昨日24日のTBSラジオ「赤江珠緒のたまむすび」をたまたま聴いていた時のこと。
「佐賀のパーラーで、マジックを見せてくれるところがあります」
と赤江珠緒が言った。「喫茶店なんですけど、それが予約制なんですよ。お客が10人ぐらいいて。ふつうに注文するんです、喫茶店だから。カレーとかあって、それはそれで美味しいんですけど。その後マジックをやって、それで好きな人の名前とか当てちゃうんですよ」
どこか見たことのある光景だが、これって「佐賀」ではなく、「長崎」のあんでるせんのことだと思う…。
あるいは、私の聞き間違いだったかもしれない。
(23日のつづき)

第2図以下の指し手。高群・塚田▲5五馬△4二飛▲7五歩△4五銀▲5七銀△5四銀▲6六馬△6四歩〔高橋▲6八金上・中村▲7六馬・◎竹俣▲5五歩〕△6三銀引
清水・山根▲8五歩△3三桂▲4六銀△3二飛▲3五銀△4五桂(第3図)
これが「次の一手名人戦」だったら、2問目を間違えた私は脱落。ぐるぐる将棋などで対局している女流棋士を鑑賞するのだが、これは「みんなで選ぼう次の一手」だから、逆に最後まで参加しないともったいないと思った。
高橋和女流三段の解説は歯切れがよく、分かりやすい。こういう場に慣れていると感じる。
ここでまた3択になる。赤、青の候補手が出て、黄色の手は、そばにいる女流棋士に聞く。今回は棋譜読み上げの竹俣紅女流1級が指名された。
彼女は▲5五歩を挙げた。私は中村真梨花女流三段の指し手に乗ったのだが、多数決で竹俣手が採用となった。これも竹俣人気だろうか。
メンバーが変わり、山根ことみ女流初段が元気よく△4五桂と跳ぶ。だが、次の清水市代女流六段の指し手が落ち着いていた。

第3図以下の指し手。▲3六歩〔高橋△3一飛・◎中村△4二金・野田澤△5四歩〕▲4六歩△3三金
山田・北村▲4五歩△4二飛▲4四歩△同金▲4八飛△4五歩〔高橋▲4四銀・◎中村▲5四歩・和田▲3七桂〕△同金▲1一馬△4六歩
高群・塚田▲4四歩△7四歩▲3三馬△4一飛▲6六桂△7五歩▲5四桂△同銀〔高橋▲4二金・◎中村▲5七香・熊倉▲8四歩〕△7四角
清水・山根▲5四香△同歩▲3二馬(第4図)
後方ではピーピーピーピー、ほうぼうで電子音が鳴っている。30秒de二面指しのチェスクロックだ。
▲3六歩が地味ながら好手。指されてみればナルホドとうなるが、なかなか指せないものだ。この辺りに清水女流六段の強さを感じる。
後輩チームはもはや暴れるしかなくなったが、暴れようがない。
先輩チームは▲4六歩~▲4五歩と桂得し、シャレた手筋で香得も果たす。
さらにその桂、香が相手の金、銀と替わり、これは先輩チームが勝勢となった。
中村女流三段は二番手で候補手を答えることが多いが、▲5七香などは鋭く、さすがの強さだ。

第4図以下の指し手。△4五香▲5四馬△4七歩成▲6四馬△7三銀〔◎高橋▲7四馬・中村▲同馬・竹俣▲6五金〕△同銀
山田・北村▲5五角△6四歩▲同角△7三角▲同角成△同桂▲6四金△7六桂▲5五角△7二金
高群・塚田〔◎高橋▲7四金・中村▲7六銀・山口恵▲7三金〕△5八と(第5図)
△4五香はこれしかない反撃。△4一飛には△7四角のヒモがついているから大丈夫だ。
しかし先輩チームの▲5四馬~▲6四馬~▲7四馬がヘンな動きで、あまり得していない。
その間後輩チームは△4七歩成と迫り、△7六桂の楔も打った。ちょっと差が縮まったのではないか。
さらに△5八とと金を取り、これが何と詰めろ。後輩チーム、さすがの肉薄である。

第5図以下の指し手。▲6五桂△7七金(途中図)

▲7七同角△4八香成▲7三桂成△同金▲同金△同玉
清水・山根▲6五桂△6二玉▲7三銀(投了図)
まで、103手で先輩チーム(清水・山田・高群)の勝ち。
高橋女流三段が、
「こう(▲5八同金)は、これ(△4八香成)がありますね。これがこう…(△8八飛以下の詰めろ)」
と解説する。あの将棋がまさかの一手争いになって、私たちは固唾を呑んで見守るばかりだ。もう最終盤、双方秒読みなので、次の一手は選ばない。
先輩チームは、▲6五桂と跳ねた。これが詰めろ逃れの詰めろで、リレー将棋でこんな手が飛び出るとは思わなかった。
対して後輩チームは△7七金(途中図)と放り込む。これがまたすごい。何だか知らないが、白熱した終盤戦だ。
これを▲7七同玉は△8八角▲7八玉△5五角成で逆転する。先輩チームは冷静に▲7七同角。後輩チームは△4八香成と飛車を取る。このあたり私が先手だったらアワを食って、パニックになっているところだ。
しかし先輩チームは勝ちを読み切っていた。ここで▲7三桂成。以下▲6五桂と打って、意外と後手玉が狭い。△6二玉に▲7三銀まで、後輩チームの投了となった。

