５局目はSu君と戦う。私は失念していたが、最近１局指したらしい。ああそういえばそうだ。私が勝った気がする。
振駒で私の先手となり、横歩取り模様に進んだ。この戦型はあまり好きではないが、居飛車をやる以上、避けて通れない道だ。
▲３四飛にSu君は少し考えて△８八角成。▲同銀に△２八歩ときた。
私は怪訝に思いつつ▲２八同銀だが、△４五角。昔懐かしい「△４五角戦法」だ。
▲２四飛にSu君は△８八飛成と指そうとしたが、△２三歩。もちろんそちらが本手だ。この辺り、Su君も指しなれてないようだ。
以下▲７七角△８八飛成▲同角△２四歩▲１一角成と進む。Su君は当然、△３三桂と跳ねると思ったが…。
第１図以下の指し手。△８七銀▲７七馬△７六銀不成▲６八馬△８八歩▲４六飛（第２図）
Su君は△８七銀ときた。たしか谷川浩司五段が初めて指した手で、知らねば指せぬ鬼手だ。
これに▲８七同金は△６七角成で寒いので、私は▲７七馬と引く。対して△７六銀不成も定跡だが、▲６八馬△８八歩に過去の記憶が途切れ、指す手が分からなくなってしまった。
私は▲４六飛と角銀取りに打ったが、正着だったろうか。
第２図以下の指し手。△８九歩成▲４五飛△９九と▲５八玉△８九飛▲７七歩△４四香▲同飛△同歩▲７六歩（第３図）
△８九歩成ではもちろん△５四角もある。それなら▲５六香が予定だった。
△９九とに▲８六馬は△８九飛なので、私は▲５八玉。しかし△８九飛▲７七歩に、△４四香と打たれ跳び上がった。飛車が逃げれば△４七香成▲同玉△４九飛成がある。
私は想定内とばかり▲４四同飛△同歩▲７六歩と二枚換えしたが、この取引は大損となった。
第３図以下の指し手。△８六桂▲７九金△同飛成▲同馬△７八金▲同馬△同桂成▲４八玉△９八飛▲５八香△６八成桂▲８四飛（途中図）
△５八成桂▲同金（第４図）
第３図でSu君は△８六桂と放ったがどうだったか。ここは△９八とと、と金を活用されるほうがイヤだった。
本譜は▲７九金に飛車を切って馬を詰ましたが、Su君のトクになっていないような気がした。
私は△７八同桂成に▲４八玉と早逃げし、▲５八香で一息つく。
△６八成桂には▲５九香もあったが、私は▲８四飛。中途半端な位置だが、２つ狙いがあった。
第４図以下の指し手。△４五角▲８八金△２五香▲９八金△同と▲４四飛△２八香成▲４五飛△８八と▲５六香△４二銀▲５三香成△同銀（第５図）
第４図でSu君は△４五角と打ったが、敗着となった。私は▲８一飛成ではなく、▲８八金と飛車を殺し、これは一手勝ちになったと思った。
△９八同とに▲４四飛の角取りも幸便。してみると△４五角はココセのような手だった。
△８八とには▲４一飛打でも詰んでいると思ったが、読み切れなかった。
第５図以下の指し手。▲４一飛打△６二玉▲６一飛成△同玉▲４一飛成△５一香▲５二金（投了図）
まで、 一公の勝ち。
第５図から▲４一飛打と踏み込んだ。意外に変化はなかったようで、以下は即詰みとなった。
感想戦。Su君は第２図を将棋ソフトと研究していたようで、ここでソフトは△５四角と指したらしい。「でも▲５六香があるから指しづらいですよね…」とSu君。
Og氏を交える。問題になったのは第３図で、やはり△９八とがよかったらしい。次の△８八とが厳しく、先手はあまり楽しみがない。こう進めばSu君が勝っていただろう。
玉の薄い将棋は神経を遣うが、それだけに勝った時の喜びは大きい。
近くでは、１局目の少年と、今日初顔の級位者のおじさんが対局していた。おじさんの六枚落ちで、これは少年の勝ちに決まっているが、彼はここまで負けっぱなしだったので、ここで勝ち味を知るのがよい。
私の６局目は、教室最強のIi君と。
