6日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。
午後1時10分すぎに家を出ると、表はすごい熱である。家へ戻ってクーラーにあたりながらグダーッとしようか、の誘惑にかられるが、初志を貫徹して、そのまま教室に向かった。
教室には1時45分ごろ入る。中では講師の大野八一雄七段が、4面指しを行っていた。
奥の和室では、特別講師の植山悦行七段が、見覚えのある子供に指導対局を行っていた。
植山七段は先月28日の竜王戦6組・昇級者決定戦で石川陽生(あきお)七段に屈し、33年の現役生活にピリオドを打った。本人はせめてあと数年、現役を続けたかったろうが、そうできないのが勝負の世界である。しかしそういう世界に身を置けた植山七段を、うらやましくも思うのである。
きょうはW氏とFuj氏の姿が見えないが、珍しいこともあるものだ。もっともW氏は、きょうは休みの連絡が入っていた。
きょうは植山七段から教えていただく。先ほどの子供は、「わらび将棋教室」の生徒だった。わらび将棋教室から大野教室へ。大野教室からわらび将棋教室へ。こうやって将棋教室の輪が拡がるのは、素晴らしいことだと思う。
「先生、現役生活、お疲れさまでした」
私は神妙に言う。
「ただのおっちゃんになっちゃいました…」
「……」
さて駒を並べたが、並べるのが遅い私のほうに飛車角がない。植山七段はそのまま指そうとするがとんでもない話で、植山七段に角を落としていただき、対局開始となった。
△6二銀▲7六歩△6四歩▲5六歩△6三銀▲5五歩。
「大上段に構えてきたな…」
と植山七段。私はふつうに指したつもりだが、こうして植山七段が怒って?本気を出してくれれば、それこそ本望である。
私は▲5六銀~▲4八飛。捨て置けば▲4五歩で上手が潰れるから△4二飛だが、この取引は下手が得をした。
△5四歩▲同歩△同銀▲5五歩に、上手は△同銀! ▲同銀に△5四歩と、銀を取り返しに来た。部分的にはときどき生じる手筋であるが、いかにも強引な動きで、そのまま指せば下手が有利に運べると思った。
私は▲4五歩と飛車取りに突きだす。上手の応手は△5四飛、△4一飛、△2四飛の3つだが、△4一飛と指しかけた植山七段は、「これじゃあ元気が出ないなァ…」と、△2四飛と指した。
私はさらに▲4四歩と伸ばす。これに△4二歩なら▲2五銀と飛車を殺して下手勝ちなので、植山七段は勢い△2六飛。以下▲4三歩成△2九飛成▲5二とと金を取って、これは下手が一本取った形となった。してみると△2四飛では、△5四飛だったようだ。
Fuj氏が来た。私の右に入り、角落ちで教えを請うている。このあとSat氏やNa氏も入り、下手はけっこう重量級のメンバーとなった。いやはや、教えるほうも大変である。
局面。お互い竜を作り、私は成銀とと金でヒタヒタ迫る。そこで植山七段が突然の投了となった。
「エッ!?」と私が驚き、二言三言感想戦を行ったが、さすがに投了が早いと思ったのか、植山七段は投了局面から数手進める。しかし「やっぱりダメですね」と改めての投了となった。
植山七段はちょっとお疲れのようだったが、勝たせていただければ、やっぱりうれしかった。
2局目は大野七段に教えていただく。もちろん角落ちである。
相居飛車で、△6二飛に私は▲6七銀と上がった。ここは▲7七銀もあるところで、どちらを選ぶか毎回迷う。
玄関に声がして、Is氏が入室してきた。私の右に入り、飛車落ちで教えを請う。
私は▲2五桂と跳ねる。△2四歩▲3三桂成△同銀と桂を交換し、その▲8三桂と打った。筋悪なのは重々承知しているが、どうしてもこういう手が指したくなってしまう。
以下△9二飛▲9一桂成△同飛▲8三香△9二飛▲8一香成で成香得になったが、あまりでかしていない。しかもこののち、この成香をボロッと取られ、一遍に形勢を損ねた。
では中盤の局面を記す。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1三歩、2一飛、2四歩、3二玉、3三銀、3四歩、4二銀、4三金、4四歩、5三桂、5四歩、6三桂、6四歩、7二金、7四歩、8四歩 持駒:香
下手・一公:1七歩、1九香、2六歩、2八飛、3六歩、4六歩、4七銀、4八金、5六歩、5七桂、6六歩、6七銀、7六歩、7七角、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9二歩、9三と、9九香 持駒:なし
△6三桂と据えられた局面。私の読みは▲5八銀右。以下△5五歩▲同歩△同桂▲5六銀。しかし△5四歩のあと、△7五歩の突き出しが気になった。
Hon氏が来た。土曜日のHon氏は食事会に出ないので、教室での滞在時間は短い。それでも出席するとは、よほど将棋が好きなのだろう。
