一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

宏美・咲緒里・奈穂・いづみのトークショー(第4幕)・楽しかった

2012-10-30 01:05:54 | LPSAイベント
15分の休憩後、中倉宏美女流二段、島井咲緒里女流二段、万波奈穂二段(囲碁)、涼崎いづみプロ(麻雀)が再登場した。
第2部は「プライベート編」。第1部にもまして赤裸々な話が語られることになるが、島井ちゃんからダンナとの馴れ初めを聞いたって不愉快だし、ほかの女流プロから、男性遍歴を聞いても詮無い。4女流プロのシンからのファンは、聞かない方がいいかもしれない。
第2部が始まった。テーマは「オフの日の過ごし方は?」など。しかし前述のとおり、ここでのトーク内容はネットへの掲載禁止なので、その模様は省略する。午後9時43分にトークは終了、全編大爆笑だった。
第3部は、「奈穂二段VSいづみプロの、どうぶつしょうぎ対決」。トークショーもいいが、やはり実戦がいい。舞台にあるテーブルの上に投影機を載せ、その上にしょうぎ盤を拡げる。それがバック(つまり前方)のスクリーンに映る仕掛けだ。
ふたりは事前に2局指し、1勝1敗だったという。これが決戦だ。解説は宏美、咲緒里の両女流二段が務める。
奈穂二段の先手で、対局開始。■1三キリン□2三ひよこ■同キリン…という出だしとなった。いままで快活なトークを展開していた4人だが、対局者は一転して、真剣な表情である。そしてそれは、トークのときより数倍も魅力的だった。
私は意味のないコーヒーを頼む。Fuj氏はフライドポテトをオーダーしていた。フライドポテトはFuj氏の大好物だ。Tag氏は相変わらずのピッチでロックを頼んでいる。ここの会計は個別だからいくら飲もうと構わないが、今後彼と割り勘で飲むのは遠慮したいところである。
局面。いづみプロが疑問手を指したが、奈穂二段が咎め切れず、いづみプロが優位に立った。
以下、駒を捌き合った結果は、いづみプロが勝勢。
では、その終盤の局面を記そう。

先手・奈穂二段:1三ライオン、3四ひよこ 持駒:キリン、ゾウ
後手・いづみプロ:3二ライオン 持駒:キリン、ゾウ、ひよこ
(■1三同ライオンまで)

以下の指し手。□2二キリン■3三ゾウ□1二ひよこ■1四ライオン□2三ゾウ■2四ライオン□1三ひよこ■同ライオン□3四ゾウ■2二ゾウ□2三ひよこ■3一キリン まで、奈穂二段の勝ち。

いづみプロが□2二にキリンを打ったが、緩手。ここは□2二ゾウ■1四ライオン□1三ひよこ■2四ライオン□2三キリンまで、5手詰だった。
本譜□1二ひよこ■1四ライオンに、□2三ゾウも緩手。ここは□2三キリンとじっと入るのが好手で、次の□1三ひよこが受けづらかった。
ふたりは囲碁と麻雀のスペシャリストだから将棋勘もいいのだろうと推察したがそれは誤りで、私たちから見れば当然の一手のところで熟考する。
反対に私たちは、水を得た魚のように、変化をボソボソ語り合っている。
■2四ライオンに□1三ひよこと突いた手が痛恨の悪手。■同ライオンで、形勢がひっくり返った。これで駒数は5対3。どうぶつしょうぎは、駒損をしてはまず勝てない。以下□3四ゾウに■2二ゾウとキリンを取って、たちまち先手勝勢となった。
□1三ひよこでは、□2一キリンと引く手が妙手だった。これで先手は次に指す手がない。無理に指すなら■1四キリンだが、□同ゾウ■同ライオン□1三キリン■2四ライオン□2三キリン■1四ライオン□1三ひよこまで、詰む。
いづみプロ、形作りの□2三ひよこだが、奈穂二段は■3一キリンと後手ライオンを即詰みに討ち取り、うれしい勝利となった。
これで全3部は終了。さてこのあとは懇親会である。私たちの席に、4人が挨拶に来てくれるらしい。宏美女流二段や咲緒里女流二段といまさら懇親会もないので一足先に帰ろうかと思ったが、奈穂二段に挨拶できるなら、もうちょっと店にいたいところである。
しばらく待っていると、背後に奈穂二段が現われた。
私は心臓が止まるかと思ったが、意を決して話しかける。
「石垣島に行くんですか?」
奈穂二段がはっきりしなかったので、私はさらに畳みかける。「ボク20回ぐらい石垣島に行ってるんですよ。あそこは離島に行くのがいいです」
しかし奈穂二段は、あまり関心がないみたいだった。
しまった…と思う。ここは自分のことをしゃべるより、奈穂二段に何か質問をしなければならなかったのだ。私は気を取り直して続ける。
「あの…フジテレビの本田朋子アナに似ているって言われたことありませんか」
「…ありません」
何なのこの怪しい男、という感じで、奈穂二段が散文的に答える。こりゃダメだ。私はすっかり消沈してしまい、以後の会話に加わることはなかった。
続いて咲緒里女流二段が私たちのテーブルに来る。
「大沢さん! 久しぶり!」
ストレートに言われて、私は恐縮するしかない。先ほどまで私の右に座っていた青年が席を移したので、そこに咲緒里女流二段が座った。
咲緒里女流二段、間近で見ると一段とかわいらしい。また芝浦サロンに行きます、と社交辞令を述べておいた。
続いて宏美女流二段も姿を見せる。ひとり残らず挨拶するようだ。
宏美女流二段も、私の右に座った。宏美女流二段とは何度も盤を挟んでいるが、隣同士…ここまで接近したのは初めてではなかろうか。
「先生、私は宏美先生が負けたとき、なんて慰めればいいんです?」
私は緊張して、意味のない質問をする。
「……」
「だってほら、先生負けるほうが多いでしょ?」
「……」
いかん、また失言をしてしまった。どうして私は、心にもないことをズケズケ言ってしまうのだろう。
それはとにかく、宏美女流二段の顔のちっちゃいこと! 顔色もツヤツヤしていて、毎日が充実しているのだなと思った。
最後にいづみプロが訪れる。これにはFuj氏が歓喜した。
「大沢さん、この人が青葉の伊達娘ですヨ! この前のモンド杯、テレビで観ました。オーラスで役満でツモったのには感動しました」
「ありがとうございますぅ!」
そう言うといづみプロは、名刺をFuj氏に差し出した。なるほど、こういうところで麻雀好きの特典が付くのか。
Fuj氏、会場に入ってきたときは、大学を卒業してから20年間麻雀三昧で、その時間を将棋に充てていたらいまごろは…などと嘆いていたが、麻雀に狂っていたお陰で、いづみプロの名刺をゲットすることができたのだ。麻雀さまさまであろう。
これですべてのプログラムが終了。全編笑いっぱなしの、濃密な3時間だった。
入場者は、事前予約80人が完売。当日分の20席も売り切れ、計100人の入場者があったという。ただ出演の4人は、「初回だから、みんなご祝儀で来てくれたのかも」と冷静な分析をしていた。
たしかにそうで、もし第2回目があっても、私が次も出席するかどうかは、微妙なところである。しかしプロデュサー・咲緒里女流二段は、すでに次回の構想が出来上がっているようだ。私の出欠はともかく、次回も大いに期待できる。
最後になったが、女流プロの4人には、改めて感謝の言葉を述べたい。ありがとうございました。
コメント (6)
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