一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

九州旅行15・日豊本線の普通列車

2013-07-02 00:06:06 | 旅行記・G.W.編
由布院からは、16時06分発の大分行きに乗る。その13分前に出た博多行き特急「ゆふいんの森」号が満席だったのであるいはと思ったが、大分行きも乗客が多かった。
ディーゼル車に立ったまま揺られ、17時02分、大分着。そのまま佐伯(さいき)行きの列車に乗り換えてもいいのだが、大分駅舎を鑑賞しようと、私は改札を抜けた。
と、コンコースから「カラン、カラン」という鐘の音が聞こえてきた。見ると、真っ赤な車体のミニトレインが走っている。大分駅が見違えるほど立派になったのに驚いたが、この列車?にも驚いた。
鐘の音の主は先導役の女性車掌さん。手にぶら下げていたのだ。ミニトレインにはしっかり乗客もいた。列車はフロアに描かれた8の字型のレールに合わせてゆっくり走る。なんとものどかな光景だ。
私は呆気に取られるが、コンコースを行き交う人々は、さして関心がないふうだ。とすると、これは地元で名の知れた乗り物なのか。
そう思う間に、ミニトレインは「運行」を終えた。私は「車掌」さんに聞いてみる。と、大分駅は最近高架になり、これはそれに伴い登場したミニトレインとのことだった。名前を「ぶんぶん号」といい、土・休日に運行されるという。
ただ、乗車料金の200円はともかく、いいおっさんが「ぶんぶん号」に乗るわけにはいかないから、私は見て楽しむということになろう。いや、なかなか楽しい企画だと思った。
17時19分発の佐伯行きに乗る。今度は余裕で座れた。日豊本線は九州を代表する幹線だが、そこを普通列車で通過すると、ローカル線の味わいとなる。
佐伯着18時40分。次の接続は19時33分発の南延岡行きである(いま思えば、16時47分由布院発の列車に乗っても、この列車を利用できたのだが、時刻表を読みこまなかった私が悪い)。この区間の特急列車は下りが13本走っているが、普通列車は3本しかない(ほかに区間運行が1本ある)。具体的に書くと、6時20分の次は、いきなり17時14分なのだ! そして私が乗るべき19時33分のそれは、最終3本目にあたった。そんな貴重な普通列車である。私は北海道・札沼線の末端区間に乗るときのような高揚感を覚えた。
それはともかく、夕食である。駅から少し歩いたところに、大きなうどん屋があったので、入ってみる。これが地方都市によくある、セルフ式のうどん屋だった。月見うどんならぬ、たまごうどん(290円)というのがあったので、おにぎりとともに頼む。「(店員が)初心者なので、ソフトクリームは150円のところ100円です」の貼り紙がある。ちょっと頼んでみたいが、いつ食べればいいのだ。
広い店内には私ひとり。これで経営のほうは大丈夫かといらぬ心配をしたが、あとから数組客が入ってきて、安心した。
たまごうどんが上がったようだ。カウンターに取りに行き、テーブルに戻って、食べる。たまごはしっかり調理されていて、温泉たまご風だ。うどんものどごしがよく、美味かった。
このまま駅に戻ってもいいのだが、まだ時間があるので、対面にあったスーパーに入る。菓子パンで60円というのがあり、これを2種類買う。和風弁当は298円。何という安さだ。これも買う。ペットボトルは、500mlで69円というのがあった。しかしもっと安いモノがありそうである。
いろいろ見て回ったら、350ml缶のお茶が29円で売られていた! これだ、私が求めていたものは! 喜んでこれも買う。
店を出て、このお茶を空のペットボトルに移し替える。これで外見は150円のお茶だ。
19時33分の普通列車は、いままで見たことのないデザインだった。内装が斬新で、ボックスシートとロングシートが混在している。プチ展望席みたいなものもある。九州の列車のデザインといえば水戸岡鋭治氏で、これも氏のデザインに思うが、どうだろうか。
いずれにしても、この時間の普通列車には不釣り合いな車両だが、肝心の乗客はというと、私のほかに女性がひとり乗っただけだった。これはまた、贅沢な旅となってしまった。
外は真っ暗だから車窓は期待できない。私は弁当を食う。いまは駅弁を買うことはめっきり少なくなったが、スーパーやコンビニなどで手軽に買えるようになっては、存在意義も薄くなった。
列車は「重岡」「宗太郎」と止まる。2つ並べると人の名前になるのだが、鉄道マニアなら常識である。
ちょっとうとうとする。どうしようと私の自由で、これが至福の時間である。
気が付いたら、乗客がひとり増えていた。まあ、何人増えても問題ない。
21時10分、列車は延岡に着いた。最終的な乗客は再び2名。充実した、1時間37分の鉄旅だった。
今夜の宿泊は、駅から数分のところにある「シティプラザ延岡」。フロントの応対がしっかりしていて、好感が持てた。
部屋で翌日の行程をイメージする。あすは高千穂に向かう予定である。しかし時刻表で調べると、そこまでのバス料金は1,760円!だった。ずいぶん伸び伸びと料金設定をしているが、何とか安く行ける方法はないものか。
高千穂からは延岡に戻り、あとは列車で宮崎空港まで行く。なお、もし福岡空港利用なら、高千穂からは博多行きの高速バスを利用するつもりだった。
有料ビデオのシステムがあったので、きょうも利用することにする。ここはハードディスク使用だ。すなわち、お好みの場面で一時停止ができる。
ビデオは「アダルト」と「映画」に分かれている。「アダルト」を開くと、「女優・巨乳」が24本、「女子校生・コスプレ」が16本、「人妻・熟女」が18本、「素人・ナンパ」が11本、「その他」が21本あった。とても一夜では見切れないが、この類の番組は、量より質なのだ。極端な話、繰り返し観たいビデオが1本でもあれば、それで構わない。
レンタルパソコンがある。1日1,000円はちょっと高いが、これも借りる。ブログを書くためである。我ながら、何をやってるんだと思う。
適当なところで、再びビデオを観る。ライティングデスクのすぐ左がテレビ(ビデオ)だ。ベッドに座り、リモコンで一時停止、早送りを繰り返す。やはりビデオはこうでなくてはいけない。
…ん? ビデオから、突然音声が遮断された。私はとくにヘンな操作はしなかったが、何があったのだ? 映像は流れるが、とにかく音が出ない。音声のバーも表示されなくなった。ビデオ番組は替えることはできるから助かったが、音が聞こえないことには話にならない。私は必死になってリモコンのボタンを押すが、やはり同じだ。
何でいきなり、聞こえなくなったのだ? 私は困惑する。テレビの本体にスイッチはないのかと、下や左側を探してみるが、のっぺらだ。
私は悄然とし、ビデオを眺める。そして思ったのだが、この手のビデオは、音がないと、ほとんど見るべきところがないと分かった。
ダメと知りながら、私はリモコンをプチプチやる。しかし結果は同じだ。電源ボタンを押してみるが、これも無反応である。
ちょっとこれは、ビデオを観る精神状態ではない。このままではビデオ代のモトが取れないが、まさかフロントに電話をするわけにもいかない。
このまま無視を決め込んで寝ちまおうか。いやそれも無理なのだ。テレビが煌々と点いていて、とても眠れるものではない。大もとのコンセントも、埋没されている。
どうしたらいいんだ…。ひょんなことから、私は窮地に立たされた。
(4日につづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする