一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士との親睦将棋会2016(2)

2016-03-22 01:04:09 | 将棋イベント
加藤桃子女流二冠VS里見香奈女流四冠戦は、里見女流四冠のゴキゲン中飛車になっていた。
谷川浩司九段の解説は分かりやすくてよい。聞き手の伊藤沙恵女流二段は、タイトル戦に登場した時の思い出話を語っている。
それもおもしろいが、私は指導対局中の女流棋士も鑑賞しなければならないから忙しい。
山口恵梨子女流初段は目元のシャドーが強い。ちょっとエキゾチックで、ニューエリコを思わせる。
和田あき女流初段も、静かに指導対局中。今はすっかり上手の貫禄が付いた。
千葉涼子女流四段に対峙している制服の女子高生は、平手戦を戦っている。形もしっかりしており、腕に覚えありと見た。
特選対局は、△6四角と▲4八角の分だけ、後手が指しやすいように見える。しかし勝負はまだまだこれからだ。
ここで解説の谷川九段は御役御免。香川愛生女流三段にバトンタッチした。
サイン会に竹俣紅女流1級が入った。高校から直行したのだろうか。最近はメディアでの露出が著しい竹俣女流1級だが、今は高校を卒業することが急務となっている。
それにしても、竹俣女流1級、室谷由紀女流二段、清水市代女流六段と並ぶ姿は圧倒的だ。その存在感は、もはや男性棋士を凌駕している。
特選対局では香川女流三段が、
「矢倉戦はじわじわしてて、敗因が分からないからイヤです。振り飛車戦は、敗因がハッキリするから好きです」
などと語っている。
局面は加藤女流二冠が攻勢を掛けている。先手が良くなったように見えた。
1回目の指導対局は14時40分までだ。現在14時25分を過ぎたところだが、終わっていない対局も少なくない。
10分前から感想戦を始めよ、のお達しなので、対局は正味50分(3,000秒)。1局が120手かかるとして、女流棋士が1手15秒で指すとすると、下手は残り2,100秒で60手を指さねばならない。1手平均35秒で、実はかなりの早指しを要求されているのだ。
加藤―里見戦はどうなっているのだろう。このままいけば勝敗を見届けぬまま2回戦の指導対局に入ってしまう…という時、里見女流四冠が投了した。
加藤―里見戦は、今後もタイトル戦でまみえる可能性が大。その意味でも、この勝利は大きかった。
時刻は14時40分になり、いよいよ私の指導対局である。
指導の久津知子女流初段は北海道在住で、普及に熱心な棋士のひとりである。20数年前、久津女流初段がプロデュースした将棋大会は現在も続いており、今や北海道に彼女の存在は欠かせない。現在は「おけいこライフ・久津知子の将棋教室」をネット上で開講しており、こちらの展開も楽しみである。
平手で対局開始。

第1図までの指し手。▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲5六歩△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△8二玉▲5八金右△3二銀▲9六歩△9四歩▲6八銀△7二銀▲2五歩△3三角
▲5七銀左△5二金左▲3六歩△5四歩(第1図)

久津女流初段には、2年前の6月に行われた「女流棋士発足40周年記念パーティー」でお話をさせていただいた。でも久津女流初段は忘れているだろうし、私も持ち出さない。
久津女流初段は2年前よりスリムになっている気がした。もちろんこじはるに似ているが、中井広恵女流六段にも似ている。北海道にはこのテの顔が多いのだろうか。中井女流六段を思い出して私はまた血圧が上がりそうだが、冷静を装い、対局の専念に努めた。
私の居飛車明示に、久津女流初段は角道を止めて△4二飛。今や男性棋戦ではこの滑り出しすら珍しい。しかし振り飛車党の一部女流棋士にこの手順は健在である。
左は藤田綾女流初段のゾーンだったが、レイアウトの変更があって、ちょっと遠くに行ってしまった。こちらの久津女流初段は3面指しとなっていた。
久津女流初段は美濃に組み、△5四歩。
こう進めば、私が次に指す手は決まっている。

第1図以下の指し手。▲9七角△4一飛▲7九角△4三銀▲6六銀△4二飛▲3七銀△4五歩▲2四歩△同歩▲同角△2二飛▲2五歩△4四角▲6八角△3三桂▲2四歩△2五歩▲1六歩△6四歩
▲1七桂△2六歩▲同銀△6五歩▲7七銀△5五歩▲3七銀△3二銀▲3五歩△4三金▲2五桂△3五歩▲3六歩△5六歩▲3五歩△5五角▲4六歩△2四飛▲3三桂成△2八飛成
▲同銀△3三金(第2図)

私は▲9七角と上がった。今では誰も指さない山田流で、△4一飛にすぐ▲7九角と引くのが改良版。
むかしLPSA芝浦サロンでこの手をを指したら、観戦していた櫛田陽一六段が「この手を知っているとは…!!」と絶句したことを思い出す。ちなみに従来は▲8六角~▲6八角のルートで、これだと1手遅い。
指導対局者は私の左に1人加わり、4人(定員)になった。
ステージでは「ニューフェース紹介」をやっている。出席女流棋士は、北尾まどか女流二段、室田伊緒女流二段、中澤沙耶女流1級、カロリーナ・ステチェンスカ女流3級。
うしろの2人はいいとして、前の2人はどういう役割か。
北尾女流二段は司会役だろうが、室田女流二段は何だろう。まさか人生をリセットしたからではあるまい。
私は▲2四歩と突き出し、△2五歩に、▲1七桂からその歩を取りに行く。▲3七銀と飛車道を通したところでは、ずいぶんよくなったと思った。
しかし久津女流初段に△3二銀と辛抱され、中央から動かれて、いつの間にかこちらが悪くなっているのに愕然とした。
私はやむなく飛車交換を迫るが、自玉は薄く、△5六歩の存在も大きく、劣勢を認識した。
第2図で私が指した手は。

(つづく)
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