる紐への産卵♪
(だから、なんでこうなっちゃうのかなぁ…)
ウマノスズクサの茎に卵が4個付着、奥の方の茎にも2個♪
(まぁ、茎だったら許容範囲ってことで…)
このように、卵から孵化してもすぐには食事ができそうもない場所への産卵もあるのです。
でも大丈夫!
茎に産み付けられた4個の卵は無事に孵化して…♪
紐の卵も無事に孵化したようです♪
孵化した幼虫が真っ先に食べるのは卵の抜け殻なので、
その後ウマノスズクサの葉まで移動して、葉を食べるのでしょうね。
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最後は、ジャコウアゲハの幼虫編です・・・
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6月11日に、孵化したチビッコ幼虫(これを1齢幼虫と呼ぶ)を見つけました。
今では、タワーとアーチの2箇所のウマノスズクサには、
卵や大小様々なサイズの幼虫たちがいっぱいです。
初めて見つけた、1齢幼虫たち♪(6月11日)
この後、数回の脱皮を繰り返して終齢(5齢)幼虫となり、
蛹になってそして羽化して、第二化のジャコウアゲハが羽ばたきます。
この幼虫は、2齢から3齢への脱皮でしょうか♪
(ジャコウアゲハの幼虫は、脱皮しても変化がないから何齢かよく分からない…)
あっ、角を出して怒っている幼虫さん♪
大小2頭が、仲良く並んで角出した♪
こちらには大・中・小と並んだ、仲良し幼虫さんたち♪
こっちは、同時に孵化した兄弟たちでしょうか♪
この幼虫たちは、これから終齢になるのかなぁ♪(本日、6月29日)
第一化がフィナーレを迎えると、やがて世代交代した第二化の始まりです・・・