一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の青春18きっぷの旅10・その先がない!!

2012-01-17 01:17:28 | 旅行記・その他の地域
9日(月・祝)は、午前7時半ごろに目が覚めた。きょうも朝食は注文していないので、身支度を整えるとそのままチェックアウトした。
地元の人に道を聞いて、直江津駅に向かう。2泊目の宿泊地でも、観光はなしだ。
8時10分の信越本線に乗る。列車に乗る際、「WONDA Morning Shot」を買った。
きょうの目的は飯山線の乗車である。その始発駅である豊野には、定刻を1分遅れの9時39分に着いた。次の飯山線は10時31分発である。待ち時間が1時間もあるので、直江津の出発を遅らせたかったが、ダイヤの関係上、どうしても叶わなかった。
まあよい、豊野で朝食を摂ることにする。
ところが、ここ豊野でも食堂や喫茶店の類がない。かなり遠くまで足を伸ばしたが、コンビニすらない。これはどうなっているのだろう。
東京に住んでいて、得したこと、損したことは多々あるが、確実に云えるのは、東京は「便利」だということである。ハラが減ったら、牛丼屋でもファーストフードでもコンビニでも、いたるところにその手の店がある。電車に乗るにしても、時刻表はいらない。旅に出ると、皮肉な形で、東京での便利さを実感する。
駅の周りを小1時間散歩して、10時31分、ついに今回の旅のメインイベント・飯山線に乗る。2両連結だ。この列車は長野始発なので、すでに乗客がいるが、けっこうな乗車率である。4人掛けと2人掛けのクロスシートだが、全部に人が座っている。仕方なく私は、ロングシートの席に座った。ちょっとおもしろくない。
しかしきょうは快晴で、車窓からの眺めは最高だ。眼下に流れている大河は信濃川か、千曲川か。ただ、反対側の窓まで距離があるので、やや見にくい。
このまま乗れば終点の越後川口まで行くが、そんなに早く飯山線を走破してはおもしろくない。どこかで途中下車したいが、それは戸狩野沢温泉がいいか、十日町がいいか。
もうすぐ戸狩野沢温泉に着くが、いま乗っている列車のうしろ1両が切り離されるという。私の乗っているのは1両目である。11時13分、戸狩野沢温泉に着くと、うしろから乗客がどやどやとやってきた。これはもう、のんびりと列車旅をする雰囲気ではない。私はここで下車することにした。
戸狩野沢温泉はかつて下車した記憶があるのだが、降りてみたら違っていた。どこかの温泉駅と勘違いしていたようだ。
ここから野沢温泉に行こうと思う。温泉には路線バスが通じていて、次のバスは11時25分である。これは前もって調べておいた。
ここで財布の中身を見ると、壱万円札1枚、五千円札1枚、100円玉1枚、50円玉3枚、10円玉4枚、5円玉2枚、1円玉7枚。バス料金は300円である。これは運転手さんに、5円玉も受け取ってもらうよりなくなった。朝に缶コーヒーなんか買うんじゃなかった…。
バスは山を登っていく。定刻を5分遅れの11時45分、野沢温泉着。温泉センターに入り、周辺マップをもらい、温泉のありかを聞く。しかしまずはブランチである。
しかしこの温泉街では、期待できる食堂がない。ラーメンの類を出している店はあるのだが、観光客狙いで、好んで入りたいとは思わない。
では温泉を先にしようとブラつくと、「千と千尋の神隠し」に出てきそうな共同温泉が目に入った。入口の前に「賽銭箱」なるものがある。男湯の戸を開けてみると、すぐ前は湯船と洗い場で、びっくりした。
説明書きを改めて読むと、野沢温泉にある温泉場は、地元の人がおカネを出して造ったもので、利用者はいくばくかのおカネを出して、湯を浴びるシステムらしかった。福島県の飯坂温泉に似たところがあったが、あそこは入浴料金が決められていた。ここは任意の金額ということらしい。
しかし私の手もとには、壱万円札と五千円札がそれぞれ1枚、あとは1円玉が7枚あるだけだ。7円で入浴するわけにはいかないし、さりとて5,000円を出すわけにはいかない。それより何より、せっかく温泉場に来たのだから、もっとゆったりと入りたい。
それで温泉街をブラブラしたが、立ち寄り湯をやっている宿泊施設は意外に少ない。先ほどと同じような共同温泉はいくつもあるのに…。
ホテルの立ち寄り湯をひとつ見つけたが、入浴料は1,050円だった。これはちょっと高いと思う。
うああ、メシだ、メシ。まずはメシだといろいろ探すが、帯に短し、タスキに長しで、適当な店がない。温泉の近くにスキー場でもあるのか、スキー板をかついで歩いている観光客がけっこういる。私もスキーは一度だけしたことがあるが、いま思えば、あれはけっこうなターニングポイントだった。当時は「角館の美女」と「下北半島の美女」しか頭になかったが、目の前に「埼玉の超ウルトラ美女」がいながら、私は彼女にほとんど関心がなかった。
私が、「オレ、キミと結婚したらうまくいくと思う」と言ったらマジメな顔で同意してくれたのに、私はそれを本気にしなかった。バカだったと思う。
――私はけっきょく、居酒屋風の食堂に入って、ラーメンを注文した。
値段は650円と、私の中のラーメン限度額は越えていたのだが、出されたそれは「昭和の中華ソバ」という感じで、そこそこ美味かった。
とりあえず空腹は解消されたが、温泉はどうするか。このまま野沢温泉にこだわってもいいが、そろそろ先を急ぎたい。
13時05分のバスで、駅に戻る。野沢温泉へはラーメンを食べに行っただけで終わってしまったが、なかなか味のある温泉街だった。
駅からは、13時40分の越後川口行きが接続していた。しかし駅構内に人が多い。これが全員川口方面に行くのかと思うと気が滅入ったが、同時刻に長野行きも出ていた。
何も同時刻にダイヤを組むことはないと思う。行き先を間違えて乗る場合があるからだ。
数年前、網走駅で、やはり同時刻に出発する上りと下りの列車があり、それを知らなかった私は、改札を抜けて目の前にある列車に乗ったのだが、それが方向違いで、1日の予定がパーになったことがある。
今回は上りも下りも、ここが始発だった。だが、越後川口行きには、いまのところ私しか乗っていない。しかし反対の長野行きは、座席がほぼ埋まっている。
これは極端すぎないかと前方を見ると、行き先掲示板が「森宮之原」を示していた。これは越後川口よりも十日町よりも手前の駅である。
私は怪訝に思い、車掌さんに質す。
「この列車は、越後川口行きじゃないんですか?」
「きのうの吹雪で、森宮之原と十日町の間が不通になっていまして…。この列車は、森宮之原で運転打ち切りとなります」
「はああ!? い、いや、その先の代行バスはあるんですよね」
「ありません」
「ない!」
思いもよらぬ展開に、私は呆然となった。
(つづく)
コメント (2)
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