ここで3時休憩となった。
(つづく)
午後1時10分すぎに家を出ると、表はすごい熱である。家へ戻ってクーラーにあたりながらグダーッとしようか、の誘惑にかられるが、初志を貫徹して、そのまま教室に向かった。
教室には1時45分ごろ入る。中では講師の大野八一雄七段が、4面指しを行っていた。
奥の和室では、特別講師の植山悦行七段が、見覚えのある子供に指導対局を行っていた。
植山七段は先月28日の竜王戦6組・昇級者決定戦で石川陽生(あきお)七段に屈し、33年の現役生活にピリオドを打った。本人はせめてあと数年、現役を続けたかったろうが、そうできないのが勝負の世界である。しかしそういう世界に身を置けた植山七段を、うらやましくも思うのである。
きょうはW氏とFuj氏の姿が見えないが、珍しいこともあるものだ。もっともW氏は、きょうは休みの連絡が入っていた。
きょうは植山七段から教えていただく。先ほどの子供は、「わらび将棋教室」の生徒だった。わらび将棋教室から大野教室へ。大野教室からわらび将棋教室へ。こうやって将棋教室の輪が拡がるのは、素晴らしいことだと思う。
「先生、現役生活、お疲れさまでした」
私は神妙に言う。
「ただのおっちゃんになっちゃいました…」
「……」
さて駒を並べたが、並べるのが遅い私のほうに飛車角がない。植山七段はそのまま指そうとするがとんでもない話で、植山七段に角を落としていただき、対局開始となった。
△6二銀▲7六歩△6四歩▲5六歩△6三銀▲5五歩。
「大上段に構えてきたな…」
と植山七段。私はふつうに指したつもりだが、こうして植山七段が怒って?本気を出してくれれば、それこそ本望である。
私は▲5六銀~▲4八飛。捨て置けば▲4五歩で上手が潰れるから△4二飛だが、この取引は下手が得をした。
△5四歩▲同歩△同銀▲5五歩に、上手は△同銀! ▲同銀に△5四歩と、銀を取り返しに来た。部分的にはときどき生じる手筋であるが、いかにも強引な動きで、そのまま指せば下手が有利に運べると思った。
私は▲4五歩と飛車取りに突きだす。上手の応手は△5四飛、△4一飛、△2四飛の3つだが、△4一飛と指しかけた植山七段は、「これじゃあ元気が出ないなァ…」と、△2四飛と指した。
私はさらに▲4四歩と伸ばす。これに△4二歩なら▲2五銀と飛車を殺して下手勝ちなので、植山七段は勢い△2六飛。以下▲4三歩成△2九飛成▲5二とと金を取って、これは下手が一本取った形となった。してみると△2四飛では、△5四飛だったようだ。
Fuj氏が来た。私の右に入り、角落ちで教えを請うている。このあとSat氏やNa氏も入り、下手はけっこう重量級のメンバーとなった。いやはや、教えるほうも大変である。
局面。お互い竜を作り、私は成銀とと金でヒタヒタ迫る。そこで植山七段が突然の投了となった。
「エッ!?」と私が驚き、二言三言感想戦を行ったが、さすがに投了が早いと思ったのか、植山七段は投了局面から数手進める。しかし「やっぱりダメですね」と改めての投了となった。
植山七段はちょっとお疲れのようだったが、勝たせていただければ、やっぱりうれしかった。
2局目は大野七段に教えていただく。もちろん角落ちである。
相居飛車で、△6二飛に私は▲6七銀と上がった。ここは▲7七銀もあるところで、どちらを選ぶか毎回迷う。
玄関に声がして、Is氏が入室してきた。私の右に入り、飛車落ちで教えを請う。
私は▲2五桂と跳ねる。△2四歩▲3三桂成△同銀と桂を交換し、その▲8三桂と打った。筋悪なのは重々承知しているが、どうしてもこういう手が指したくなってしまう。
以下△9二飛▲9一桂成△同飛▲8三香△9二飛▲8一香成で成香得になったが、あまりでかしていない。しかもこののち、この成香をボロッと取られ、一遍に形勢を損ねた。
では中盤の局面を記す。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1三歩、2一飛、2四歩、3二玉、3三銀、3四歩、4二銀、4三金、4四歩、5三桂、5四歩、6三桂、6四歩、7二金、7四歩、8四歩 持駒:香
下手・一公:1七歩、1九香、2六歩、2八飛、3六歩、4六歩、4七銀、4八金、5六歩、5七桂、6六歩、6七銀、7六歩、7七角、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9二歩、9三と、9九香 持駒:なし
△6三桂と据えられた局面。私の読みは▲5八銀右。以下△5五歩▲同歩△同桂▲5六銀。しかし△5四歩のあと、△7五歩の突き出しが気になった。
Hon氏が来た。土曜日のHon氏は食事会に出ないので、教室での滞在時間は短い。それでも出席するとは、よほど将棋が好きなのだろう。
ここで3時休憩となった。
(つづく)