一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4二飛の次、5手目をどうする

2013-07-10 19:01:54 | 将棋雑考
初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△4二飛と進んだとき、5手目の指し手に困る。
ふつうは▲4八銀か▲2五歩だろう。▲4八銀は以下△6二玉▲6八玉△8八角成▲同銀△2二銀▲7八玉△7二玉▲7七銀△8二玉▲5八金右△7二銀▲2五歩△3三銀…が進行の一例だが、この後後手は△2二飛から逆棒銀が狙いとなる。この一連の手順が、私(先手)としてはおもしろくない。
後手は振り飛車のくせに角道を止めず、手損の角交換も辞さない。場合によっては飛車先の歩も受けず、囲いに専念したりする。そして△3三銀から△2二飛と歯向かってくる。
上の手順で最も不愉快なのが、△8八角成だ。序盤早々、いきなり人の家に土足で上がり込んでくる無礼感があるではないか。
どうも振り飛車の使い手は、角の活用に、想像以上に難儀しているらしい。それならハナから盤上から消してしまえというわけで、この短絡的な考えがどうにも不愉快だ。
▲8八銀の形を強要されるから、先手は(私はしないが)イビアナや左美濃に組むのも難儀だ。駒を中央に集約もしづらい。後手は狙い通りの手を着々と指しているのに対し、先手は翻弄されている感じだ。いちいち不愉快なのである。
そこで私は考える。5手目▲6六歩はどうか。はなはだ気合が悪いが、この一手で、後手の狙いをすべて封じている。後手は居角のままでは戦いができぬからどこかで△3三角が入るが、どちらにしても△3三銀からの逆棒銀はできない。
先手の駒組もだいぶ制約されるが、それ以上に後手は狙いの構想が指せなくて、おもしろくないでしょう、というわけだ。
▲6六歩に△6四歩とし、以下持久戦になったとしても、平美濃で速攻を目論んでいる後手は、好まざる進行ではなかろうか。
先手は一時的に屈服しているようでも、どこかで▲6五歩と角道を通す手がある。見かけほど消極的ではないのである。
この「5手目▲6六歩」、私はかつて、島井咲緒里女流二段との指導対局で指したことがある。そのとき島井女流二段は「おっ」と言った。結果はともかく、けっこう有力な手段だと思う。
コメント (5)
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