かなり古い話になるが、3月5日(月)は東京・池袋で求職会社の面接があった。
それまで計10社に申し込んだがすべて書類選考で落とされた。この会社はいきなり面接を行うので、無条件で「本戦進出」というわけである。
もう少し詳しく書くと、1日に職安で申し込みをした。採用人員は2人。現在50代が1人、60代が3人申し込んでいるとのことだった。
その場で職員が電話連絡をする。面接の日程調整となり、先方は「翌2日」を希望したがそれは断り、翌週5日にしてもらった…というわけだった。
業種は交通広告の代理店で、仕事内容は沿線の飛び込み営業。私には若干向かないが、贅沢は言えない。
面接官は人のよさそうな人で、緊張感が漂う中、面接が始まった。といっても私は萎縮するわけではなく、言いたいことを言った。
例えばこういう時、質問に対する理想的な答えはある。会社のためにバリバリ働きます。フットワークはいいです。人と話すのが大好きなので、飛び込み営業は天職です。以前の広告代理店では新規の顧客をいっぱい獲得しました。ワードもエクセルもこなします…等等等である。
しかしこれらは全部ウソっぱちなので、そこは思ったことを正直に言った。
なおこの会社は、履歴書のほかに職務経歴書or自己PR書が必要だった。私は自己PRできるところはないので職務経歴書を持参したが、先方は自己PR書を見たかったふうだった。ただそれなら先方も、そのことをハッキリ明記するべきだったと思う。
「この業界は今後どうなると思いますか」
面接官が聞く。
「厳しいと思います」
私は即答する。「やはりネット広告が充実してきているので、それ以外の広告手法は苦労すると思います」
面接官は複雑な表情だったが、
「最後に質問があります。あなたのここまでの人生は、幸運だったと思いますか? 不運だったと思いますか」
と言った。社員の採用に関してマニュアルでもあるのか、面接官は意外なことを聞いてきた。
当時、というか今もそうだが、クサることがいろいろあったので、私は
「…悪い、と思います。この前も、むかし知り合った女性を思い出したりしまして…ああそれはいいんですが、まあこういう場面では運がいい、と答えた方がいいんでしょうが、自分にウソはつけない」
これで面接は終了となった。
私は何となく手ごたえを感じたので、70%くらいの確率で受かると思った。
だが、返事はなかなか来なかった。先方は5日間以内に連絡を寄越すと言ったが、けっこうかかっている。ああこれは落ちたと思った。もし会社側が本当に欲しい人材だったら、一刻も早く連絡をするだろう。
10日(土)に封書が来たが、果たして不採用だった。やはり「運が悪い」と答えたのがマズかったか。
この顛末は大野教室でも話したが、Og氏は「そんな運の質問で採否を決める企業なんて、受からなくてよかったよ」と憤慨してくれた。
だがW氏は「(運の答えは)採用に関係ないでしょう」と言った。その質問以前に、採否の結論は出ていた、という意味だ。
実は私もそう思った。自分がこれから働こうという会社に対し、「この業界は厳しい」などという男とは、社員も一緒に働きたいとは思わないだろう。
また私が求職に積極的なら、そもそも2日(金)に面接に行っている。その日私は、大野教室に遊びに行っていたのだからお話にならない。
とはいえもし、運の質問で私が「運がいい」と答えていたらどうなっていたか。意外とこれが、「救済」の質問だったかもしれないのだ。そう思うと、意外に悔やまれてくるのである。
では私は客観的に見て、運がいいのか悪いのか。6日(水)のフジテレビ系「ホンマでっか!?TV」で、脳科学者・中野信子さんが興味深い講義を行った。15の質問に答えるだけで、自分の運の良し悪しが客観的に分かるというものである。
私ももちろん行ったが、3つの質問×5項目、すべての項目で私は「運が悪い」との自己評価だった。
ということは、私が面接官に「運が悪いと思う」と答えたのは、間違いではなかったことになる。
