「スミマセン、リレー将棋が近々あるもので…」
Fuj氏が申し訳なさそうにいう。
私の向かいにはR氏が座っていたが、彼らはネット上でリレー対局を行っており、近々にその対局がある。そのウォーミングアップのために、R氏と対局をさせてくれ、とのことだった。
まあそんな理由は後づけで、周りが指しているのを見て、自分も指したくなったのであろう。何たる将棋バカか。
とにかくこれで、3局目の実戦である。これはかなり久しぶりだ。いや、初めてかもしれない。
私がFuj氏の席に座ったが、だいぶ席の移動があった。ここで現在の席の配置を記しておこう。
壁
Kun R Tod
壁
一公 Kaz Fuj Hon
ここから3局を眺めると、どこかの将棋道場のようだ。改めていうまでもないが、彼らの将棋熱は凄まじく、私のそれなど足元にも及ばないと感じる。
午後10時すぎ、Hon-Tod戦が終わったようだ。序盤こそFuj氏のアドバイスもあり、優位に進めていたTod氏だったが、Fuj氏が自分の将棋に専念してから、すっかりダメになってしまった。
しばらく感想戦をやったあと、ふたりは仲良く帰路に着いた。
私は隣のKun-Kaz戦を観戦する。Kun氏の(後手だったか?)立石流風四間飛車。
▲5七銀右に△2五桂と歩を食べたのが機敏な手で、▲2五同飛は△1四角から△4七角成がある。私だったら桂得に目が眩んで▲2五同飛と取るところだが、Kaz氏は別の手を指した。
ただそれでもKaz氏の指しづらい形勢だったが、中盤、Kun氏が△6二角と打ったのが、結果的にミスとなった。同じ打つなら「7一」からだった。
Kaz氏が飛車切りの強襲をして、▲5四桂の飛車角両取り。これがあるから、角は7一からがよかったのだ。実はKun氏が△6二角と打った直後、自身で「7一だったかな…」とつぶやいた。長年の実戦経験から、ここは△7一角が危険回避の一手とフンだのだが、ジョナ研という気楽さから、そこまで神経質にならなかったのだ。これはKun氏に不運だった。
実戦は以下、Kun氏に致命的な見落としがあり、それまで。
感想戦。△2五桂はやはり好手で、これを咎める手は見つからなかった。つくづくKun氏は、いい将棋を落とした。
今度はKaz氏が観戦に回って。私がKun氏と指す。これでは私も将棋バカを否定できない。
先番Kun氏の矢倉のお誘いに、私は右四間飛車の構えを採る。相矢倉の後手は指す気になれないからだが、こんな気合の悪い手を指していてはダメだ。
R-Fuj戦は、Fuj氏が飛車を振っていた。これでR氏得意の対振り飛車急戦を見ようというわけだ。
Kun氏、▲4五桂とハネる。私はこの桂を只取りしようと画策するが、2歩損になった上、5・6筋に位を張られた。そしてこの位が存外大きく、かなり指しづらくしてしまった。
さっきの将棋でもそうだが、私は駒得に走る癖がある。しかし桂得くらいでは合わないケースがかなりあり、この辺の意識改革はしっかりしなければダメだと痛感した。
以下もKun氏の指し手は冴えわたり、こちらはトドメを指されるのを待っている状態。その終盤が以下である。
先手・Kun:1七歩、1九香、2五歩、3四歩、3五飛、5四歩、5五桂、6四角、6五歩、6七金、7六歩、7七銀、7八玉、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:銀、歩4
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2二角、2三歩、3一玉、3二金、4二銀、5二金、5八と、7四歩、8一桂、8三飛、8五歩、9一香、9五歩 持駒:金、銀
以下の指し手。▲4三歩△同金▲5二銀△5四金▲9一角成△5五角▲同馬△同金▲同飛△6九角▲8八玉△7九銀▲9八玉△8六桂▲同銀△8八金 まで、一公の勝ち。
Kun氏は▲4三歩だが、以下ごちゃごちゃやって、何と私の勝ちになってしまった。勝った私も、負けたKun氏も、キツネにつままれたふうだ。
感想戦も長いことやったが、中盤まではやはり私の敗勢。しかしそこから、私が最善の粘りをしていたようである。
とはいえ、これはKun氏の必勝形。この将棋を落とすとは、Kun氏、不調のようである。
「おふたりの持ち味がよく出て、いい将棋を見させてもらいました」
とKaz氏がつぶやいた。
散会は11時すぎ。Kun氏が帰宅の時間になったので、じゃあみんな帰りましょうか、ということになったのだ。