私の先手番でもいいのだが、前局は私が勝っているし、振駒にした。それと、私が後手番になったら指してみたい手があった。
ちょうど私の後手になった。私は横歩取りに誘導し、△４五角戦法。つまりさっきの逆をやったのだ。
△８八歩にどう指す？
第１図以下の指し手。▲７七歩△８九歩成▲７六歩△９九と▲８五飛△８九飛▲同飛△同と▲８五飛△９九飛▲４八玉△２五香（第２図）
Ii君はノータイムで▲７七歩。これが定跡だったか。そういえばむかしKaz氏とこの戦型を指した時も、Kaz氏は▲７七歩と指した気がする。
いずれにしても、これで前局から離れた。
Ii君▲８五飛。２度目の▲８五飛には△９九飛を利かして△２五香だが、この辺はよく分からなかった。あるいは△９九飛を保留し、△２五香で△２五飛と打つべきだったかもしれない。
もっとも△２五香に、Ii君は長考に沈んでしまった。
第２図以下の指し手。▲３九銀△２七角成▲３八銀△同馬▲同金△２九香成▲６九香△２六桂▲２七金△３九成香▲５六歩（第３図）
Ii君は▲３九銀と引いたが、あまりいい手に見えなかった。私は△２七角成だが、どうだったか。素直に△２九香成とすべきだったかもしれない。
▲３八銀に△同馬は騎虎の勢い。▲同金に△２九香成として、一応攻めが通った形だ。なお▲３八同金で▲同玉は、△２九香成▲同玉△８八とで後手悪くない。
本譜△３九成香に▲同玉は、私に７八の金を無理やり取りに行く手があって、指し切れないだろう。▲５六歩と通気口を開けたが、こう指したくなると思う。
第３図以下の指し手。△７九銀▲５八馬△９八飛成▲８七銀△３八桂成▲５七玉△９七飛成▲９八歩△９四竜▲８一飛成（第４図）
△７九銀はややダサイが、盤上の駒を多くし、△８八との活用を見た。
▲８七銀に△３八桂成。玉を上部に逃がすが、２枚の駒を連結させておいたほうがいいと思った。
△９四竜に▲８一飛成と桂を取られたが…。
（つづく）
振駒で私の先手となり、横歩取り模様に進んだ。この戦型はあまり好きではないが、居飛車をやる以上、避けて通れない道だ。
▲３四飛にSu君は少し考えて△８八角成。▲同銀に△２八歩ときた。
私は怪訝に思いつつ▲２八同銀だが、△４五角。昔懐かしい「△４五角戦法」だ。
▲２四飛にSu君は△８八飛成と指そうとしたが、△２三歩。もちろんそちらが本手だ。この辺り、Su君も指しなれてないようだ。
以下▲７七角△８八飛成▲同角△２四歩▲１一角成と進む。Su君は当然、△３三桂と跳ねると思ったが…。
第１図以下の指し手。△８七銀▲７七馬△７六銀不成▲６八馬△８八歩▲４六飛（第２図）
Su君は△８七銀ときた。たしか谷川浩司五段が初めて指した手で、知らねば指せぬ鬼手だ。
これに▲８七同金は△６七角成で寒いので、私は▲７七馬と引く。対して△７六銀不成も定跡だが、▲６八馬△８八歩に過去の記憶が途切れ、指す手が分からなくなってしまった。
私は▲４六飛と角銀取りに打ったが、正着だったろうか。
第２図以下の指し手。△８九歩成▲４五飛△９九と▲５八玉△８九飛▲７七歩△４四香▲同飛△同歩▲７六歩（第３図）
△８九歩成ではもちろん△５四角もある。それなら▲５六香が予定だった。
△９九とに▲８六馬は△８九飛なので、私は▲５八玉。しかし△８九飛▲７七歩に、△４四香と打たれ跳び上がった。飛車が逃げれば△４七香成▲同玉△４九飛成がある。
私は想定内とばかり▲４四同飛△同歩▲７六歩と二枚換えしたが、この取引は大損となった。
第３図以下の指し手。△８六桂▲７九金△同飛成▲同馬△７八金▲同馬△同桂成▲４八玉△９八飛▲５八香△６八成桂▲８四飛（途中図）
△５八成桂▲同金（第４図）
第３図でSu君は△８六桂と放ったがどうだったか。ここは△９八とと、と金を活用されるほうがイヤだった。
