一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第47回支部対抗戦・埼玉県予選(前編)

2018-03-24 02:22:37 | 将棋イベント
2月18日(日)は第47回支部対抗戦・名人戦の埼玉県大会があった。私も「大野教室」から団体戦で出場する。
18日朝、例によって北浦和駅前で出場選手と待ち合わせ。大野八一雄七段を筆頭に、10数名が集合した。そのまま北浦和ターミナルビルに赴く。対局場は3階の「カルタスホール」である。
今年の団体戦は5チームの参加。私はKaz氏、Hat氏と組む。Hat氏が大将、私が副将、Kaz氏が三将である。全4回戦で、全勝すれば後日行われる全国大会に出場できる。
対局前に事務局・小島一宏氏の大会説明があり、いやが上にもテンションが上がる。もう、緊張で吐きそうである。
1回戦は小学生高学年か中学生のチームと。私は後手番で対局開始となった。
先手君は角道を止め、私は居飛車の明示。先手君は矢倉に構え、必然的に相居飛車となった。私はやや不慣れながら、流行の左美濃を採った。
中盤でゴチャゴチャあったが、私は互角以上に戦っていると思った。
大将とは同じテーブルなので、盤面がよく見える。そちらは角換わりの力戦形だが、Hat氏に力が入りすぎていると思った。
三将のKaz氏は飛車を振っている。彼は長年居飛車党だったが、昨年何を思ったか振り飛車党に転身した。棋風的には居飛車が合っていると思うのだが、こればかりは当人の意思だからしょうがない。

第1図以下の指し手。△5五歩▲6七金右△7三角▲6六角△6五歩▲5五角△同角▲同歩△4九飛(第2図)

私の局面は第1図。先手君が▲7七角と引いたところである。次に▲6七金右とされると△同歩成とはできないので△5五歩と遮ったが、これが錯覚の大悪手。何はともあれ△5八銀成と金を剥がすべきだった。
しかも私は二重の錯覚を犯していた。先手君の▲6七金右に私は△7三角と成銀を取ったが、これも疑問手。当然△6七同歩成とすべきだった。
いやこれだと▲5五角と出られて後手玉がトン死すると錯覚したからだが、▲5五角には△3三銀と立って、即詰みはなかったのだ。
先手君に▲6六角と出られては先手陣への嫌味がなくなり、後手がつまらない展開になってしまった。
私は△4九飛に期待したのだが…。

第2図以下の指し手。▲5九銀△3六角▲6八玉△2九飛成▲4四角△3三銀▲3四桂△3二玉▲2二飛△4三玉▲5二飛成△4四玉▲5四竜△3五玉▲3七銀(第3図)

隣はHat氏が投了したようだ。相手の少年が「ありがとうございました!」と言ってすぐに席を立つ。おいおい、勝ったのに感想戦はナシかよ。この溌剌さが私は受け容れられない。
とにかくHat氏はこの時間に敗れるようなタマではない。実力の半分も出なかった感じだ。
△4九飛の王手に先手君は節約して▲5九銀。持駒を温存して後手玉を仕留める腹づもりで、私は唸った。
△3六角にも▲6八玉。私は△2九飛成ぐらいしかないが、これでは苦しい。
先手君は持ち時間を投入し、▲4四角。即詰みはないはずだが、詰まされてもしょうがないと思った。
実際即詰みはなかったが、後手玉が追われていることに変わりはない。▲5二飛成△4四玉には▲4一竜でも自信はなかったが、先手君は▲5四竜。これには△3五玉で逃げのびたと思ったが、先手君は深追いせず、落ち着いて▲3七銀。これが受けにくい詰めろで、私は先手玉を詰ますしかなくなった。

第3図以下の指し手。△5九飛成▲同玉△5八銀▲6八玉△5九角▲7九玉△3七角成▲2五飛△同角▲4五竜△2六竜▲1七金△1五玉▲1六金(投了図)
まで、先手君の勝ち。

大将戦は少年が感想戦をほとんどしなかったので、Hat氏がこちらの盤をうつろな目で見ている。
私は△5九飛成から追ったが、詰みそうにない。よって△5九角から自玉を安全にしたが、それでも▲2五飛から後手玉は怪しいと思っていた。
果たして先手君に綺麗に詰まされ、私は無念の投了。少年たちがよろこぶ。
と、Hat氏が「詰んでたでしょ」と言う。本譜△5九角で△6七銀成とし、▲同金△5九角(参考図)▲7八玉に△6六桂で詰み、の指摘だ。いやその順は私も読んだが、詰まない気がしたのだ。

先手君は△5九角に▲7九玉と落ちる予定で、確かにそれで先手玉が逃れている。
いずれにしても終盤は後手が負けだったが、そもそも中盤での錯覚が痛すぎた。
これで本戦の夢はついえ、私は放心状態だ。3人の団体戦は個人の責任の割合が大きくなる。これでKaz氏も負けなら恨みっこナシだが、何とKaz氏が勝ってしまい、味が悪いことになった。
こうなると、完敗したHat氏より、逆転負けした私のほうがつらい。A級戦犯になってしまった。

これで本戦進出はついえたが、団体戦は4局指す。
2局目は中年の男性氏と。またもや私の後手で、先手氏の四間飛車に、私は角道を止める。しかしすぐに△4五歩と位を張り、先手の美濃囲いの発展を防いだ。先手氏は三間飛車から石田流に組み、私は金銀を広く配し、全力で受ける構えだ。

第1図から▲6六歩△同歩▲同銀△6五歩▲7五銀と進んだが、△8八角成として有利になった。
先手の▲7五銀では▲6五同銀がイヤだった。これなら△8八角成の時、飛車にヒモがつくし、▲6四歩の叩きも入る。
本譜△8八角成に▲7七角は△8七馬が飛車取りになるのが強味だ。
実戦も私が有利に運び、先手氏も端攻めの反撃に来たが私は丁寧に対処し、9八で取った香を△1一香と据える。これで私が受け切り勝ちの様相を呈し、第2図となった。

第2図以下の指し手。△6七馬▲1一角成△1八香成▲1九銀△5七歩成▲1八銀△1九銀▲2八香(第3図)

第2図では△5五銀打で私が勝ちだろう。しかし震えてはならぬと△6七馬と引いたのがやや危険だった。
先手氏の▲1九銀がハッとさせる犠打で、やや混乱した私は、それでも△1九銀と再び縛る。でも局面をややこしくした感じで、全然手が見えなくなった。

(つづく)
コメント (2)
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