一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十七たび大野教室に行く(前編)・植山悦行、ボヤく

2012-01-29 03:28:06 | 大野教室
22日(日)は、前日からの雨も上がり、私はまたも「大野教室」に行った。きょう(22日)は午後1時35分ごろお邪魔した。
部屋に入ると、W氏、His氏、Fuj氏、Akiちゃん、Hanaちゃん、さらに少年3人がおり、大入り満員だった。この奥の部屋にもヒトがいるはずだ。W氏に促され奥に向かうと、植山悦行七段、Hon氏、Sai氏、さらにKokoroちゃん、Minamiちゃんもいた。生徒は私も含め大人6人、子供7人。これはたいへんな数字である。
昨年秋の大野食事会で、増える生徒を前に、何か対策が必要だと真剣に話し合ったことがあったが、これはその危惧が現実のものになりつつある。
大野八一雄七段に早速詰将棋のプリントをもらったあと、植山七段に新年の挨拶をし、きょうは植山七段から指導対局をお願いする。Hon氏の左に座り、Hon氏にも新年の挨拶をして、角落ちで対局開始。
きのうは腰が入った将棋が指せず、3局ともボロ負けだったので、本局は負けても丁寧に指すことを心掛けた。
相居飛車の出だしで、植山七段に中央を厚くされ作戦負けに陥るが、私は耐える。端に角を出て、△9五歩▲同歩△同香▲9六歩△同香▲7五角(と金を取る)△同飛▲9六香と進行したが、この取り引きは二枚換えでも、下手が悪かった。
部屋の端では、Minamiちゃんが学校の自習をしている。Minamiちゃんは天真爛漫で、学校の勉強というせせこましいことは似合わないのだが、若いうちはちょっと勉強を頑張ってみるのも悪くはないと思う。
Kokoroちゃんは本を読んでいるが、どこか所在なげだ。こうした場では女子を退屈させたくないが、私がちょっかいを出すとアブナイ光景になるので、何も言えない。
△8六歩▲9九香△9七歩▲8六歩△7四角。これは▲4七銀と▲9六香の両取りで厳しいが、私は▲3七飛と浮いて銀を守る。
△9六角▲9七香△6三角▲6四金。苦しいが、この金が打てて持ち直したと思った。
△4一角▲7四歩△同角▲同金△同飛▲7五歩△同飛。私は角を取り返して、▲7五歩とひとつ呼んでおく。そして次の手が小味な一手だった。
▲2二歩。これを△同玉なら4二の金が浮くので、▲6四角の飛車金両取りで下手勝ち。よって植山七段は△7七香から暴れてきたが、私は丁寧に受けたあと、▲2一歩成~▲3一角。ここで植山七段の投了となった。
すかさず植山七段がボヤく。
「これはこっちが良かったでしょう。二枚換えでも角が入ったもんね。やっぱり(私が)攻めると駄目なんだな。だって大沢さん投げないんだもん。いつもなら『こんな将棋やってられるか』って投了するでしょう? なんでボクのときは粘るかなあ。
△9七歩が悪かったな。いや△7四角で△2七角がいいのは分かってたんですよ。▲3九飛に△5四角成は馬が厚いもんね。△7四角と打ったけど飛車浮かれてねえ。香は取ったけど、▲9七香に△6三角はこれ、馬じゃなくて角だもんねえ。あまり得してないよねえ。
だから私攻めたくないんですよ。いや大沢さん投げないんだもんなあ」
下手が投げないからって上手がボヤくとはアベコベだが、そこが植山七段の「味」である。
ともあれ新年の初勝利が植山七段からとはめでたい。とてもうれしかった。
ここで3時休みに入る。と、Kun氏が見えた。これで役者が揃った感じである。この時間からでは3,500円の「費用対効果」が薄いが、遅い時間に来れば来るほど、教室への熱意があるという証左でもある。