本譜は▲７九金に飛車を切って馬を詰ましたが、Su君のトクになっていないような気がした。
私は△７八同桂成に▲４八玉と早逃げし、▲５八香で一息つく。
△６八成桂には▲５九香もあったが、私は▲８四飛。中途半端な位置だが、２つ狙いがあった。
第４図以下の指し手。△４五角▲８八金△２五香▲９八金△同と▲４四飛△２八香成▲４五飛△８八と▲５六香△４二銀▲５三香成△同銀（第５図）
第４図でSu君は△４五角と打ったが、敗着となった。私は▲８一飛成ではなく、▲８八金と飛車を殺し、これは一手勝ちになったと思った。
△９八同とに▲４四飛の角取りも幸便。してみると△４五角はココセのような手だった。
△８八とには▲４一飛打でも詰んでいると思ったが、読み切れなかった。
第５図以下の指し手。▲４一飛打△６二玉▲６一飛成△同玉▲４一飛成△５一香▲５二金（投了図）
まで、 一公の勝ち。
第５図から▲４一飛打と踏み込んだ。意外に変化はなかったようで、以下は即詰みとなった。
感想戦。Su君は第２図を将棋ソフトと研究していたようで、ここでソフトは△５四角と指したらしい。「でも▲５六香があるから指しづらいですよね…」とSu君。
Og氏を交える。問題になったのは第３図で、やはり△９八とがよかったらしい。次の△８八とが厳しく、先手はあまり楽しみがない。こう進めばSu君が勝っていただろう。
玉の薄い将棋は神経を遣うが、それだけに勝った時の喜びは大きい。
近くでは、１局目の少年と、今日初顔の級位者のおじさんが対局していた。おじさんの六枚落ちで、これは少年の勝ちに決まっているが、彼はここまで負けっぱなしだったので、ここで勝ち味を知るのがよい。
私の６局目は、教室最強のIi君と。
私の先手番でもいいのだが、前局は私が勝っているし、振駒にした。それと、私が後手番になったら指してみたい手があった。
ちょうど私の後手になった。私は横歩取りに誘導し、△４五角戦法。つまりさっきの逆をやったのだ。
△８八歩にどう指す？
第１図以下の指し手。▲７七歩△８九歩成▲７六歩△９九と▲８五飛△８九飛▲同飛△同と▲８五飛△９九飛▲４八玉△２五香（第２図）
Ii君はノータイムで▲７七歩。これが定跡だったか。そういえばむかしKaz氏とこの戦型を指した時も、Kaz氏は▲７七歩と指した気がする。
いずれにしても、これで前局から離れた。
Ii君▲８五飛。２度目の▲８五飛には△９九飛を利かして△２五香だが、この辺はよく分からなかった。あるいは△９九飛を保留し、△２五香で△２五飛と打つべきだったかもしれない。
もっとも△２五香に、Ii君は長考に沈んでしまった。
第２図以下の指し手。▲３九銀△２七角成▲３八銀△同馬▲同金△２九香成▲６九香△２六桂▲２七金△３九成香▲５六歩（第３図）
Ii君は▲３九銀と引いたが、あまりいい手に見えなかった。私は△２七角成だが、どうだったか。素直に△２九香成とすべきだったかもしれない。
▲３八銀に△同馬は騎虎の勢い。▲同金に△２九香成として、一応攻めが通った形だ。なお▲３八同金で▲同玉は、△２九香成▲同玉△８八とで後手悪くない。
本譜△３九成香に▲同玉は、私に７八の金を無理やり取りに行く手があって、指し切れないだろう。▲５六歩と通気口を開けたが、こう指したくなると思う。
第３図以下の指し手。△７九銀▲５八馬△９八飛成▲８七銀△３八桂成▲５七玉△９七飛成▲９八歩△９四竜▲８一飛成（第４図）
△７九銀はややダサイが、盤上の駒を多くし、△８八との活用を見た。
▲８七銀に△３八桂成。玉を上部に逃がすが、２枚の駒を連結させておいたほうがいいと思った。
△９四竜に▲８一飛成と桂を取られたが…。
（つづく）