これで多少、諦めがついた。
それまで計10社に申し込んだがすべて書類選考で落とされた。この会社はいきなり面接を行うので、無条件で「本戦進出」というわけである。
もう少し詳しく書くと、1日に職安で申し込みをした。採用人員は2人。現在50代が1人、60代が3人申し込んでいるとのことだった。
その場で職員が電話連絡をする。面接の日程調整となり、先方は「翌2日」を希望したがそれは断り、翌週5日にしてもらった…というわけだった。
業種は交通広告の代理店で、仕事内容は沿線の飛び込み営業。私には若干向かないが、贅沢は言えない。
面接官は人のよさそうな人で、緊張感が漂う中、面接が始まった。といっても私は萎縮するわけではなく、言いたいことを言った。
例えばこういう時、質問に対する理想的な答えはある。会社のためにバリバリ働きます。フットワークはいいです。人と話すのが大好きなので、飛び込み営業は天職です。以前の広告代理店では新規の顧客をいっぱい獲得しました。ワードもエクセルもこなします…等等等である。
しかしこれらは全部ウソっぱちなので、そこは思ったことを正直に言った。
なおこの会社は、履歴書のほかに職務経歴書or自己PR書が必要だった。私は自己PRできるところはないので職務経歴書を持参したが、先方は自己PR書を見たかったふうだった。ただそれなら先方も、そのことをハッキリ明記するべきだったと思う。
「この業界は今後どうなると思いますか」
面接官が聞く。
「厳しいと思います」
私は即答する。「やはりネット広告が充実してきているので、それ以外の広告手法は苦労すると思います」
面接官は複雑な表情だったが、
「最後に質問があります。あなたのここまでの人生は、幸運だったと思いますか? 不運だったと思いますか」
と言った。社員の採用に関してマニュアルでもあるのか、面接官は意外なことを聞いてきた。
当時、というか今もそうだが、クサることがいろいろあったので、私は
「…悪い、と思います。この前も、むかし知り合った女性を思い出したりしまして…ああそれはいいんですが、まあこういう場面では運がいい、と答えた方がいいんでしょうが、自分にウソはつけない」
これで面接は終了となった。
私は何となく手ごたえを感じたので、70%くらいの確率で受かると思った。
だが、返事はなかなか来なかった。先方は5日間以内に連絡を寄越すと言ったが、けっこうかかっている。ああこれは落ちたと思った。もし会社側が本当に欲しい人材だったら、一刻も早く連絡をするだろう。
10日(土)に封書が来たが、果たして不採用だった。やはり「運が悪い」と答えたのがマズかったか。
この顛末は大野教室でも話したが、Og氏は「そんな運の質問で採否を決める企業なんて、受からなくてよかったよ」と憤慨してくれた。
だがW氏は「(運の答えは)採用に関係ないでしょう」と言った。その質問以前に、採否の結論は出ていた、という意味だ。
実は私もそう思った。自分がこれから働こうという会社に対し、「この業界は厳しい」などという男とは、社員も一緒に働きたいとは思わないだろう。
また私が求職に積極的なら、そもそも2日(金)に面接に行っている。その日私は、大野教室に遊びに行っていたのだからお話にならない。
とはいえもし、運の質問で私が「運がいい」と答えていたらどうなっていたか。意外とこれが、「救済」の質問だったかもしれないのだ。そう思うと、意外に悔やまれてくるのである。
では私は客観的に見て、運がいいのか悪いのか。6日(水)のフジテレビ系「ホンマでっか!?TV」で、脳科学者・中野信子さんが興味深い講義を行った。15の質問に答えるだけで、自分の運の良し悪しが客観的に分かるというものである。
私ももちろん行ったが、3つの質問×5項目、すべての項目で私は「運が悪い」との自己評価だった。
ということは、私が面接官に「運が悪いと思う」と答えたのは、間違いではなかったことになる。
これで多少、諦めがついた。