観客席より、大きな拍手が送られる。リレー将棋とは思えない、息の合った指し手だった。
あっ…! この時私は、今回のメンバーのチョイスの秘密に気が付いた。
(つづく)
「佐賀のパーラーで、マジックを見せてくれるところがあります」
と赤江珠緒が言った。「喫茶店なんですけど、それが予約制なんですよ。お客が10人ぐらいいて。ふつうに注文するんです、喫茶店だから。カレーとかあって、それはそれで美味しいんですけど。その後マジックをやって、それで好きな人の名前とか当てちゃうんですよ」
どこか見たことのある光景だが、これって「佐賀」ではなく、「長崎」のあんでるせんのことだと思う…。
あるいは、私の聞き間違いだったかもしれない。
(23日のつづき)

第2図以下の指し手。高群・塚田▲5五馬△4二飛▲7五歩△4五銀▲5七銀△5四銀▲6六馬△6四歩〔高橋▲6八金上・中村▲7六馬・◎竹俣▲5五歩〕△6三銀引
清水・山根▲8五歩△3三桂▲4六銀△3二飛▲3五銀△4五桂(第3図)
これが「次の一手名人戦」だったら、2問目を間違えた私は脱落。ぐるぐる将棋などで対局している女流棋士を鑑賞するのだが、これは「みんなで選ぼう次の一手」だから、逆に最後まで参加しないともったいないと思った。
高橋和女流三段の解説は歯切れがよく、分かりやすい。こういう場に慣れていると感じる。
ここでまた3択になる。赤、青の候補手が出て、黄色の手は、そばにいる女流棋士に聞く。今回は棋譜読み上げの竹俣紅女流1級が指名された。
彼女は▲5五歩を挙げた。私は中村真梨花女流三段の指し手に乗ったのだが、多数決で竹俣手が採用となった。これも竹俣人気だろうか。
メンバーが変わり、山根ことみ女流初段が元気よく△4五桂と跳ぶ。だが、次の清水市代女流六段の指し手が落ち着いていた。

第3図以下の指し手。▲3六歩〔高橋△3一飛・◎中村△4二金・野田澤△5四歩〕▲4六歩△3三金
山田・北村▲4五歩△4二飛▲4四歩△同金▲4八飛△4五歩〔高橋▲4四銀・◎中村▲5四歩・和田▲3七桂〕△同金▲1一馬△4六歩
高群・塚田▲4四歩△7四歩▲3三馬△4一飛▲6六桂△7五歩▲5四桂△同銀〔高橋▲4二金・◎中村▲5七香・熊倉▲8四歩〕△7四角
清水・山根▲5四香△同歩▲3二馬(第4図)
後方ではピーピーピーピー、ほうぼうで電子音が鳴っている。30秒de二面指しのチェスクロックだ。
▲3六歩が地味ながら好手。指されてみればナルホドとうなるが、なかなか指せないものだ。この辺りに清水女流六段の強さを感じる。
後輩チームはもはや暴れるしかなくなったが、暴れようがない。
先輩チームは▲4六歩~▲4五歩と桂得し、シャレた手筋で香得も果たす。
さらにその桂、香が相手の金、銀と替わり、これは先輩チームが勝勢となった。
中村女流三段は二番手で候補手を答えることが多いが、▲5七香などは鋭く、さすがの強さだ。

第4図以下の指し手。△4五香▲5四馬△4七歩成▲6四馬△7三銀〔◎高橋▲7四馬・中村▲同馬・竹俣▲6五金〕△同銀
山田・北村▲5五角△6四歩▲同角△7三角▲同角成△同桂▲6四金△7六桂▲5五角△7二金
高群・塚田〔◎高橋▲7四金・中村▲7六銀・山口恵▲7三金〕△5八と(第5図)
△4五香はこれしかない反撃。△4一飛には△7四角のヒモがついているから大丈夫だ。
しかし先輩チームの▲5四馬~▲6四馬~▲7四馬がヘンな動きで、あまり得していない。
その間後輩チームは△4七歩成と迫り、△7六桂の楔も打った。ちょっと差が縮まったのではないか。
さらに△5八とと金を取り、これが何と詰めろ。後輩チーム、さすがの肉薄である。

第5図以下の指し手。▲6五桂△7七金(途中図)

▲7七同角△4八香成▲7三桂成△同金▲同金△同玉
清水・山根▲6五桂△6二玉▲7三銀(投了図)
まで、103手で先輩チーム(清水・山田・高群)の勝ち。
高橋女流三段が、
「こう(▲5八同金)は、これ(△4八香成)がありますね。これがこう…(△8八飛以下の詰めろ)」
と解説する。あの将棋がまさかの一手争いになって、私たちは固唾を呑んで見守るばかりだ。もう最終盤、双方秒読みなので、次の一手は選ばない。
先輩チームは、▲6五桂と跳ねた。これが詰めろ逃れの詰めろで、リレー将棋でこんな手が飛び出るとは思わなかった。
対して後輩チームは△7七金(途中図)と放り込む。これがまたすごい。何だか知らないが、白熱した終盤戦だ。
これを▲7七同玉は△8八角▲7八玉△5五角成で逆転する。先輩チームは冷静に▲7七同角。後輩チームは△4八香成と飛車を取る。このあたり私が先手だったらアワを食って、パニックになっているところだ。
しかし先輩チームは勝ちを読み切っていた。ここで▲7三桂成。以下▲6五桂と打って、意外と後手玉が狭い。△6二玉に▲7三銀まで、後輩チームの投了となった。

観客席より、大きな拍手が送られる。リレー将棋とは思えない、息の合った指し手だった。
あっ…! この時私は、今回のメンバーのチョイスの秘密に気が付いた。
(つづく)