一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の青春18きっぷの旅5・旅に出るまで

2012-01-12 00:43:24 | 旅行記・その他の地域
「冬の青春18きっぷ旅行」後編は、1月7日(土)~9日(月・祝)だ。旅行は、予定を立てているときがいちばん楽しい。時刻表を繰り、脳内で仮想旅行を行い、イメージを膨らませる。これが旅行の醍醐味といっても過言ではない。
今回の旅行では石川県の能登金剛・ヤセの断崖を訪ねてみようと思った。
ヤセの断崖は、松本清張「ゼロの焦点」の舞台にもなった名所で、現在ある2時間サスペンスドラマの、終盤の岩場でのシーンは、ここがルーツだといわれている。2時間ドラマおたくの私としては、一度は訪れておきたいところである。
また石川県の隣は福井県で、道端ジェシカ、アンジェリカの出身地でもある。ふだん彼女らにお世話になっている私としては、合わせて福井も、表敬訪問しておきたいところであった。
ところが2009年5月号の時刻表を繰ると、ヤセの断崖には七尾線羽咋(はくい)駅からバスを乗り継いで行くのだが、バスの便がほとんどない。しかも現在は冬期なので、遊覧船も欠航している。さらに根本的な問題として、鈍行列車を使っての2泊3日の旅では、往復するだけでも無理があることが分かった。
残念ではあるが、ヤセの断崖、福井県ともまたの機会と諦め、ほかをあたることにした。
今年の東北や日本海沿いは、豪雪だという。そこで、やや不謹慎ではあるが、ここ一帯をローカル線で走り、車窓から雪景色を堪能しようと思った。
豪雪地帯を走る路線といえば、只見線と飯山線である。只見線は、福島県の会津若松と新潟県の小出を結ぶ超ローカル線で、一部区間では上下3本しか列車が走らない。
飯山線は長野県豊野と新潟県越後川口を結ぶローカル線で、こちらも降雪量が多い。
今回の旅行は、この2線をメインで考えることにした。
双方の位置関係から考えると、只見線会津若松から南下し、飯山線の豊野をゴールにしたほうがよい。
只見線の列車本数は少ないから、どの列車を利用するかだが、会津若松13時08分発の列車に乗るには、自宅を早い時間に出なければならない。飛行機を利用するんじゃあるまいし、こんな早い時間にあくせく家を出たくない。
そこで必然的に、会津若松5時59分発の一番列車を利用することになる。家での早起きはイヤだが、旅先の早起きは苦にならない?のだ。またこれなら、陽のあるうちに、飯山線も全線走破できる。
すなわち――初日は東北本線のどこかで途中下車し、立ち寄り温泉にでも浸かって会津若松に余裕で着く。その日は早寝して、翌日に備えるのだ。
2日目は只見線と飯山線を堪能する。これで2日間のスケジュールはあらかた決まった。
さて3日目はどうするか。正月にオフクロが、ツアー旅行のチラシを見てつぶやいていたところによると、長野付近のローカル線が、どこか廃止になるという。鉄道マニアとしては廃線前に思い出乗車しておきたいし、実際そんなことをしたこともあるのだが、あれは余命いくばくもない友を見舞うようで、どうも湿っぽくていけない。
私は都内で初詣をせず、いつも旅先で済ませる癖がある。そこで3日目は、新潟県の弥彦神社をお詣りすることにした。そこから上野まで一気に下れば、その日のうちに帰京できる。
これで今回の旅行ルートはあらかた完成した。ちょっと変則的だが、「∞」のようなルートである。
残るは宿の選定である。初日は会津若松で泊まるとして、問題は2日目だ。飯山線豊野から信越本線で日本海側に出ると、そこに直江津という、よく聞く地名の駅がある。2日目はここで泊まろうと思い、ネットでビジネスホテルを探す。
すると、「HOTEL α-1上越」が、手ごろな価格ながら、全室内にパソコンを設置していることが分かった。パソコンはもちろん無料で使える。これはブログを書くのに好都合で、私のためにあるホテルだと思った。
嬉々として1月8日の予約を入れ、会津若松のほうも見る。すると、同じ「α-1グループ」のホテルがあり、やはり室内にパソコンの設置があった。いいぞいいぞと、ここも予約を入れる。
旅行では、宿が決まれば心が落ち着く。あとは7日を待つばかりだが、前述のとおり、時刻表は3年前のものを繰ったので、最新の情報を仕入れる必要がある。このところ私はルーズで、時刻表を持たずに旅行する。先月の九州旅行も、時刻表は携行しなかった。
スマホとパソコンで只見線の一番列車を調べると、それは5時59分で、3年前から変更はなかった。ところがその列車が、会津川口から、代行バスになっている。どうも、昨年この一帯に大雨があったらしく、一部区間の列車が不通になっているようなのだ。しかもこの代行バスが、只見止まりである。
私は只見から先を検索してみるが、どうもはっきりしない。只見→小出で検索すると、只見線は会津若松へ引き返し、新潟へ出た後、上越新幹線と在来線を使って、小出まで達するのだ。
どうしてこんなまわりくどいルートを取るのだ?? 只見から小出なら、只見線を走ればいいじゃないか。
怪訝に思った私は、なおも検索する。
すると、只見-大白川20.8キロは、代行バスも走っていないのだった。
なんで代行バスを走らせないのか!? 大いに不可解だったが、いまではその謎が解ける。
只見線は豪雪地帯を走るので、冬期は並行して走る一部国道が閉鎖される。その間は只見線が唯一の足になるわけで、超ローカル線がいまも生き長らえてこられた理由も、ここにある。つまり列車より先に国道が閉鎖されているのだから、代行バスを走らせようにも、走らせようがないのだ。もちろん大雨による影響が、国道にも出ているのだろう。こんなもの、最新の時刻表を持っていれば、すぐに分かったことである。時刻表を持たない弊害が、ここに出た。
とにかく、それほどの雪が降るから只見線に乗りたかったわけだが、一部区間が不通で引き返さざるを得ないようでは、旅行の行程が根底から崩れる。しかも間の悪いことに、いつもなら行きあたりばったりの旅行なのに、今回に限って、2日分の宿を決めてしまっているのだ。
現在は6日(金)の夜である。いまから宿のキャンセルはできないし、そもそも一度決めた宿は変えない主義である。
どうしようか…。大いに悩んだまま、とりあえず私は布団にもぐりこんだ。
(つづく)
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