一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

世界の将棋まつり2018(前編)

2018-04-19 00:05:06 | 将棋イベント
3月18日(日)は、近くの駅前で「世界の将棋まつり」があった。午後1時、私は「ミスDJ」にリクエスト曲を送信したあと、昨年に続いて出掛けた。
会場は多くの客がいて、将棋、どうぶつしょうぎ、中国象棋、チェス、チャンギ(韓国象棋)、オセロゲーム、バックギャモンなど世界各国のSHOGIが並んでいた。しかし将棋コーナーで将棋を指している人はなし。これは寂しいことだった。
昔はこの駅の近くにも将棋道場がいくつかあったが、すべて閉席してしまった。今、将棋は対面で指すものではないのかもしれない。
どうぶつしょうぎのブースに藤田麻衣子さんがいた。今年はどうぶつしょうぎ誕生10年だそうで、先日も北尾まどか女流二段とのトークショーを、ネット配信していた。
ブースの前にはどうぶつしょうぎのクッションが、駒の代わりに置かれていた。毎年毎年グッズが増えるのはいいことで、デザイン担当冥利に尽きるというものだろう。
藤田さんは何か買いに出かけるみたいだったので、後を追って挨拶した。
その他は石井健太郎五段の姿もあった。石井五段は、先日の順位戦C級2組最終戦で勝利し8勝2敗としたが、頭ハネで昇級を逸した。私は昨年この席で石井五段に指導対局を受けたので、挨拶したいところだが、
「先日の順位戦は残念でした…」
と言えば傷口に塩を塗る形になるから、ちょっと躊躇する。結局そのまま、素通りしてしまった。
チャンギコーナーに行くと、見知った顔がある。マスクをしているが、LPSAファン氏のようだ。一局終わったので声を掛けると、果たしてそうだった。
LPSAファン氏はそのハンドルネームの通りLPSAの熱心なファンで、むかしLPSA芝浦サロンの帰りに、2人でお茶をしたこともあった。
再会を祝して握手する。チャンギは即席で行ったらしいが、相当おもしろいらしい。
LPSAファン氏は21日の「けやきカップ」にも応援に行くらしく、その時も顔を合わせそうだ。
さて、今日は2時から、男性棋士による指導対局がある(2,000円)。今回は石田直裕五段と石井五段による五面指しで、1回目は午前11時にあった。
私は石井五段に再び指導を仰ぎたいが、名寄市出身の石田五段にも教えてもらいたい。
受付に行くと、石田五段2、石井四段1、の予約状況だったが、あまり偏りが出るなら振り替えてもいいです、の一言を付け加え、石田五段に予約を入れた。
ちょっと時間が空く。近くの霊園に叔父のお墓があるので、お参りに行くことにした。
戻ってきたら1時45分だった。
将棋コーナーでは小学生の男女が将棋を指していた。相振り飛車だが、女の子の模様がいい。そこから有利→優勢と、徐々に差を拡げる。私もいっしょになって読むが、彼女が私の読みにない手をいくつか指し、しかもそれがことごとく好手で、舌を巻いた。
これはなかなかの手練れで、彼女が本気で将棋を勉強したら、女流棋士になれると思った。
所司和晴七段がいらしたので挨拶する。
「先生、昨年は将棋ペンクラブ大賞の贈呈式にお見えになりませんでしたが…」
「あの時は中国象棋の世界大会がありまして、失礼しました」
「おおそうでしたか。今年の贈呈式はよろしくお願いいたします」
しかし今年は、私が参加できる可能性が少ない。
定刻5分前になり、私は受付に出向く。指導棋士を変えずに指すことになったが、私の前には石井五段がいらした。が、これは両先生の錯覚。一応受付で確認して、両先生の居場所をチェンジしてもらった。
私の前に石田五段がいらした。大学の研究者っぽい、甘いマスクだ。
「石田先生はじめまして。先生は名寄市のご出身でいらっしゃいますよね。先生、JRの深名線はお乗りに乗ったことがありますか」
「深名線…。いやちょっと私の時はもう、廃止になっておりました」
「ああそうですか、私はあの沿線が好きで、朱鞠内とか幌加内とか、もう毎年行ってるんですよ」
「ああ、北海道のご出身ですか?」
「いえいえ、生まれも育ちも東京なんですが、私はあの沿線が好きでして」
地元のことを言われれば石田五段もうれしいはずで、これで石田五段は私に、本気は出せなくなった。
というわけで、石田五段の角落ちで対局開始。

初手からの指し手。△8四歩▲7六歩△8五歩▲7八金△8六歩▲同歩△同飛▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛(第1図)

石田五段は早くに飛車先の歩を決めてきた。これには▲7七角が普通だが、昨年の将棋ペンクラブ・関東交流会の上野裕和五段戦では手拍子に上がって後悔したので、▲7八金と上がる。
石田五段は(飛車先を受けない!)と意表を衝かれた感じで、△8六歩。以下私も飛車先の歩を切って、▲2五飛。本局も「一公流▲2五飛戦法」を採用した。

第1図以下の指し手。△8二飛▲9六歩△6二銀▲6九玉△7四歩▲5九金△4二金▲8七歩△5四歩▲4八銀△5三銀▲5六歩△9四歩▲6八銀△5二金右(第2図)

石田五段は4面指し。私の右奥は小学生。左の成人女性は二枚落ちだが、序盤に▲4五歩と指している。彼女もタダモノではない。その左の小学生は果敢に平手で挑んでいたが、それもよし。
石井五段はというと、小学生相手に2面指しだった。それなら私がそちらに行けば均衡を保てたのだが、もう遅い。
△8二飛には▲9六歩と突っ張る。しかし5手後の△4二金に、ついに▲8七歩と謝った。
私は中原囲いを完成し、さらに▲6八銀の待ち。

第2図以下の指し手。▲6六角△6四歩▲7九玉△6三金▲7七桂△7三桂(第3図)

第2図で▲6六角と出た。これは▲7七桂と跳ねる意味である。▲7九玉は将来の飛車交換の時の、△8九飛を防いだもの。
▲7七桂に△7三桂はやはり、という感じで、捨て置いて▲8五飛とぶつけられては△8四歩と謝る手になり、上手おもしろくない。
ただし△7三桂には私も、用意の手があった。

(つづく)
コメント
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