一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

四十九たび大野教室に行く(後編)

2013-07-16 00:07:04 | 大野教室
(再掲)
上手(角落ち)・大野七段:1一香、2四歩、3二玉、3四銀、3九竜、4三歩、4四金、4五桂、5七歩、9一香、9三歩、9四飛 持駒:歩2
下手・一公:1五歩、1九香、2七銀、3八金、4六玉、4七歩、5二金、5六歩、6五歩、6七銀、7六歩、8六歩、8八金、8九桂、9七歩、9九香 持駒:角、銀、桂2、歩5
(△4四金まで)

以下の指し手。▲3三歩△2二玉▲5五歩△6九竜▲1四桂 まで、一公の勝ち。
私は▲3三歩を利かす。これには△同玉と取られてもダメだったが、大野八一雄七段は△2二玉。私は▲5五歩と突いて詰めろを解く。この素朴な手を、大野七段は軽視していたようだ。竜取りが残っているから大野七段は△6九竜だが、私は▲1四桂の王手。
これに大野七段が熟考し、なんと投了してしまった。
▲1四桂に1.△2三玉は▲4一角△1三玉(△3三玉は▲2二銀まで)▲2二銀△1二玉▲1一銀成△1三玉▲1二成銀△同玉▲2二桂成△同玉▲3二角成まで詰み。
2.△3三玉は▲2二角△2三玉▲1一角成。
よって▲1四桂には3.△同香だが、私は▲1三銀と打つ予定だった。これに1.△1三同玉は▲1四歩以下詰み。2.△3三玉も▲1一角以下詰む。
しかし3.△2三玉と立たれると、この後の寄せ方が分からなかった。▲1一角はあるが、△3五銀▲5六玉△5八歩成で上手玉は詰まない。以下▲2二角成△3四玉▲2六桂△同銀(△2五玉は▲1六銀△3六玉▲2七金で詰み)▲同銀で下手が残しているようにも見えるが、これは下手、生きた心地がしない。
プロがしばらく考えて投了したのだから下手が勝ちなのだろうが、もう少し下手の手を見てもらいたかった。
感想戦は初手から行われた。先にも書いたが、私の▲5八飛が疑問で、ここでは▲3七桂~▲4五歩とし、▲4八玉~▲3八玉~▲2九飛の順を目指すべきだったという。
本譜△2四歩に▲3七玉のところなど、
「(△2四歩を)咎めてやろうという大沢さんの気持ちが分かるんですよ」
と大野七段が苦笑する。植山悦行七段もそうだが、両棋士にはこちらの棋風をすっかり見透かされる感じだ。
その後の教えも、思わず唸るものだった。以前も書いたことだが、大野教室での教えは将棋の指し手全般に応用できるので、とても参考になる。
ともあれ本局は僥倖の勝利で、勝った気がまったくしなかった。
棋聖戦は羽生善治棋聖の逆転負け。勝利を確信する「ふるえ」が出てから負けたのは珍しくないか?
中井-千葉の女流王座戦は、中井女流六段の勝ち。最後は見事な詰みで、Fuj氏が感心していた。
さらに朝日アマプロ戦は、プロの9勝1敗。やはりこれが正常の姿であろう。
さて食事会である。きょうは大野七段、植山七段、Is氏、Fuj氏、私の5人。この組み合わせは意外に初めてかもしれない。
店はやや迷って、駅近くのガストにした。植山七段はさすがに疲れた表情。そのつらさは察するが、中井女流六段を嫁にし、3人の娘をもうけ、これ以上の幸せはあるまいから、私は同情しない。
「植山先生が引退になったのは私の責任なんです」
と私。「(植山先生の最後の対局となった6月)28日に、出雲大社に行ったのがマズかった。順番を逆にして、お伊勢さんを先にお参りすべきでした」
私は先月28~30日と、出雲大社、京都、伊勢神宮と観光(お参り)してきた。植山七段は伊勢市の出身で、それを踏まえて上の言葉が出てきたのだ。
「なにをうれしそうにしてるんですか」
と植山七段が苦笑しながらいう。
「いえいえうれしそうになんかしてませんよ」
と私。ジョナ研メンバーの中で、植山七段の引退を最も残念に思っているのは、私である。
「さっきOgから電話があって、あした教室にくるよ。大沢さんと将棋を指したいって言ってたよ」
と大野七段。Og君にはこの前私が負かされたはずだが…と訝しむと、Og氏は大野七段の兄弟弟子で、私は少年のHag君と勘違いしていた。
Og氏は当ブログも読んでくださっているそうで、それなら翌7日もお邪魔したいが、2日連続の指し将棋はちょっときつい。私は丁重にお断りした。
きょうは植山七段の体調がすぐれないこともあり、9時過ぎに散会となった。次は記念すべき、大野教室の50回目(厳密にいうと55回目)となる。次にお邪魔するのは、いつになるだろう。
コメント
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