一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行2018・13

2018-03-10 01:57:44 | 旅行記・北海道編
南小樽、いわゆる「なんたる」駅前からは坂道を降りる。小樽ももちろん積雪がすごく、アスファルトがまったく見えない。
小樽オルゴール堂前の、いわゆるメルヘン交差点に着いた。
近くに郵便局があったので、まずは貯金である。「小樽堺町郵便局・213円」。局内に文庫本のミニ図書館があったのが、地方郵便局らしかった。
さて小樽は札幌をしのぎ、道内で最も観光客の密度が高いと思う。周りはどこを見ても人、人、人。しかもそのほとんどが外国人である。日本人はどこに消えてしまったのだろう。
現在小樽では「第20回小樽雪あかりの路」が開催されている。もちろんその観光が目的の主だが、今回は渡部愛女流二段へのお土産購入も兼ねている。小樽は有名な洋菓子店も多く、品選びには困らない。
私は小樽オルゴール堂に入った。どれも魅力的な商品なのだが、そもそも渡部女流二段がオルゴールを好んで聴くだろうか。「否」であろう。
北一硝子にも入ってみる。ここも個人的には買いたい商品がいっぱいなのだが、渡部女流二段はさしてよろこばないと思った。
となればやはり食べ物になってしまうか。ただし渡部女流二段は、帯広の有名洋菓子店の御令嬢との噂も聞いた。ライバル店のお菓子を贈っても大丈夫だろうか。
洋菓子店・ルタオ(LeTAO)の前では、スタッフ嬢がチョコの新商品の試食品を配っていた。
私も1コいただく。美味い!
その向かいの店舗がルタオ本店のようで、入るとやはり、スタッフ嬢が各所で試食品を配っていた。
この辺はうまい戦略だと思う。すなわち、試食品をもらえば、みなルタオに好感を持つ。また、タダでお菓子をもらえば引け目も出てくるから、ここでお菓子を買うことになる。
事実私も買おうと考えたが、ルタオは新千歳空港でも買えたはずだ。それにANA FESTAで買えば、割引もあるかもしれない。それでここでは購入を見送った。でも、何か失敗したような、イヤな予感がした。











さて、小樽で食事である。昨年まではこの先にある食堂で摂ったのだが、今年はにぎり寿司をまだ食べていない。数年前、寿司屋通りの先の店で食べた寿司は新鮮で美味かった。あの店にもう一度入ろうと思った。
寿司屋通りにぶつかり、そこを函館本線が通るところまで登っていく。しかし数年前の寿司屋が分からず、私は細い路地を行ったり来たり。
ようやくそれらしき店を見つけた。「幸寿司」で、確かにそんな名前だった。
ただ、暖簾は出ているが営業しているふうでない。何となく入りにくくなり、今回は失礼した。
時刻は午後4時にならんとしており、夜の営業前の準備中が多い。そんな中、営業中の店を見つけた。店は奥にあるが、看板に寿司ネタと値段を記しており、好感が持てる。屋号は「海月」で、折しも今見ている連続ドラマ「海月姫」と同じだ。私はこの店に入った。
店は、奥の個室に案内された。これはポイントが高い。私は「特上生寿司」(1,800円+税)を注文する。無職が4桁の値段の献立を注文するなど言語道断だが、1回だけ贅沢をさせてもらった。
待っている間トイレを借りたが、これがなかなかに斬新で、水洗い場がなく、手はおしぼりで拭くシステムだった。
特上生寿司は、ウニ、イクラ、数の子、北寄貝、マグロ、ホタテ、サーモン、甘えび、鯛、貝類の10貫だった。一貫ほおばると、「みずみずしい」という単語がピタリと当てはまった。幸寿司と同じだ。
ネタはやや小さく、シャリも少なめだったが、魚介のダシが利いたみそ汁ともども、それを補って余りある美味さだった。やはり小樽は寿司である。
今来た道を戻って、いよいよ小樽運河観光である。
運河に着いたがまだ明るく、観光客もそれほどいない。
私は付近の倉庫街のひとつ「小樽運河食堂」に入ってみた。各所の食事処がひとつに集まっていて、ラーメン屋や居酒屋などがあった。昔、デビット伊東のラーメンを食べたことがあるが、あれはこの施設内だったかもしれない。でも今回は、もうお腹がいっぱいだ。
小樽運河に戻ると16時55分である。そろそろ日が暮れだし、運河内にある浮き玉も輝き出した。温度は―6.4℃で、いい按配である。
観光客も増えてきたが、うん?と思う。さっきから欄干中央の最前列にデーンと居座り、まったく場所を譲らない男がいるのだ。傘をさして黒コートに黒縁メガネ、とどこかの●の総大将みたいだ。
何だか「黄昏時の小樽運河で、最高のポジションを数十分間占領した」という土産話を構築している気がした。
それにしても、特にきらびやかでもないこの運河に、どうしてこうも人が集まるのだろう。
堺町通り商店街から流れてきた、という見方もあるが、記念撮影の度合いはこちらがはるかに大きい。思うに、運河の緩やかなカーブが人を惹きつけるのではないか。函館山からの夜景に人気があるのも、函館の街並みが左右の海に挟まれて、女体のくびれのようにカーブしているからだと思う。
外国人のカップルに、撮影を頼まれた。今は自撮りが全盛だが、しっかりした構図に入ろうと思ったら、やはり第三者の手が必要である。
私も観光客の頭ごしから、何枚か運河を撮影する。欲をいえばもう少し空が暗ければよかったが、私もあんまり遅くまでおれない。





小樽運河を離れ、手宮線会場に行った。今年も多くのキャンドルと雪像で飾られている。
しかし今年は雪の量が多いので、そちらの迫力が飾り物を駆逐している感もある。
今日は平日だったが、餅と芋を提供するボランティアの方は健在だった。昨年は客が多すぎてもらえなかったが、今年は余裕である。
寒い中食べる餅と芋は熱くて美味い。街の方の厚意に感謝、感謝だった。







私はゆっくり散策して奥まで行く。が、今年はその先もあるようだ。道路の向こう側から第2弾が始まっていたが、そこまで行く観光客は5割減、というところ。ゴール地点には食事処まで設けてあったが、食べる時間がない。
私は後ろ髪を引かれる思いで引き返す。
小樽駅への途中にアクセサリー店があり、入った。涙の形のピアスがあったが、これも渡部女流二段がよろこんでくれるかどうか、不明。やはり購入を控えた。
ノスタルジックな小樽駅に着いた。最後に乗るべき列車は、18時30分発の快速エアポート190号である。これが新千歳空港に19時42分に着くから、空港でお土産を買う時間をとっても、21時の飛行機には余裕で間に合う。
だが新千歳空港までは1,780円もする。これは計算外だった。私はSuicaで入場し、座席を確保する。
ふうぅ……。いろいろあったが、楽しい5日間だった。
列車は定刻に発車し、私はスマホを見る。
と、ANAからメールが入っていた。開くと
「使用機到着遅れのため出発時刻が変更となります」
とあり、その時刻が「札幌/千歳/21:00発・東京/羽田22:40着」から、「札幌/千歳21:50発・東京/羽田23:30」に変更されていた。
50分遅れか…。
これが、悪夢の始まりだった。
(つづく)
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