一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第11回武蔵国 けやきカップ・1dayトーナメント(前編)

2018-04-26 00:38:17 | LPSAイベント
24日も職安に行き、1件申し込んだ。
担当嬢いわく6件の申し込みがあるとのことで、年齢の分布を聞くと、30代1人、40代2人、50代3人だった。この年齢層なら何とか戦えそうである。
私は翌25日に履歴書を書いたのだが、求人票の注意事項に「詳しい情報はHPに掲載してあります」とあるので見てみると、「募集要項」に「40歳以下」とあるのでズッコケた。
私は職安の担当嬢に電話し、企業側に問い合わせてもらった。
折り返し電話が来たが、企業側は「リーダーが42歳なので、40歳以下が望ましい」との回答だったらしい。
実は職安の募集要項には、年齢制限が書かれていない。たぶん規則で書けない決まりになっているのだろう。それで企業側が高齢の求職を拒む場合、「若い会社です」とか「子育て中の女性でも安心です」のような文言を記したり、月給を薄給にしたりする。それでこっちの意を汲んでくださいよ、というわけだ。今回は給料が安かったのでもしやと思ったが、案の定だった。
年齢制限を聞いて私は迷ったが、結局送付を見送った。
私の求職も、ついにG.W.越えが確実となった。

   ◇

3月21日(水・祝)は、東京都府中市で「第11回武蔵国 府中けやきカップ・女流棋士1dayトーナメント」があった。
これは毎年楽しみにしているイベントだが、前夜、渡部愛女流二段が出場しないと知った。朝起きると寝不足がひどく(録画していた映画「64(ロクヨン)」前後編を観たせいだ)、いっそのこと行くのをやめようかと思った。
しかし中倉宏美女流二段や島井咲緒里女流二段の御尊顔も拝したいし、岡本眞一郎氏の曲詰を解く楽しみもある。私はボンヤリした頭で府中に向かったのだった。
春分の日だというのに、表は小雪まじりの雨である。私の心の中を表しているかのようだった。
イベント場所は府中駅から徒歩1分の「府中グリーンプラザ」6階。開演5分前に入室すると、すでに関係者がそろっていた。観客席は70。半数の席が埋まるかどうかという状況で、ちょっと少ない気もするが、階下では子供たちの将棋大会が行われている。客はそちらに行ったのかもしれなかった。
定刻になり、中倉宏美代表理事の挨拶。「今日は雪になって、驚きました」。
さらに府中市市長・高野律雄氏の挨拶。「けやきキッズ団体戦では、48チームが出場します」。
トーナメント戦はだいたい16チームが1セットだから、募集人員いっぱいに集まったということだ。「最近は藤井聡太さんの影響もありまして、おいが最近将棋を始めたのですが、すぐに(棋力を)抜かされました」
このあたりは、今日のために温めていた鉄板ネタだろう。
続いて、むさし府中商工会議所会頭・濱中重美氏。「この府中グリーンプラザは今月いっぱいで閉館になります」
そういえば、階下で「サヨナラコンサート」なるポスターを見たが、それはこの建物自体のことを云っていたのだ。
スピーチが終わり、10人以上はいる来賓とスポンサー様の氏名が紹介された。
さていよいよ対局である。だがその前に、いただいたパンフレットの中に、岡本眞一郎氏の懸賞詰将棋がない。
近くにいたTag氏に聞くと、岡本氏が体調不良のため、今年はない、とのことだった。
それは残念だが、少しほっとしたところもある。あの詰将棋を解き始めるとそれに没頭してしまい、対局者や解説者がまったく目に入らないからだ。今年は対局観戦に専念しようと思った。
まず優勝者予想クイズだが、今年は本命がいないので、予想がむずかしい。宏美女流二段に1票を投じた。
1回戦Aは蛸島彰子女流六段VS堀彩乃女流2級。解説は中座真七段、聞き手は上川香織女流二段である。
蛸島女流六段は先日現役を引退したが、LPSA棋戦にはお構いなく出場できる。蛸島女流六段はいつもと変わらぬ姿であった。
