5局目はTod氏と二枚落ち戦。Tod氏の銀多伝に、私は△2二銀保留といつもの構え。
下手は▲3四歩と突いてポイントを稼げるのだが、中央と角頭でごちゃごちゃやっているうち、▲3四歩が証文の出し遅れになってしまった。
Tod氏は▲3三歩成だが、もう角道が止まっているので恐くない。△3三同金で、却って△3六歩の狙いができた。
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第1図から私は△3六歩。▲3六同銀なら△5六角だ。
しかしTod氏は▲同銀! この両取りは見落とす方が悪いと、私はありがたく△5六角と打つ。以下▲4七銀△7八角成と進んで、この将棋は負けられないと思った。
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第2図から数手進んで、私はまたも△3六歩。▲同銀なら△6八馬がまたも両取りだ。
ところがTod氏が堂々と▲同銀と取ったものだから、また両取りがかかり、
「あ、また!!」
と、2人で顔を見合わせて大笑いしてしまった。以下▲4七銀△7九馬で、私の必勝である。Tod氏は数手前の▲9五歩△同馬の交換が大変なお手伝いだった。
そして私は三たび△3六歩。さすがにもうTod氏は取らなかったが、今度は△3七歩成▲同金△8八飛(部分第3図)に、合駒がなくなってしまった。指すなら▲3九玉しかないが、△2八金以下詰みである。
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実戦は△8八飛でTod氏の投了。
その結果はおかしいでしょ、と大野八一雄七段が感想戦に加わってくれたが、私の△2二銀保留にすぐ▲3四歩と行かないのが悪い、とここからダメだしが出た。
しかしこの教えは、以前も大野七段がTod氏に行っている。だがTod氏は腕力があるので、つい別の手に走ってしまう。私にもそのケがあるので、Tod氏の気持ちはよく分かるのである。
でもTod氏と指している時は、日ごろのウサを忘れられて、楽しい。Todさん、また指しましょう。
もう午後7時は過ぎているが、まだ残っている客がいるので、私たちは対局を続ける。
6局目はTaga氏と。私の後手で対局開始。
Taga氏の得意は角交換四間飛車なのだが、いつも私が△4四歩と角交換を拒否するので、本局は彼の得意形に乗ってみた。
角交換後、私は玉頭位取りに出る。しかしこれが意外に利かなかったようで、私は模様が悪くなった。
そんな中Taga氏が▲5四歩と突き捨てたのが疑問で、私は△6五の銀で△同銀と取り、急に自陣が引き締まった。
Taga氏▲2四桂。玉頭位取りはこの空間に桂香を打たれることがあるので注意が必要だ。
しかし本局は、手抜きでも一手勝ちできると思った。私は△4九とと金を取り、勝勢になったようである。
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第1図から▲9一と△3九銀▲1七玉△3八飛成▲4一角△2二玉▲2四香△2三香▲3二金△1三玉と進んで、私が勝った。最終▲3二金では▲2三香成でかなり際どいが、わずかに不詰めと思う。
Taga氏「いつも大沢さんは角交換させてくれないのに、今日はいつまでも角道を開けているから…。アレッ?角交換してもいいの? って感じで…」
私もたまには、相手の得意を指させてあげるのである。
以上、今日は6局指して4勝2敗。まあこんなものであろう。
Kaz氏が疲れた表情をしていたので聞くと、0勝3敗とのこと。しかし戦った相手がOg氏、佐藤氏、Wat氏といずれも重量級で、これでは全敗もやむを得ない。
食事は近くの定食屋へ。参加者は大野七段、W氏、Og氏、佐藤氏、Wat君、Tod氏、Kaz氏、Yo氏、私の9人。
私はづけ丼のセットを頼み、舌鼓を打つ。食後はちょっとおしゃべり。月に1度行っている、女流棋士を招いての指導対局会について、いろいろ意見を出し合う。
私などはファンの女流棋士に指導を受けるだけだから気楽なものだが、経営側はそうはいかず、いろいろ難しいところもあるらしい。
場所をモスバーガーに移して、さらにゆんたく。私の正面にはWat君がいた。彼、俳優の菅田将暉に似ている。女性にモテモテだろうと思う。
ここでは昭和60年前後の将棋界の話に花が咲いた。といってもその主はOg氏である。大山康晴十五世名人―二上達也九段戦の▲5三桂成、王将戦予選の持ち時間は5時間だったか6時間だったか、昭和59年、60年前後の王将戦七番勝負の対局者は誰か、などの話をした。
私はうろ覚えで適当に話を合わせたが、Og氏はさすがの記憶力で、舌を巻いた。
結局、今回も11時の閉店まで粘ってしまった。
翌週3月5日(月)は、求職後初めての面接がある。気合を入れて望むつもりだ。