一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

中尾五段の順位戦復帰の目を考える・9「最後の大一番」

2018-03-27 00:50:20 | 目を考える
中尾敏之五段のフリークラス脱出の戦いも、いよいよ大詰めとなった。中尾五段は今年度ここまで「17勝10敗」。残る対局はあと1局のみで、これに勝てば「年度18勝12敗」の規定をクリアし、順位戦復帰となる。しかし負けると「フリークラス満10年」で、引退濃厚となる。
そして今日27日はその1局、第44期棋王戦予選4回戦・中尾五段(43歳)VS青嶋未来五段(23歳)の一戦が行われる。
まだ緒戦を対局していない棋士がいる中で、3月中に4回戦、は異例中の異例。将棋連盟も中尾五段に最大限の配慮をしたわけで、これは特筆に値する。
相手の青嶋五段は三段リーグを16勝2敗で抜け、2015年4月四段昇段。順位戦1年目のC級2組では9勝1敗の好成績を挙げ、C級1組に昇級昇段した。
まさに中尾五段の「最終試験官」にふさわしい俊英といえるが、青嶋五段は今年度19勝17敗で、意外に負けがこんでいる。ただ内訳を見ると、昨年4月に王座戦本戦で佐藤天彦名人に勝っている。またフリークラス棋士とは川上猛七段(2局)、木下浩一七段、所司和晴七段、石川陽生七段と当たったが、何と全勝。まさにフリークラスキラーだ。
ただC級2組所属の棋士とは3勝6敗で、意外に悪い。これを見ると、中尾五段もノーチャンスではない気がしてくる。
ちなみに中尾五段は、対フリークラス棋士7勝1敗。これは現役続行の熱量の差で勝てた感じだ。
対C級2組棋士は1勝4敗。この4敗は高見泰地五段(2局)と牧野光則五段(2局)に喫したもので、青嶋五段とこの2棋士のイメージが同じなのが、私には引っ掛かるところである。
これに関連して、中尾五段の17勝の相手棋士(女流含む)の平均年齢は45.5歳。10敗のそれは33.2歳である。同年代以上の棋士には読みの波長が合うのかよく勝っているが、若手棋士は苦手にしている印象だ(というか、すべての年代を苦にしたから、C級2組から降級してしまったわけだが)。
27日は羽生善治竜王VS谷川浩司九段戦(王位戦リーグ)がある。これはニコ生やAbemaTVも中継する往年のゴールデンカードだが、その陰で、ほとんどの将棋ファンに注目されず、棋士人生の再スタートに命を賭ける中年棋士の、壮絶な戦いがある。
今日はとにかく、中尾五段に勝ってもらいたい。中尾―青嶋戦は携帯中継があり私は仕事が手につかないが、というかその仕事がないが、今日は1日スマホの前にかじり付こうと思う。
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