堀彩乃女流2級は2016年8月に女流3級デビュー。しかしここまで成績はパッとしない。私は堀女流2級に指導対局を受けたことがあるが、短手数で吹っ飛ばされた。ほかの女流棋士とは実力的に遜色ないはずで、あとは気持ちの問題であろう。
ステージから向かって左が対局スペース。中央やや右に、大盤が設われていた。
なお、1回戦B・島井咲緒里女流二段VS大庭美樹女流初段戦は、別室で行われている。こちらも観戦が可能だ。
対局開始。後手番・蛸島女流六段のゴキゲン中飛車に、堀女流2級は超速▲3七銀。でもまだ序盤だから、解説は雑談だ。
中座七段「宏美さんはこのグリーンプラザで勝ったことあるかなあ…。ないですよね。でもそれがいいんですかねえ」
本人がいないので、このくらいの毒はいいのである。「でも(未勝利が)長すぎますよねえ。(けやきカップも)11回ですもんね。……都市伝説があって、宏美さんが優勝しちゃうと、けやきカップがなくなる、って噂があるんですよ」
私個人としては、それでも宏美女流二段の優勝を見たい。
すぐ横に対局者がいるのだが、中座七段は割とハッキリと指し手を述べてしまう。
「その点、JT杯の解説は、(いろいろ制約があって、符号を言う行為には)厳しいんですよ」
上川女流二段から、蛸島女流六段の引退記念パーティーの告知があった。5月27日に、都内で行われるとのこと。
観客席の最前列には、LPSAファン氏の姿があった。LPSAはこうした熱心なファンに支えられている。
堀女流2級は、落ち着いて指している。彼女と渡部女流二段は共通点があって、将棋を教わったのがお父さん、らしい。
将棋は持久戦模様になった。堀女流2級は中央の位を取って、▲5六銀。「いいですね。中原―大山戦を見ているようです」と中座七段。
その中座七段の息子さん(小5)が、現在階下で戦っているという。「いま5級なんですけど、ふだん将棋を教えていると、なんでこんな手が分からないんだって、つい怒っちゃうんです」
これは植山悦行七段にも似た話があった。こういうエピソードを聞くと、コーチは女流棋士に限るとつくづく思う。
局面は細かいやりとりが続いている。▲2四歩を封じて、蛸島女流六段は△2二飛。「これは長期戦ですね」
上川女流二段が、「表は吹雪になりましたね」と言う。まったく、わずか1日で春から冬に逆戻りだ。
蛸島女流五段が1筋に手をつけ、堀女流2級は中央から動く。これは攻める場所が違って、堀女流2級が有望になった。
堀女流2級、▲7五歩。△7三の銀に狙いをつけた。「ここが急所ですね」
数手進んで▲6五銀打!(図)が手厚い。

中座七段は、「堀女流2級は大山先生の将棋を並べていますね」と感心した。
金銀が換わり、「じっくり行くなら(▲7五銀)」。堀女流2級もそう指した。このあたり、堀女流2級の指し手は男性棋士のそれと変わらない。
堀女流2級、▲6三金だった。中座七段「自然な手を積み重ねている気がしますね」。
蛸島女流六段は苦しくなった。
中座七段「苦しいと、相手の読んでない手を指すしかない」
しかし、形勢が離れすぎている。蛸島女流六段は最後の反撃に出たが、▲8七同玉に蛸島女流六段が投了した。
いやはや、なかなかコクのある将棋だった。堀女流2級の将棋は強く、今後に十分期待を抱かせた。https://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=76df6616263a039763b82aec8dc33dac&p=1&disp=10#

さて昼食である。駅の構内に、うまい蕎麦を食べさせてくれる店があった。
例によってすこし迷ったが、いい散歩になった。その店に入り、昨年と同じ日替わり定食の蕎麦を注文する。今日はマグロのミニ丼にたぬき蕎麦だ。丼のご飯が固めだったのと、ワサビが妙に効いたのがアレだったが、メインの蕎麦が美味かったので、よしとする。
(つづく)
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