第3図以下の指し手。△4八香▲1七桂△4九香成▲2九玉△3九成香▲1九玉△3八成香▲2九香△1五歩(第4図)
第3図から私は△4八香。これに▲5九金と我慢されてもイヤだったが、先手氏は▲1七桂と逃げ道を開ける。これも好手で、俄かに形勢が混沌としてきた。
私は血圧を上げつつ△3八成香まで追ったが、▲2九香で詰めろがかからない。まったく、△6七馬と早まったために、こんな苦労をする羽目になってしまった。
次に▲1六飛が実現しては私が負ける。そこで△1五歩と我慢したが、これが混乱しつつもギリギリ冷静な手だった。
以下先手氏も反撃したが、時間がなかったこともあり、的確な攻めではなかった。私が受けに回り、制勝した。
感想戦。「(第3図の▲2八香は)受けになってなかった…」と相手がつぶやくのでそのココロを聞くと、△4八香の手で「△4八金▲同金△同と▲同玉△5八金(参考図)」を示す。
「これで詰みます?」
「(▲3九玉に)△5七馬で」
「あっ!!」
……。こんな簡単な詰みが読めないようでは、私もオワリである。
2回戦はHat氏が負け、Kaz氏が勝ち、2勝1敗で勝利となった。この数字の勝ちがいちばんよい。
昼食の時間である。室内にはU君の美人ママが来ており、おしゃべりをする。
部屋の隅にはOk氏の姿もあった。今日は参戦しないが、応援に来てくれたのだ。
廊下でU君に会ったので戦績を聞くと、1勝1敗、とのことだった。大野教室で三指に入る強豪のU君が、この有様である。支部対抗戦はレヴェルが高い。
昼食後、トイレに行ったら遅くなった。戻ってきたらみなの駒がすでに並べられ、すこぶるバツがわるかった。3回戦は年配チームで、副将はHas氏だった。
べテランHas氏は四間飛車一本槍の実戦派で、大野教室でバリバリ棋力を上げた。現在アマ五段(免状なし)で、中年になっても棋力は上がる、を証明した。
3局目でやっと先手番になった。Has氏の四間飛車は当然として、私はどうするか。天守閣美濃は玉頭攻撃が恐いし、穴熊は指しなれていない。結局、急戦にした。
第1図以下の指し手。▲6八金上△5四歩▲1六歩△1四歩▲3五歩△3二飛▲3四歩△同銀▲2四歩△同歩▲3八飛△4五歩▲3三角成△同飛▲8八角△4六歩▲3三角成△同桂▲3四飛△4三金
▲2四飛△4七歩成▲同銀(第2図)
私はすぐにでも仕掛けたいが、△6四角の筋があるので、△6四歩と突かせたい。よって▲6八金上~▲1六歩と待ったが、Has氏は△6四歩と突いてくれない。シビレを切らした私は、▲3五歩と仕掛けた。以下はほぼ一本道だが、2度目の▲3三角成の時、すぐ△同桂と取らず、△3七歩と叩く手がある。以下▲3七同飛△3六歩▲同飛△4五銀▲3五飛△3三桂▲同飛成△5六銀(参考図)は後手が指せる。
しかしHas氏はたんに△3三同桂だったので、私は▲2四飛までよくなった…と思いきや、イヤな手に気付いた。
第2図以下の指し手。△4六歩▲3八銀△4四角▲7七銀△4七銀▲2一飛成△5八銀成▲同金△2五角(途中図)
▲6八金△5八金(第3図)
以下、Has氏の勝ち。
一本△4六歩が痛打だった。これ、手待ちの▲1六歩△1四歩の交換を経たために生じた筋である。
こんな歩は▲4六同銀と取りたいが、△1三角で負け。私は辛抱の▲3八銀だが、Has氏は△4七銀と打ち、ますます好調。
これに付き合っていたらたどんどん守り駒を削られるので、私は勝手にせい、の▲2一飛成。だがHas氏は△3八銀成では満足でなかったようで、△5八銀成~△2五角ときた。なるほど、4三金にヒモを付けての▲5八金取りで、これも厳しいか。
私は力なく▲6八金と寄ったが、△5八金がまた厳しい。
これで大勢決すで投了したいのだが、お互い早指しだったので進行が早い。ほかの2人を見るとまだ中盤戦で、とても投げられる雰囲気ではない。
しょうがないから指し継いだが、指せば指すほど形勢が悪化し、もういけない。最後はボロボロになって投了した。
感想戦。Has氏の△2五角には、▲3六歩と中合いするのがよかった。以下△同角▲4七歩△同歩成▲同銀は角取りの先手を取って、私も十分戦える。
大駒を近付けて受ける▲3六歩は習いある手筋で私も浮かんだのに、結局指せなかった。淡白な自分が呪わしかった。
ほかの2人の形勢は、Hat氏が優勢、Kaz氏が劣勢。もし形勢通りに終わると、私はまた責任を感じてしまう。
結局Hat氏は勝ち。Kaz氏も必敗の将棋を最終盤、相手のココセでひっくり返して勝利した。これは素晴らしい!! 私は2人に感謝、感謝だった。
最終4局目は、中学生チームと対戦。私の先手で、▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩。昨今は後手がここから雁木に来るから私は困惑したが、後手君はふつうに三間飛車に振ったのでズッコケた。
私は急戦を目指したが仕掛け切れず、▲6六歩から二枚銀に組む。しかしダサイ形にしてしまった。
さらに手に詰まって▲2九飛~▲5九飛としたのが疑問手。後手君は四間に飛車を寄ったあと△4五歩▲同歩△同銀。これをA▲4五同桂は△同飛で、▲4七銀取りと△2五飛がある。
よって私は泣く泣くB▲4六歩だが、後手君に△5四銀と引き揚げられ、1歩を持たれたうえに角道が通ってしまった。
第1図以下の指し手。△6五歩▲同歩△8八角成▲同玉△3三角▲6六角△同角▲同金△3三角▲7七桂(第2図)
後手君は△6五歩。こんな歩は取るしかないが、角を換わって△3三角が厳しい。
私は▲6六角と合わせたが、再度△3三角。
私は▲7七桂と角を二重に遮断したが、どうも形勢を悪くした。
第2図以下の指し手。△6五桂▲同桂△同銀▲5五桂△6六銀▲同銀△5四桂▲7七銀△6六歩(第3図)
第2図では△6五桂や△6五銀、△6四歩などさまざまな手がある。本譜△6五桂も厳しそうだが、私は▲5五桂と角道を止めつつ金取り。悪いなりに最善は尽くしていると思った。
後手君は△6六歩だが、厳しいのかぬるいのか、私には分からなかった。
第3図以下の指し手。▲4五桂△4四角▲6三桂成△同銀▲5五銀△6七金▲4四銀△7七金▲同金△6五桂(第4図)
第3図では先手陣に怖いところがいっぱいあるが、ビビっていてもしょうがないので、▲4五桂と思い切って跳んだ。
対して後手君は△4四角と上がったが、この利かしが入ったのは大きい気がした。
▲5五銀はダサイ角取りで若干気が利かないが、こんなところか。
後手君は△6五桂と金取りに打つ。これも厳しい。
(つづく)