一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

社団戦最終日(中編)・LPSA星組敗れる

2010-10-27 01:14:18 | 社団戦
1位と2位の直接対決である、優勝決定戦。小便をちびりそうな大舞台だ。こんな経験は、人生でそうそうない。私は前もってトイレに行き、小便をちびってきた。
我がLPSA星組のメンバーは、大将・Wパパ氏、副将・私、3将・Kaz氏、4将・Is氏、5将・Y監督、6将・Wはなちゃん、7将・Har氏である。現有戦力では最善のオーダーだったと思う。
対局開始。私の先手で☗7六歩☖3四歩☗2六歩。ここで☖8四歩なら横歩取りの将棋に誘うつもりだった。しかし後手氏は☖3二金。☗2五歩と伸ばしたいが、☖8八角成と一手損角換わりで来られると思った。その最新定跡はうろ覚えで、指す気がしない。そこで私は☗6六歩と角道を止めたが、これは消極的だった。
後手氏は飛車先の歩を突かず、腰掛銀できた。やがて飛車も6筋に回るのだろうが、こうなると破壊力が抜群で、受けきるのは容易ではない。こんなことなら☗6六歩で☗2五歩と突くのだったかと考えたが、対局中にこんなことを考えるようではダメだ。
私は一手一手慎重に時間を使う。ふだんは早指しだが、本局はヒョイヒョイと指せる将棋ではない。何しろ「5部優勝」という名誉がかかっているのだ。私は雁木に組んで迎え討ったが、しかし自信はなかった。
左のWパパは中飛車で片矢倉に組んでいるが、☖8二金☖9二角と、駒がバラバラだ。どうしてこんなヘンテコな将棋にしてしまったのだろう。
私は銀桂交換の駒得になったが、歩切れなので難しいと思った。数手進んだ局面の一部分を以下に記す。

先手・一公:5五歩、5七銀、5八金、6七銀、6九飛、7四歩、7八金、7九玉、8六角、8七歩、9六歩、9九香 持駒:銀、歩2
後手氏:6三飛、7七歩、8三歩、8四角、9一香、9四歩 持駒:桂2、歩

☖7四歩☗同歩☖7七歩まで。この歩を取ると☖6五桂が厳しいので☗6八金左とよろけた。局後の短い感想戦では、後手氏は☗8八金とこちらに寄られるほうがイヤだったという。たしかに、同じよろけるならこちらのほうがよかった。
本譜は☗6八金左以下、☖7五桂☗同角☖同角☗6六歩☖9五歩☗同歩☖9七角成☗8八銀☖9六馬☗9九香☖7四馬、と進んだ。
☖7五桂に☗6六歩と収めようとしたら、☖8七桂成があることに気づきガク然とした。☖7七歩に☗8八金だったらこの手はなかったのだ。
私は仕方なく☗7五同角と切り☗6六歩と収めたが、☗7五同角では強く☗7六銀と上がるべきだったか。対局時は☖7七歩の垂れ歩と持駒の桂、それに大駒の睨みがこわく、銀を上がる手はほとんど考えなかった。
その後は後手氏も香を捨てて角を成るが、私も現実の香得は大きく、やや面白い展開になったと思った。しかし☖9六馬に☗9九香はちょっともったいなかった。ここは黙って☗9三香成とし、香は別のところで使うべきだった。
その後、私は馬取りに☗7五歩と打ったが、幸便に☖9六馬と切られ(銀を取った)、お手伝いになってしまった。☗7五歩では☗7六歩と控えて打つつもりだったが、先手を取ろうと直接叩いたのがマズかった。
数手進み、☗6七飛☗8八玉、☖7六歩の局面で、☖7七金が痛打。ここで負けを覚悟した。以下☗同飛☖同歩成☗同玉に、すぐ☖7九飛と打たれる手がイヤだったが、本譜は☖3九馬(☗5七の銀取り)ときた。
私は☗6八銀打とし、☖7九飛も同時に消す。しかしここでも☖5七馬☗同銀☖7九飛でほとんど負けだったが、後手氏は☖4九馬。☗6七桂に☖9八飛。なんとなく、後手の攻めが焦り気味のような気がした。私はここで☗9六香を助けるべく☗8八桂と受けたのだが、これが疑問手だった。さりとてほかに指す手もむずかしいが、先に☗8五角を利かすべきだったかもしれない。
では☗8八桂までの局面の駒の配置を以下に記す。

先手・一公:1六歩、1九香、2五歩、3六歩、4六歩、5五歩、5六桂、5七銀、6六歩、6七桂、6八銀、7五歩、7七玉、8七歩、8八桂、9五香、9六香 持駒:角、金、銀、歩4
後手氏:1一香、1四歩、2一桂、2二王、2三歩、3二金、3三銀、3四歩、4二金、4四歩、4九馬、5三歩、6三飛、8三歩、9八飛 持駒:金

ここから☖8九金☗7八金☖8八金☗同金☖8五桂☗7八玉☖9六飛成とされ、次の☖7六香が厳しく(これも7六の空間を開けたバツだ)、ここで私の勝ちがなくなった。
最後は「切れましたよ」と相手に指摘される不始末。秒読みになっているのにまったく気づかず、時間切れ負けになってしまったのだ。昨年の第1日第1局に続いて、またやってしまった。もっともこの局面は完全に私の負けで、投了してもおかしくなかったから、時間切れについては諦めがついた。
それにしても、この大きな一番で、何という不甲斐ない将棋を指してしまったのか。本局は松尾香織女流初段の直筆扇子を用意していたが、それを開くことはなかった。
ほかの選手の状況は、Wはなちゃんは開始から15分ほどで、相手を投了に追い込んでいた。しかしWパパが投了したのも知っていたから、これで1勝2敗である。対局を終え、通路にいたY監督に状況を訊いてみると、「もう終わりました」とのこと。……!?
よく聞いてみると、なんとLPSA星組はすでに4敗してしまい、優勝がなくなったというのだった。
(つづく)
コメント (2)
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