一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十六たび大野教室に行く(後編)・今年もよろしくお願いします

2012-01-27 00:05:02 | 大野教室
大野八一雄七段は、まだむずかしいでしょう、と言ってくれたが、こちらの指し手はマイナスの手しか残っていない。これ以上指してもストレスがたまって、また頭の毛が抜けるだけだ。ここら辺が投げ時である。
感想戦では、▲5六歩のところで▲7九角とするのがいい、と自ら主張した。上手は金が動けないから△5二飛とでもするのだろうが、そこで▲3五角と覗けば、上手は次の角成りが受けづらい。当然、こう指すのだった。
ここでいつもなら一般対局に移るのだが、きょうは生徒が少ないので、再び大野七段に教えを乞う。
この将棋も、上手が5筋で歩交換をしてくる。前局の例があるから、今度は私も角を引いたのだが、これが似て非なる局面で、今度はうまくいかなかった。
私は角金交換から徐々に駒損を重ね、最後は手堅く受けられて投了した。初戦で負けるとそのショックを引きずり、2局目は無残な結果に終わる、というのはいつものパターンだが、今回はそれが顕著に出てしまった。
ここで午後4時50分。もう上がってもいいのだが、大野七段が、もう1局行きましょう、と誘ってくださる。
畏れ多いのでいったんは断ったのだが、ここはお言葉に甘えるのがスジである。やっぱりお願いします、と私は盤の前に座った。
言うまでもないが、これでも指導料金は変わらない。だからといって「おかわり料金」が発生しても困るのだが、申し訳ない気持ちではある。
ところがこの3局目が、前2局に輪をかけてヒドイ将棋で、大野七段の猛烈な攻めに、私は手損を重ねて撤退する一方。最後は6筋からの攻めが受からなくなり、私は投了を余儀なくされた。
手数は40手ぐらいではなかったか。もう終わったの? とW氏は呆れたが、返す言葉がない。
感想戦では、私が▲3五歩と位を取ったのに、上手の△8五歩に▲7七銀としたのが欲張りすぎで、ここは飛車先の歩の交換を甘受し、角筋を通したまま戦うのがよかった、と指摘された。
それと私の反省点としては、3局とも6五の位を取られて指しにくくしたこと。大野七段は否定したが、下手の感覚からすると、△6四歩には▲6六歩としたほうが無難な気がした。
それより何より、私の将棋が予想以上にひどくなっていることに愕然とした。この1ヶ月間旅行三昧で、ほとんど将棋に触れなかった。それがマズかったのだろうか。
また「将棋世界」などの専門誌を読まなくなって数ヶ月が経つが、そのツケもじんわり出てきた気もする。将棋に熱が入っていたころは、つねに手許に将棋世界を置き、中をパラパラと捲っていた。とくに手を読まなくても、プロの将棋を目にしていることで、無意識にイメージトレーニングをしていたのだ。いまはそれがまったくない。
今後も大野教室にお邪魔するのだったら、恥ずかしくない手を指さないために、将棋の勉強を再開せねばならない。どうしようか。
今度こそここで上がってもいいのだが、大野七段にお願いして、前期竜王戦6組の伊藤真吾四段戦、加藤一二三九段戦の自戦解説をお願いする。もちろん「将棋ペン倶楽部」原稿執筆のためである。
初手から、本人の心境を中心に話を聞く。一手一手の指し手の意味を拝聴すると、それらすべてが面白く、これはいい原稿が書けそうな気がした。

結局きょうの生徒は、大人3人、少年2人+kokoroちゃん、Minamiちゃんだった。食事会は大野七段、W氏、Fuj氏、Kokoroちゃん、Minamiちゃん、私の参加。Wカーにギュウギュウ詰めになり、ガストへ向かった。
席の配置は以下のとおり。

     壁
W Kokoro Minami

大野 一公 Fuj

目の前に女子高生がいると緊張してしまう。それを悟られてはバカにされるので、平静を装う。
食事を終えると、W氏が彼女らを家まで送って行った。もちろんW氏は戻ってくる。ここから本格的に大人の会話となる。
「あのう、次の王将戦、やるんでしょうか。もうタイトル戦は始まってますよ。もう、次期の予選が始まってなきゃおかしいですよね」
と私。これは大野七段も答えにくかったようだ。
いろいろ雑談をして、11時半にお開き。川口駅からはFuj氏といっしょだ。
「きょうの大沢さん、話にツヤがありましたよ。まだショックは残っているでしょうけど、去年の秋から比べたら、かなり戻ってきてます」
とFuj氏が言った。自覚はないが、私の話にツヤが出てきたのなら、それはいいことだ。
昨年夏に私がつらかったとき、大野教室は心の拠り所だった。この教室があったから、私は精神に破綻をきたさずに済んだのだ。
体調が恢復したのも、大野教室のおかげといえる。だから私は、大野七段に頭が上がらないのだ。それにしては新年一発目にいきなり休むという不義理をしてしまったが、心はいつも大野教室にある。本年もよろしくお願いいたします。
コメント (2)
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