Kaz氏は先日引っ越しをしたそうで、以前ほど終電を気にしなくて済むようになった。Kun氏が地下鉄で帰り、R氏、Kaz氏、Fuj氏、私の4人が山手線外回りに乗った。
Fuj氏が申し訳なさそうにいう。
私の向かいにはR氏が座っていたが、彼らはネット上でリレー対局を行っており、近々にその対局がある。そのウォーミングアップのために、R氏と対局をさせてくれ、とのことだった。
まあそんな理由は後づけで、周りが指しているのを見て、自分も指したくなったのであろう。何たる将棋バカか。
とにかくこれで、3局目の実戦である。これはかなり久しぶりだ。いや、初めてかもしれない。
私がFuj氏の席に座ったが、だいぶ席の移動があった。ここで現在の席の配置を記しておこう。
壁
Kun R Tod
壁
一公 Kaz Fuj Hon
ここから3局を眺めると、どこかの将棋道場のようだ。改めていうまでもないが、彼らの将棋熱は凄まじく、私のそれなど足元にも及ばないと感じる。
午後10時すぎ、Hon-Tod戦が終わったようだ。序盤こそFuj氏のアドバイスもあり、優位に進めていたTod氏だったが、Fuj氏が自分の将棋に専念してから、すっかりダメになってしまった。
しばらく感想戦をやったあと、ふたりは仲良く帰路に着いた。
私は隣のKun-Kaz戦を観戦する。Kun氏の(後手だったか?)立石流風四間飛車。
▲5七銀右に△2五桂と歩を食べたのが機敏な手で、▲2五同飛は△1四角から△4七角成がある。私だったら桂得に目が眩んで▲2五同飛と取るところだが、Kaz氏は別の手を指した。
ただそれでもKaz氏の指しづらい形勢だったが、中盤、Kun氏が△6二角と打ったのが、結果的にミスとなった。同じ打つなら「7一」からだった。
Kaz氏が飛車切りの強襲をして、▲5四桂の飛車角両取り。これがあるから、角は7一からがよかったのだ。実はKun氏が△6二角と打った直後、自身で「7一だったかな…」とつぶやいた。長年の実戦経験から、ここは△7一角が危険回避の一手とフンだのだが、ジョナ研という気楽さから、そこまで神経質にならなかったのだ。これはKun氏に不運だった。
実戦は以下、Kun氏に致命的な見落としがあり、それまで。
感想戦。△2五桂はやはり好手で、これを咎める手は見つからなかった。つくづくKun氏は、いい将棋を落とした。
今度はKaz氏が観戦に回って。私がKun氏と指す。これでは私も将棋バカを否定できない。
先番Kun氏の矢倉のお誘いに、私は右四間飛車の構えを採る。相矢倉の後手は指す気になれないからだが、こんな気合の悪い手を指していてはダメだ。
R-Fuj戦は、Fuj氏が飛車を振っていた。これでR氏得意の対振り飛車急戦を見ようというわけだ。
Kun氏、▲4五桂とハネる。私はこの桂を只取りしようと画策するが、2歩損になった上、5・6筋に位を張られた。そしてこの位が存外大きく、かなり指しづらくしてしまった。
さっきの将棋でもそうだが、私は駒得に走る癖がある。しかし桂得くらいでは合わないケースがかなりあり、この辺の意識改革はしっかりしなければダメだと痛感した。
以下もKun氏の指し手は冴えわたり、こちらはトドメを指されるのを待っている状態。その終盤が以下である。
先手・Kun:1七歩、1九香、2五歩、3四歩、3五飛、5四歩、5五桂、6四角、6五歩、6七金、7六歩、7七銀、7八玉、8七歩、8九桂、9七歩、9九香 持駒:銀、歩4
後手・一公:1一香、1三歩、2一桂、2二角、2三歩、3一玉、3二金、4二銀、5二金、5八と、7四歩、8一桂、8三飛、8五歩、9一香、9五歩 持駒:金、銀
以下の指し手。▲4三歩△同金▲5二銀△5四金▲9一角成△5五角▲同馬△同金▲同飛△6九角▲8八玉△7九銀▲9八玉△8六桂▲同銀△8八金 まで、一公の勝ち。
Kun氏は▲4三歩だが、以下ごちゃごちゃやって、何と私の勝ちになってしまった。勝った私も、負けたKun氏も、キツネにつままれたふうだ。
感想戦も長いことやったが、中盤まではやはり私の敗勢。しかしそこから、私が最善の粘りをしていたようである。
とはいえ、これはKun氏の必勝形。この将棋を落とすとは、Kun氏、不調のようである。
「おふたりの持ち味がよく出て、いい将棋を見させてもらいました」
とKaz氏がつぶやいた。
散会は11時すぎ。Kun氏が帰宅の時間になったので、じゃあみんな帰りましょうか、ということになったのだ。
Kaz氏は先日引っ越しをしたそうで、以前ほど終電を気にしなくて済むようになった。Kun氏が地下鉄で帰り、R氏、Kaz氏、Fuj氏、私の4人が山手線外回りに乗った。