室内に備えられているパソコンで、きょう午前10時から行われた、天河戦・蛸島彰子女流五段対鎌村ちひろ女子アマ王位の結果を確認する。蛸島女流五段の快勝だった。
蛸島女流五段の将棋は安定している。不断の努力が実を結んでいる感じだ。腕に歳は取らせない、というところだろう。
続いて現在対局中の里見香奈女流名人対清水市代女流六段の女流名人位戦第2局を見る。▲5五香まで。どちらが勝っているか分からない、難解な局面だ。
頭が混乱したので、詰将棋に目を落とす。しかし相変わらず分からない。まだ私の頭は本調子ではない。
3時休みが終わり、続いて大野七段と角落ち戦。植山七段との角落ち戦は5勝11敗なのに、大野七段とはここまで4勝27敗。飛車落ちに変えてもらいたいところだが、それでは植山七段の立場がなくなってしまう。
本局は矢倉を目指した。しかし入城をする前に、大野七段に△5五歩▲同歩△5二飛と、中央から動かれた。私は▲5八飛と対抗するが、玉が6九なので、チャンバラはしたくないところだ。▲3五に角がいるので、△5五飛と決戦に来られたらイヤだったが、大野七段は△5五銀。私は▲5六歩と収めてホッとした。
数手後、△5五歩▲6五歩△同銀▲5五歩と進む。さらに△3四銀▲4六角に、大野七段は歩損を覚悟の銀交換から、ガッチャンと△4五銀打。▲同銀△同銀▲6八角に△5六銀打。なんだか上手だけが指し手を進めた感じで、瞬く間に攻め潰された。上手の剛力、恐るべし。
感想戦では、△3四銀に▲4六角と引いたのが悪手とされた。私は▲5五の歩にヒモをつけるのと、2八へ引く手を見て4六に引いたのだが、却ってアタリがキツくなった。このあたりはちょっと考えれば6八に引きそうなものだが、どうも読みが甘い。
これで大野七段には4勝28敗。勝率.125は目を覆いたくなる惨状だ。
続いてHis氏と一局。先日の大野教室新年会にも参加したHis氏、今年も精力的に活動している。
私の先手で▲7六歩に△3二飛。研究家のHis氏、相変わらず将棋が若い。
▲2六歩△4二銀▲2五歩△3四歩に、私は気合で▲2四歩。△同歩▲同飛△8八角成▲同銀△3三角▲2八飛△2六歩▲7七桂…と進む。
中盤になり、飛車交換から私が先に香得して指し易くなったと思ったが、▲2一飛▲4九金▲5七歩▲6八玉、△2六銀△3三桂△4六角……の局面で、△4五桂ハネに▲5八香と受けたのがだらしのない一手だった。すかさず△3七銀成と切り込まれ、数手後、私は戦意喪失で投了した。
▲5八香では▲4八金と立つか、強く▲2六飛成とするのだった。
続いて初めて見る美少年との対局。少年の先手で、彼の角交換振り飛車となった。私は△3二玉△3三桂△4三金△5二金△5三銀の変則的な構え。
▲6八銀▲7七歩▲8六歩▲8八飛▲8九桂、△6九角△7五銀△7八歩……の局面で、少年が▲7六歩△同銀▲7七歩と銀を殺したが、私の△8七銀成が妙手。▲同飛△7九歩成▲8八飛△8九と▲同飛△7八角成▲5六角△6八馬で後手優勢となった。
しかし▲3五歩△同歩▲3四歩△3六桂▲同銀△同歩に▲3五桂の打ち返しが厳しかった。以下は少年の猛追に逆転負けした。
戻って、▲3五歩には△5五歩と突き、角の動向を聞くのだった。少年は▲8八飛と浮く、と言ったが、それはこちらが勝つ。▲6五角と出た方がむずかしいが、いずれにしても、ここは△5五歩の一手だった。
続いてはAkiちゃんとの一戦である。2012年・女子との初対局、これは負けるわけにはいかない。
Akiちゃんの先手で▲7六歩。△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩。ここでAkiちゃんの次の一手が意外だった。
(つづく)
コメント (2)
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